グランファンタズム

 クリア。こちらも良くできている〜。「エターナルマナ」シリーズになって、錬金術をメインにしたRPG風味のSLGから、錬金術というやり込み要素のあるRPGになり、単なる味付けだけの純粋RPGになっていったわけですが。今作はそのRPGとしての完成度をぐっと上げてきました。ユーディーとヴィオラートは過渡期の迷作、マナシリーズは脱皮期間だったとしたら、完全に成虫になりなりましたね。その分昔のアトリエシリーズの香りはほぼ完全に消えました。まあ、仕方のないことです。

 良い点は、クエスト制で進む構造にしていること。これは、過去のアトリエシリーズでの「依頼」の発展型です。採取や調合よりも、探索と戦闘をメインにしている。この辺も実にRPGっぽい。それを積み上げてくうちに、世界が広がり、やれることが増えていくバランスも絶妙。TRPG好きな人たちなのではないかと思います。ダイアリーキャンペーンのかなりハイクオリティな物。そういう息吹を感じます。

 反面、駄目なところはメインであるところのストーリーがちゃっちい。これは実は、ガスト作品全般に言えることですが、キャラクター描写と、ミニイベントのセンスは素晴らしいのですが、全体のストーリー構築力、プロット力は実に稚拙なのです。だから、クライマックスへ行けば行くほど、「楽しかった日常」にそれらの「冗長なストーリー」が多き被さってきて、興ざめ。非常に、「世界の危機とかどうでも良いから、もっとちまちま冒険したいよ」という気分にさせられます。盛り上がれば盛り上がるほど、つまらなくなる。勿体ない。というか、ガストである以上きっとここは超えられない壁なのでしょう。だからこそ、ストーリープロットに依存しない、初期のアトリエシリーズはあんなにも面白かったのですが。

 まあでも、今回のゲームとしての面白さは十分に及第点をクリアしています。点数的には7点(10点満点。メインストーリーのしょぼさ込み。序盤〜中盤は9点あげたい)。止め時も作りやすいし、逆に時間も掛けやすい。終盤に至るまで飽和もしなければ過疎化もしないイベントの散らし方も素晴らしい。お奨めしやすいゲームです。是非。

 エー次は。サモンナイトが出るまでに何か、繋ぎでやろうかなあ。東京戻ったら物色しよ。

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