14年のために。

 後半はかなり楽しめた。ウズベク頑張れと声援を送り続けたが、残念だ。無策な日本のサッカー。意図のはっきりしたウズベクのサッカー。どっちを応援したいかは明白。しかし、良いサッカーした方が勝つとは限らないのがサッカー。日本は醜く、強い。ウズベクに、J1中位クラブ並みの決定力があれば、最低引き分けていただろう。結果オーライとしか言いようのない勝ち。

 W杯出場。サッカーを好きな人間ほど、長くサッカーを見ている人間ほど、今回の出場には白けている。オリンピック感覚で、たまーにサッカーを見る人は、盛り上がって、喜べばいい。我々サッカーファンには、考えなければいけないことがいっぱいある。

 今の日本の立ち位置は非常に難しい。アジアは通過点。余程へぐらない限り(ないしアジア枠が3以下にならない限り)、予選負けはない。かといって、本戦でまともに闘う力も到底持ち合わせていない。

 岡田の言う「4強」は、戯れ言にも程があるが、今の日本が決勝T進出を果たすには、2つの「条件」が居る。「ホーム開催」「1強のグループリーグ」。韓日W杯のような「ロシア」「ベルギー」「チュニジア」なんて組み合わせは、望むべくもない。欧州のAクラス、南米かアフリカの強豪、加えてもう1チームと闘うことになる。理性的に考えれば、日本の今の「夢」は「決勝T進出」、現実的な「最高目標」は「アウェーのW杯で1勝」となるだろう。勘違いしてはいけない。日本はまだ「圧倒的なホームの利」を得ずして、W杯で勝利をあげたことがないのだ。2大会合計6戦0勝1分5敗。3得点11失点。日本はアジア枠を維持するだけの成果は残していない。それが現実。そして岡田のチームは、トルシェのチームより、ジーコのチームより、ずっと弱い。弱いと言っては語弊があるかも知れない。魅力がない。美しくない。そして脆い。フランスのチームほどのメンタルタフネスもないように思う。目標は高いほど良いと言うが、5歳500万1勝馬、しかも地方交流で勝ち上がった馬で、中央では掲示板に一度乗っただけというような馬が来年、G1に勝つと言うのは、抱いて良い夢だろうか。少なくとも現場のプロが抱いて良い夢だろうか。そのくらい、岡田の発言は馬鹿げている。サッカーを馬鹿にしている。サッカーファンを馬鹿にしている。

 現実目標である「1勝」をあげるために、何が必要か? 今から出来ることは2つしかないのではないか。

 1つは、代表チームをクラブチームのように常時結成し、全世界を転戦して、鍛える。ホームの親善試合には、なんの価値ももはや無い。ホームの親善試合で、物見遊山の「名前だけ」強豪に勝って、本来着手すべき問題点から目を逸らし、肝心の本番でバタバタする。日本の歴史。キリンも、日本サッカーのスポンサーとしての自負があるだろう。自分たちの名を冠した大会が、日本を弱化させているという事はどう感じているのだろう? 是非、キリン協賛で、アウェーシリーズを組んで欲しい。協賛金を募る、1缶千円のビールが出たら、喜んで買う。アウェーで20〜30戦すれば、少しは戦えるチームになるかも知れない。トルシェのチームも、ジーコのチームも、外で戦い、そこで危機に面して、欠陥を表面に浮き上がらせて、叩かれながら、修正して、闘うチームになった。今のように、代表の試合がある度に、いちいちリーグ戦を止めるから、Jリーグが盛り上がらないと言う面も少なからずある。代表ではアウェーの痺れるような厳しい試合をバンバン観戦でき、クラブでは代表の抜けた穴をみんなで埋めるチーム力を実感できる。岡田のチームは耐震偽装マンションのようなものだ。

 もう1つは、今更感もあるが、より効果があり、現実性もある「監督の交代」。岡田の「アジアを勝ち抜くチーム」は役割を終えた。ここから、14年まで任せるつもりで、新しい監督を招こう。今より弱くなるかも知れないが、強くなる可能性も、岡田に任せるよりはずっとある。上手く行かなければ、14年への「強化大会」。次期代表選手に、W杯のピッチを最低3試合経験させることが出来る。これはとんでもない財産になる。今の日本にはフランスの財産も、韓日の財産も、ドイツの財産も何もない。国のサッカーに継続性がないから、毎大会が終わるたびに、ゼロから、ないしマイナスからの出発をする。これではグループリーグ突破なんて夢の夢。幸い、11年の南米選手権に招待いただいたという話じゃないか。アウェーのW杯、アウェーの南米選手権。この2大会を経た代表チームは14年で、大仕事をやってのける可能性があるとは思う。幸い、岡田は「4強」と口にした。4強を目指すなら、アジアで1位突破は「ノルマ以前」の問題。カタールとオーストラリアに勝つ。それも圧勝する。カタールは言うまでもないが、オーストラリアだって、W杯本戦に行けば、決勝T進出が目標レベルのチーム。ここを圧倒できなければ、目標達成失敗と判断して構わないだろう。すなわち、仕事に失敗した監督を解雇すれば宜しい。

 そのどちらも為しえないのであれば、あとはとにかくクジ運を鍛えるしかない。ジャマイカに負けた国だ。「ここなら勝てる」なんて相手は居ないが、北中米代表、アフリカ代表の一部、ヨーロッパ代表の一部には、10回やれば3回は勝てる。対戦順によっては、五分五分まで確率が上がるかも知れない。元より、運はずば抜けている岡田監督だ。これが一番「現実的」かも知れないな…。

 まあ、いずれにせよ、我々が明後日職場学校に行けば、ニワカサッカーファンが出場でテンション上がってるだろうし、そう言った話題を振られるかも知れない。内心イラッとするのは否めないが、ニコニコして相手してあげようじゃないか。日本サッカーの「現在」は彼ら彼女らのもの。どんな中身でも、構わず愛情を注ぐ代表サポ諸兄のもの。我々、代表に酔えないサッカーファンは未来を見よう。何度も言っているが、このかつてない暗黒時代は後1年強で終わる。全てを無駄にしたとしても、後1年の我慢。その後は、より悪化するかも知れないが、オシム就任後のような「自国代表にワクワクできる」奇跡のような日々がやってくるかも知れない。それに期待しよう。

 次期代表監督の話でもして、気を紛らわせて終わろう。海外のトップクラブを率いている監督を招聘するのは、無理がある。リスクばかり大きくて得るモノのないこの仕事を引き受ける酔狂な人間はそう居ない。その為には日本への愛情が必要だ。ベンゲルでは足りない。レオナルド……ミランで成功すべきだろう。じゃあ、国内。シャムスカは、今大分で苦しんでいる。オリヴェイラは、代表監督になるメリットがない。日本人で唯一資格がありそうな反町さんは、五輪でケチを付けてしまって禊ぎ中。今、実現可能で、日本のサッカーを面白くしてくれそうな人は、一人しか思いつかない。

 ピクシージャパン。

 私は、全力で応援する用意がある。

 オシムも陰日向にバックアップしてくれるだろう。

 名古屋サポは迷惑千万だろうが、何とか実現できないものか。

 ドーハはピュアに応援できた。フランスへの道で現実を知った。自国開催では、お祭り騒ぎに辟易とし、韓国でW杯開催国の雰囲気を楽しんだ。ドイツには希望がなかった。オシムで興奮した。その後にはドイツ以上の暗黒が待っていた。何の光も見えない09年6月。来年はいい年になると良いなあ。


追記:スパサカの併行放送を追っかけ再生。ちょっと面白い試みでしたね。映像移せないけど、リアルタイムの反応を見せるってのは良い。どのみち、録画で見るんだろう? というスタンス。ギャグのようなニュース速報。アナウンサー喋ってる後ろで、加藤や金田さんの「ウッ!」っていう悲鳴が聞こえるのは面白かった。最低レベル揃いのテレ朝(やべっちFCは好きだけどね)より、ずっと愛がある。スタジオで駄慈英と駄慎吾が何してたかは知りません。映ったら消してたので。

そのスパサカで、過去の代表の名シーンやってましたが…あの頃も、決して面白いサッカーはやってなかったけど、今より間違いなく熱かったなあ。血が通っていた。やっぱオシムのせいかな。ずっと、カップ麺食ってた所に、オシムという高級料理が出てきて、ちょっとずつ食べてたら、急に下げられて、伸びて冷めたカップ麺が出てきた感じ。オシムの料理を一口食べなければ、こんな失望しなかったかも。

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