何度も言うけど。

■ピースの次走と…小島茂之厩舎の本音

 調教師がここまで一頭の馬に時間を割いて、筆を割いてくれるのは「サービス」であって、義務でもなければ、仕事ですらないですからね。有り難いんですけど。過剰なサービスに慣れきった人間は、その有り難みを忘れて要求ばっかする生き物ですからねえ。

 ともあれ。現状がピークの馬だったら、少しでも賞金を、せめてもう1勝を…と、出来るだけ使い込んで欲しいと期待するかも知れませんが、この馬を今ここで連戦させる意味は全くないでしょう。関東オークスに選出されていれば別ですが、それもあくまで「行きがけの駄賃」的出走であって、予定の行動ではないですし。元々、前走自体が、秋以降へ向けては「余計な一戦」になるリスクを背負った出走。結果が出たから良かったですが、あれで負けたら、まさに師言うところの「その馬の容量を超えた何か」になっていた可能性も低くない。

 勝って良かった。ラッキーだった。その運は関東オークスには持ち越せなかった。なら、一旦引くべきでしょう。ここで引くことが出来る調教師なら、いずれピースを重賞の舞台に(表玄関から)連れて行ってくれると思います。期待してます。

 馬券でもそうですが、小さく当たったからと言って、それをすぐに掛け金に回すような人は、時々大儲けもするでしょうが、基本的には頻繁にオケラになって帰ることでしょう。私も若い頃はそうでした。勝ったお金を財布に戻さず、別のポケットに移せる理性。それがないと馬券は「トータルで勝てない」ことを、これまでの馬券生活で身に染みています。今ではお陰で、調子悪い日でも元金の6〜8割は持って帰ります。これがずっと競馬を楽しむために一番必要なことだと身に染みています。

 使う側だって一緒。無理をせず、馬本位で進めて、一歩一歩階段を上がっていく人が最終的に「負けない」人。「勝ち」と「負けない」は全然違います。調教師は、ここ一番では「勝ち」に行くことも必要でしょうが、総合的に必要なのは「負けない」意識でしょう。勝ちに行った結果の故障ならばオッケーというタイプの人もいるでしょうが、私は負けない姿勢の方が好きです。ピースにもそんな対応を、今後も期待しています。

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