爽快な内容・結果。

 韓国戦。面白い試合だった。どんなレベルの大会であっても、どんなつまらない日本代表であっても、日韓戦という舞台装置は最低限の面白さを保証してくれる。やはりサッカーファンである日本人として「疼く」ものがある。面白さを感じさせてくれたのは99%、韓国側。勝ちたいという気持ち、負けたくないと言う気持ちがボールに、足に乗っかっている。同じハードなのでも、ただ雑だったり汚かったりする日本の選手とは違う。少々技術は劣っても、最後の局面での集中力が違う。一歩足がでるか出ないかの違いがそこにはある。岡崎や闘、イナ、長友だって韓国基準に照らせば「普通〜それ以下」。サッカーに神様が居るならば、日韓戦は常に韓国が勝つべきだろう、と私は思う。ラッキーなPKですぐに「まったり」した日本。しっかりつけ込んだ韓国。ハートに勝るチームが、ヘッドワークでも勝ったら、結構な実力差があっても簡単にひっくり返る。今日は、神様の必要ない試合。順当な結果。日本は弱い。そしてハートも知恵もない。救いがない。何処かの魔法使いに看て貰え。

 日本以上に主力が「海外組」の韓国代表だが、国内組の生き残りへのモチベーションは高い。岡田の選手達は、「どうせ出番はない」と諦めている選手と「どうせ海外組の代役」と割り切ってる選手が多い。共に「A’代表」だが、韓国の方がずっと見応えのあるサッカーをする。(盲目的な)代表愛の乏しい私は「韓国、勝て」という視点になる。ここ数年、その視点から外れたのは、オシムが監督をやった僅かな時期だけ(たしか韓国とは1度しかやっていない)。つまりはいちサッカー好きとして日本を応援したくさせるようなサッカーをやっていたのはその時期だけと言うこと。2010年7月以降、もう一度そんな日が来ればいいが。

 実質負けゲームの中国戦。実力差とホームを考えれば「最低得点差」で済ませた香港戦。相対的に考えると、この韓国戦は良くてドローという予測が立つのだが、こうしたところで勝って、結果オーライ力の高さを証明するのが岡田という人。今日は勝つんじゃないかと思った。指導力も戦略力も人間的な魅力(明るさ)もない人の最大の武器。それがなければ、日本人指導者の中でもベスト10に入らないような人なのだ。この時期の大会とは言え、それが発揮されなかったという事実は非常に重い。既に機は逸している。その上でだが、本戦で少しでも良いサッカーをしたいのであれば「遅すぎる」ことはない。彼で本番へ行くという選択が「0点」、それ以下はないのだから。本大会出場が決まっているチームであれば、率いたいという良い指導者はいるよ。ロシアのお方とかね……。「過去3大会準優勝だった大会で過去最低成績」「ホームだった」「優勝を明言していた」「なりふり構わず主力を使い倒した」。何の情状酌量の余地もあるまい。

 この大会、やっぱり北朝鮮にも出てきて欲しかった。一皮剥けつつある中国に、モチベーション破格の北朝鮮。日本と韓国は3位争いをしたかも知れない。少なくとも、本大会出場国である2カ国が、大きなインパクトを残せなかったのは事実。どちらも本大会でも勝ち点は高い目標になりそうだ。

 でも良かったね。闘が気を遣ってくれたお陰で、念願の控えDFテストが出来て。同じことは本番でも当然起こりえる。収穫ゼロの東アジア選手権に微かな「成果」が生まれた。岩政、良かったね。一度既成事実作っちゃえば、またチャンスあるよ。

 しかし青嶋のアナウンスは煩いだけで鬱陶しいが、風間の解説は心地よい。この人の声は素晴らしい。勿論、知識も素晴らしい。アナウンサー10点、解説90点。アナウンサー30点、解説0点のテレ朝よりは良い。

追記:試合後の岡田「新しい選手を試せたのが収穫」には噴飯。そして悲痛な中澤インタビューの後に笑顔の岡崎を抜くカメラワークは悪意を感じたな〜。

当ブログの一口馬主関連記事の一部はキャロットクラブさまより許可をいただき転載しております。記事の再引用、転載はご遠慮願います。