NHKマイルC考2。

 枠順が決まりました。週頭には、血統、実績面からの考察をしましたので、枠順、人気、騎手面の考察を加えたいと思います。

■改装後の府中芝1600と、マイルカップの枠別成績(勝率/連対率/複勝率)。

  • 府中芝16   春府中限定   単平均 マイルC
  • 1枠 06.5/11.9/18.9 07.6/12.6/19.7 1440  0/2/0/8
  • 2枠 08.0/14.6/21.4 06.8/12.7/18.0 1038  0/0/1/9
  • 3枠 07.5/14.3/21.7 07.3/13.6/21.4 1998  1/1/1/7
  • 4枠 07.2/13.6/20.1 07.9/15.4/21.6 1898  0/0/0/10
  • 5枠 06.2/12.8/19.6 06.0/12.8/19.7 1045  1/1/0/8
  • 6枠 07.2/16.0/22.5 05.8/12.9/18.7 0451  1/0/0/9
  • 7枠 07.1/13.8/21.3 07.1/14.3/20.1 1169  2/1/2/10
  • 8枠 05.4/12.3/18.6 04.2/10.1/17.2 0822  0/0/1/14

 基本的に、府中のマイルは枠順の影響がほとんど無い条件です。強いて言えば、最内と大外の成績が若干下がるくらい。極端な枠じゃなければ、問題ないと言っていいでしょう。これを春の府中開催に限定すると、1枠の成績が良くなり、8枠の成績が更に悪くなります。ただし、8枠は人気−着順の数字が一番良い(一番、人気に応えている)んですよね。実際、大穴の結果で数字を上げているワケじゃない証拠に、単勝平均は6枠に次いで良い。人気確実のブレイクランアウトフィフスペトルが外に入りましたが、「外枠の穴は厳しいけど、人気馬はきっちり応える」という認識で良いんじゃないでしょうか。

 しかしこの6枠の異様な単勝人気は何だろう。その割に、数字良くないですしね。今回の7枠はダイワプリベールとラインブラッド。人気も扱いも微妙〜。

 マイルカップの成績は過去5年なので、偏りにはあまり信憑性がありません。過去5年、一度も馬券圏内に来ていない4枠の両馬(ワンカラット・スガノメダリスト)を買う時に気にするかどうか。

■同、騎手(今回騎乗騎手・勝率順)とマイルC着順(人気)。

  • 府中芝16      人気指数 マイルC
  • 安藤勝(23.2/43.5/52.2) -0.1  01(01)/05(06)/03(06)/09(05)/18(11)
  • 武 豊(19.1/30.0/40.9) -2.5  07(02)/04(01)/01(03)/06(09)/05(02)
  • 内田博(15.0/23.3/32.5) -0.4  --(--)/12(03)/--(--)/01(17)/12(04)
  • 横山典(11.8/21.3/35.4) -2.0  09(10)/03(04)/02(09)/17(08)/07(06)
  • 小牧太(11.8/11.8/17.6) -1.9  --(--)/09(14)/16(16)/--(--)/--(--)
  • 後藤浩(11.4/24.8/35.2) -0.6  --(--)/02(10)/09(05)/08(06)/02(03)
  • 蛯名正(10.0/21.9/29.5) -0.7  11(05)/07(05)/04(07)/13(13)/--(--)
  • 柴田善(09.9/19.2/29.6) -0.6  10(07)/10(08)/10(02)/--(--)/14(18)
  • 福永祐(09.0/17.9/28.4) -0.4  03(03)/01(02)/06(01)/--(--)/10(07)
  • 田中勝(08.5/20.4/30.6) -0.4  --(--)/08(12)/13(18)/04(15)/16(16)
  • 岩田康(07.5/14.9/29.9) -1.1  --(--)/--(--)/11(10)/12(02)/--(--)
  • 池添謙(07.1/14.3/21.4) +0.1  --(--)/--(--)/08(08)/--(--)/06(09)
  • 吉田隼(06.5/10.2/17.6) +0.3  --(--)/--(--)/--(--)/--(--)/04(13)
  • 藤岡佑(06.1/24.2/30.3) +1.3  --(--)/--(--)/07(14)/--(--)/03(14)
  • 吉田豊(04.7/07.6/11.6) +0.3  05(16)/14(17)/--(--)/--(--)/--(--)
  • 松岡正(04.6/09.9/17.9) -0.2  --(--)/15(13)/--(--)/15(11)/13(15)
  • 勝浦正(04.2/07.7/12.5) +0.6  --(--)/18(18)/--(--)/--(--)/11(12)
  • 藤岡康 初騎乗

 人気指数としている数字は、「騎乗馬の平均単勝人気−着順」。+だと、人気より着順が良いという意味です。リーディングの騎手ほど、過剰人気になるので、プラマイゼロに近い人はかなり優秀。

 アンカツの数字はたいした物です。上のデータもそうですけど、とにかく府中のマイルは上手い印象がありますね。後は、まあ、リーディング通り&その騎手のイメージ通りの数字でしょうか。藤岡兄あたりは、まだ関東では真っ当な評価を得ておらず(スーパーホーネットに乗ってる人くらいの認識だろうか)、馬の能力以上に人気が落ちるんでしょうね。今回のワンカラットも狙い目だと思います。藤岡弟は、初府中。中山すら騎乗したこと無いんですな。

 騎乗馬の中身に関しては、後で吟味を。

■マイルカップ過去10年の3着以内馬と人気・前走

 まあこれは、競馬週刊誌とか見れば載ってる情報ですけど。私、最近週刊誌買ってないので、確認の意味で。

・1999年

 エイシンキャメロンが1人気10着。前走でパーフェクト連対が崩れた馬で、人気としてはかなり疑わしい馬でしたね。勝ったのはマーガレットS1着から中2週で臨んだシンボリインディ。この頃のマーガレットSはマイルのレースで、ローテーションとしては盲点でした。加えてパーフェクト連対馬ザカリヤレッドチリペッパーも3着以内率100%馬でした。前者は人気で疑う、後者は、人気無ければ積極的に買う。これは、どんなレースでも言えることですけどね。

−前走でパーフェクト連対が崩れた馬:なし
→3着以内率100%が崩れた馬:フィフスペトル
+パーフェクト連対馬・3着以内率100%馬:なし
掲示板率100%馬:サンカルロアイアンルックレッドスパーダブレイクランアウト

・2000年

 共同通信杯を快勝していたイーグルカフェが、中山のNZTを落として、2人気で快勝。アーリントンC・NZTを僅差で負けていたトーヨーデヘアが2着。NZTを後方からタイム差無しの2着だったマチカネホクシンが1人気で3着。2年連続で関東馬のワンツーでした。マチカネホクシンは、この段階で世代屈指の馬と言われていましたが、2歳のいちょうS以降勝ちのない馬。こういうタイプの差し馬が1人気になっている時は、積極的に穴馬券を狙いたいモノですが、2→5→1人気では馬券的にも美味しくないし、連対馬も信頼できるタイプではない。難しい年です。イーグルカフェは府中の1600以上(共同通信杯)の勝ち馬で、トーヨーデヘアは初府中。前者は買いやすいですが、初府中という馬は難しいですな〜。

−2歳戦以降勝ち星のない馬:ゲットフルマークス・ツクバホクトオー・スガノメダリスト・マイネルエルフ・ダイワプリベール・タイガーストーン・フィフスペトル
+府中16以上の勝ち馬:サンカルロレッドスパーダブレイクランアウト
?初府中馬:ミッキーパンプキン・アイアンルックワンカラット・ティアップゴールド・アドバンスヘイロー

・2001年

 毎日杯を圧勝していたクロフネが、ここも豪快な差し切りで勝利。ダービー出走に向け、どうしても連対しておきたいレースだったが、武豊らしい、自信満々の騎乗だった。盛岡から来て、中央でも3着以内パーフェクトだったネイティブハートが、2人気4着。これの鞍上はヨシトミ。NZTを勝ち、3着以内パーフェクトだったキタサンガイセンが3人気17着。この2・3着はロジックのある凡走と言うより、クロフネを意識しすぎた+鞍上の問題と言えるかも知れない。2・3着は人気薄の伏兵。いずれも、ローテーションから(この段階では)買える要素のない馬だった。グラスエイコウオーはダートとは言えマイルの条件戦を逃げ切ったことがあり、ここも逃げて2着。サマーキャンドルはパーフェクト連対。いずれもノーザンダンサー系の馬。これらの条件に当てはまる2桁人気は一応チェックしておこう。

+過去にマイル以上の距離で逃げ切り勝ちのある馬:ミッキーパンプキン・ジョーカプチーノマイネルエルフ・レッドスパーダ
ノーザンダンサー系:アドバンスヘイロー・ワンカラット

・2002年

 スプリングSを追い込んでタイム差無しの2着だったテレグノシスが、お行儀の悪さを見せながら勝利。同じレースを先行して僅差に踏ん張ったアグネスソニックが2着。そのスプリングSを勝ったのがタニノギムレットで、ここは皐月賞に続いての取りこぼし。テレグノシスアグネスソニックは府中の連対経験有り。タニノギムレットは無し。まあ、ここのギムレットは実力負けではなかったが、その辺も含め、中山→東京の出し入れは、東京経験(連対経験)を考慮すべきか。1・2着は直行だったことも良かったかも知れない。熱発で皐月賞回避したレッドスパーダは結果オーライか(府中のマイル勝ちがあるスプリングS2着馬という点はテレグノシスと同じ)?

+前走中山で負けている府中連対経験馬:スガノメダリスト・レッドスパーダフィフスペトル

・2003年

 年明けて重賞を7→5着だったゴールデンキャストが1人気5着。1〜3着馬は、年が明けてマイル以上のOPを勝っている馬だった。更にウインクリューガーマイネルモルゲンは距離短縮馬。毎日杯組が強いと言われるレースだが、単純に短縮組というカテゴリでも13頭が馬券に絡んでいる。NZTの勝ち馬は近10年で2頭連対しているが、いずれも2着。前走の着順は問わず、NZT組は2・3着までで良いか。

+前走1800m以上の馬:ミッキーパンプキン・アイアンルックレッドスパーダブレイクランアウトフィフスペトル

・2004年

 毎日杯から参戦したキングカメハメハが圧勝・2・3着も皐月賞好走馬で、いわゆる別路線組で決まった年。NZTを勝ったシーキングザダイヤは2人気7着。皐月賞4着以内からの参戦馬は、距離適性などで、本気でマイルカップを取りに来たケースが多く、やはり軽視は出来ない。5着以下は人気を裏切る回数も多いが、馬券に絡む馬も居て、取捨困難だ。

 毎日杯勝ち馬は4戦4勝というのは有名なデータだろうが、その4回は、ダイワフォーチュンを除き本番も1人気。クロフネ・キンカメ・ディープスカイという「傑出馬」とアイアンルックを同評価できるかどうか。◎か無印かという存在でしょう。また、ダイワフォーチュンの2着だったツクバシンフォニー以外は、前走3着以下。アイアンルックが1人気だった場合は、頭から狙うなら相手は前走からの巻き返しを計るグループに絞ってみてはどうか。コスモサンビームの成績はフィフスペトルに似ているので、アイアンルック→フィフスの馬券推奨(そうすると3着はフィフスに朝日杯でちょっと負けたブレイクランアウトか)?

・2005年

 今まで桜花賞の上位馬は、距離適性云々を抜きにしてオークスを目指すという暗黙の了解がありましたが、この年は1・3着が参戦。結果ワンツー。当然ですが、桜花賞で勝ち負けするような馬はこのレースでも楽々勝負になります。アイルラヴァゲインは明確に短距離馬で、今までは消しだったタイプ。こういう馬も馬券に絡んでくるので、このレースは難しいんですよね。そして1人気だったペールギュントは、重賞勝ちも府中の1800での連対もあり、消しづらいタイプ。この手の馬も、1人気に押し出されるような時は疑って掛かるって所でしょうか。ここまでの成績では「皐月賞掲示板を外した馬は消し」と言ってしまって良いのですが、近2年で覆るんですよねえ……。

+今年の桜花賞組:ワンカラット

・2006年

 改装後、不振だったNZT組のワンツー。本当に、このレースは、前年までの傾向がバンバン否定される難解なレースです。ただ、NZT勝ちのマイネルスケルツィヨシトミ力で10着惨敗。1人気フサイチリシャールスプリングS皐月賞と着順を下げて、ここも人気を裏切る結果。しかし同じく皐月賞で着順を下げた馬が翌年以降連続連対。いずれもリシャールと同じノーザンダンサー系。この年はサンデー系の1〜3着独占ですが、リシャールも母父サンデー。む〜。とりあえず、NZTの着順は全然当てにならないってのは参考になりますね。

・2007年

 この年まで「武豊横山典アンカツの3人が必ず馬券に絡む」流れが続いていたのですが、昨年の1〜3着独占を受け、この年は遂に馬券圏外。更に、人気下からワンツーの馬が馬券に絡み、970万馬券。この年は1人気のローレルゲレイロ皐月賞まで馬券圏内100%)はともかく、2人気のオースミダイドウは故障休み明け、3人気のアサクサキングスはいかにもスタミナよりの競馬をしていた馬で、結果的にはステイヤー。4人気は1勝馬のダイレクトキャッチ、5人気はダート馬のシャドウストライプと、かなり胡散臭い面子だった。結果、勝ったピンクカメオは年明けにマイルのオープンを勝っていた馬で、桜花賞の惨敗で盲点になりすぎていた。ムラマサノヨートーは…良く分かりません。2着馬と同父で稍重も功を奏しただろうが。とりあえず、ノーザンダンサー系の人気薄はヒモで拾っておこう、としか。

・2008年

 記憶に新しい昨年のレース。ディープスカイは「王道ローテーション」での圧勝だったが、未勝利脱出に6戦を要した馬。私もこの結果を受けて、ダービーでは勝ったが、ここでは眉唾だった。ブラックシェルは今までの皐月賞組で馬券に絡んだ馬、絡まなかった馬共に似た部分があり、良く分からない。もうざっくり「皐月賞組は1秒以内の負けならヒモまでで帰る」と言って良いかも知れない。ダノンゴーゴーは05年のアイルラヴァゲイン同様、スプリンタータイプ。このタイプも3着なら抑えで。

 さて、穴馬の再検討。9人気以下で絡んだ馬は以下の8頭。

 ノーザンダンサーを持つ馬が7頭、ヘイロー・ミスプロが3頭。今年人気薄になりそうな馬は全馬、この3系統のいずれかで全く絞り込めず。1・2着(ないし3連複の2軸)が絞れれば、二桁人気総流しでも良いかも。

  上記8頭のうち、ウインクリューガーダノンゴーゴーは重賞勝ち馬。デアリングハートファイングレインは重賞連対馬ピンクカメオはマイルのOP勝ち馬。サマーキャンドルはパーフェクト連対馬。このタイプは、人気の盲点になってたら狙いやすいが…ムラマサノヨートーグラスエイコウオーは難解。ダート勝ちのあるノーザンダンサー系で、1600以上の勝ち鞍があるNZT組…苦しいな。やっぱり、人気薄はみんなヒモ付けで良いか。

 3連複は軸1頭→相手を4頭に絞れば、フォーメーションで3点目を4頭+二桁人気の9頭にしても24点。その辺が落としどころかなあ。

 買い目は前日オッズ確認してから、明日。

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