オーディンスフィア

 クリア。以下ネタバレ注意。
 いやー、良かった。シナリオ、ゲームバランス、音楽、いずれも非常にハイレベル。アクションPRGなのでそこで得手・不得手はあるだろうが、難易度調整の他救済手段は多く、力押しも可能なので、詰まることはないだろう。ゲーム中のお金のやりくりも含めて、楽になりすぎない程度にコントロールされるので、最後まである程度の緊張感を保ってプレイできた(食事を埋めたりしたかっらのでレベル上げすぎて最終戦闘は少し単調になっちゃったけど)。

 ストーリーに関して言えば、演劇のような節回し、キャラクターの台詞が性に合うか合わないかという部分はあるにせよ、「叙事詩」という演出の中に見事に溶け込んでいて、違和感は全くなし。私は根本的にこういう話が好きだし、演出が好きなので何の文句もない。オチの付け方も含め、とても綺麗。無駄もない。タクティウクスオウガ、ヴァルキリープロファイルと、私の中で最上位にある2本のソフトに肩を並べた。

 音楽はその二者と比べると少し物足りないが、聞き心地良く、操作のストレスにならない。プレイ後、自然と各マップのBGMは記憶に刻まれている。ゲーム音楽というのは、声とかと一緒で主役ではないので、このくらいの自己主張が良いのかも知れない。サントラでも買って、じっくり聞いて改めて味わってみることにする。キャラクターの声はあってもなくても良かったけど、プーカの街のカフェとレストランで満足したのでよし。あと死神の声は良かったね(若本規夫という人らしい、ドラゴンボールのセル…思い出せない。サザエさんのアナゴさん…なる…ほど?)。オーダインも。

 やり込み要素のようなモノがなかったり、そもそも3D全盛の時代に絵本のような書き割り世界だったりと、逆行した作りの部分はあるが、それがむしろ心地よい。売れるために作ったのではなく、良いモノを作りたくて作った感じ。綺麗事を実行するのは並々ならぬ努力と信念が必要なんだよねー。ポポロとかもそうだけど、丁寧に作った絵本世界はあらゆる実写映像・実写的な映像を凌駕するよな。昔のジブリ作品とかみたい。好き。技術は高い・低いじゃなくて、やっぱ使い方・センスだよな。お金もそうだけど。こういうクリエイターに、良い環境と金を渡しても最高のモノが作れるわけではない、というのは、Tオウガのスタッフや、ヴァルキリーの続編を見ると、ね。ただ、プリクラの時代からこれだけ時間が経過して、こんな良いモノを作ったヴァニラのスタッフには感服します。是非枯れずすれずに細々とモノ作りを続けて欲しい。P3で反吐が出たアトラス様には今後受け皿としての期待を出来そうな予感がしました。

 評価は10点(10点満点)。タクティクスオウガが出たのが95年、ヴァルキリープロファイルが99年、オーディンスフィアが07年。最高評価に値する(私が惚れ込む)ゲームが、徐々に間隔があいているのは、市場の流れもあるだろうし、私の好みの問題もあるだろうし。次に10点を付けられるゲームが出るまで、ゲームをやっておるかいな?

 最後に(以下反転)コルネリウスとベルベットが人間に戻ったのがちょっと残念だったけどw オズワルドとグウェンドリンが子孫を紡いで、それを2人(匹)が永遠に見守っていく。そんな話も良かったな。メルセデスイングヴェイ(カエル)も残念。エピローグで普通にメルセデスが居て、コルネリウスがプーカのままだったのは笑ったけどw あと行商人の最後の台詞は本を作れという挑発と受け取りました。いずれ作ります。暫く、絵のリハビリしてからねー。ただ、本当に好きなゲームってネタが出しづらいんだよなー。ゲームで100%満足しちゃうんで。どうしようかな?

 次はワイルドアームズクロスファイアを開始。これが出たからレベル上げ止めてクリアしたとも言うw

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