国際Bマッチ。

 仕事の傍ら、代表BとスコットランドBの試合を見て、キリンのことを考えた。

 日本がアジアですら二流国だった時代、今のように海外サッカーの情報・映像に溢れていなかった時代。キリンスポンサードのホーム試合は、海外の有名選手を生で見られる、トヨタカップと並ぶかけがえのない舞台だった。例え、観光ついででも彼らのプレーは鮮烈だった。カニーヒアカントナが見られるだけで幸せだった。黄金の輝きがそこには確かにあった。

 今はテレビを付ければ、世界の頂点のサッカーがいつでも見られる。日本もアジアの殻は破り、「世界の一年生」になった。キリンカップにやってくるチームは二流国が多くなり、しかもフルメンバーではない二軍三軍が多くなった。来日してるチームが如何にレベルが低いか、無いし、如何に本気じゃないか、余程の素人じゃない限り、すぐに分かってしまう。純金どころか、錆の浮いたメッキ。噛ませ犬にもならない相手に日本は勝ち、今立ち向かうべき課題を覆い隠す「カモフラージュショー」に成り下がった。やればやる程、浅いサポーターは日本の現在位置を見失い、サッカーの見方・楽しさを見失う。

 キリンカップは、待ち遠しいお祭りから、必要悪を経て、存在悪になった。

 わざわざ金を出して日本「弱化」に精を出す格好となっているキリンの方々は忸怩たる想いだろう。

 まともならね。

 キリンには、本当の意味でサッカーが好きな人間は居ないのだろう。いたら、こんな茶番+ゴミみたいな中継でブランド名を下げられるの、耐えられないよね。

 キリンカップは存在悪。やればやるだけ、日本は弱くなる。絶対に負けない戦いが、ここにはある。ジャパン・プライド。

 本気で本戦でベスト16に残るのであれば、真っ先に変えるべき「課題」。キリンカップチャレンジカップの歴史に幕を下ろす。サッカー眼を曇らせるテレビ局から放映を剥奪する。

 それは勝ち点3に匹敵する仕事になると思う。

 まあ、どうでもいいですけどね。代表は金のために活動すればいいのさ。

 試合? 相手の二軍に対し、日本も二軍。選手の質が、じゃない。「勝つため」という本気の舞台でハブにされ続けてきた選手が本番まで1年を切って「新戦力」とか言われてる愚かさをさておいても、今日のスタメンが岡田のチームで戦力になる可能性は10%くらいでしょ。彼らが、ここを糧に南アフリカ後に照準を合わせられるかどうか。もし今の代表へ食い込むことを主眼に置いてるなら、今日のプレーからは(憲剛や内田も含め)誰にも光を感じなかったね。一軍の試合よりずっと面白かったけど、サッカーを作るのは監督だからね。岡田度10%のチーム。ある意味香港以下の相手。評価しようがない。Jリーグでも、前半のゲームより、ハーフタイムの控え選手の回しの方が面白いことがある。そんな感じ。

 一方で、私は、オシムだったら今日のチームに近い代表を作っただろうなあ、と思いながら、見てました。ネームバリュー重視ではなく、今のJリーグや各所属チームでコアorピークの働きをしている選手達。麗しのリザーブ・ドッグズ。飼い慣らられていない野犬の魅力。岡田の、「テストで60点以下を取らないための」サッカーに対し、「とりあえず100点目指してるっす」というサッカーを、個々がしていた。チームとしては見所乏しかったし、結果は赤点だったかも知れないけど、仲良しこよしで60点取って安心してる連中より余程気持ちよさを感じた。どのみち、本戦で通用するレベルじゃないって意味では一緒だし。彼らと、いつものレギュラーでキリンカップ闘えば良いんだよ。危機感を煽る以上の仕事はするでしょ。キリンは二軍の相手呼ぶお金で、レベルの高い中継をすればいいさ。

 しかし、日本協会は代表でこれだけスタメンを入れ替えておいて、どの面下げて天皇杯なんて二流カップ戦で「ベストメンバー!」なんて言うんだろうね。

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