2世は辛いよ?

 東京TCの新規募集馬、デルモニコキャットが父ハーツクライと同じ橋口厩舎と言うことで、「橋口厩舎はSS系種牡馬を自分の所で成功させている数少ない調教師」って話をしました。

 その時にぱっと調べたのですが、SS2世で、親子で同じ厩舎→当たりというパターンはほとんど無いんですよね。まあ「当たり」の定義は人それぞれですが、「G1勝ち、ないし重賞3勝以上」としましょう。その条件に当てはまるのは、アグネスタキオン産駒リトルアマポーラを出した長浜調教師、アドマイヤベガ産駒アドマイヤフジを出した橋田調教師。このくらいです。

 実際、日本で走った種牡馬の子を、父に続いて成功させた調教師というのはどのくらい居るのか? 一口・POG共に「この血統を分かっている」という印象で、好感度を抱きがちな親子管理は有りなのか、無しなのか。現在、近10年の産駒数ベスト20(日本で走った種牡馬限定)について、代表産駒と、親子管理馬の最多賞金馬・順位を調べてみました。産駒デビュー前に引退した調教師は除外しております。


■産駒数1〜20位の種牡馬と、最高賞金馬/親子管理最高賞金馬(同総預託数)

 どうでしょう? やっぱり橋口ダンスの成績は素晴らしいですね。ツルマルボーイザッツザプレンティダイタクバートラム。薔薇一族といい、血統のノウハウを結果に活かせる調教師と言っていいでしょう。橋口さんは2匹目の泥鰌、3匹目の泥鰌を狙って良い厩舎。愛着派の競馬ファン向き厩舎ですよね。昭和〜平成初頭時代のタマモクロストウカイテイオー辺りを除けば、これだけ産駒を預かるというのも凄いことです。やっぱ愛だな、愛。

 マツクニさんも流石。クロフネは1位こそ譲りましたが2位フサイチリシャール3位ブラックシェル6位シェルズレイ。ただ、タニノギムレット(ランク外)は微妙。キンカメもここまでは良いところありません。過信は禁物でしょうか。

 橋田さんのアドマイヤベガアドマイヤフジも「おっ」と思いますが、これとサザンギャラクシー(現役・25位)以外はイマイチ。やっぱりアドマイヤライン/スズカラインの厩舎ですし、そこを狙うべきですよね。

 坂口大師のマヤノトップガン成績は結構酷いです。26頭預かっての結果ですからね。トップガン自身が、この厩舎では結構例外的なタイプだったという感じはしますが。頭数少ないとは言え、キングヘイローの子もさっぱり。デュランダル産駒も狙いは「外の厩舎」で良いかも知れませんね。

 カズーの、自分の所から出した種牡馬への淡泊さも凄い。まあ、愛着無いね。その中でも走る馬はしっかり出ますし、カズーが親子で預かるというのは、狙えるパターンかも知れません。ゼンノロブロイも初勝利はカズー馬でしたね。そんな中でも別格なのがシンボリクリスエスなんでしょう。マチカネニホンバレも出ましたし、未勝利も僅か4頭。まあでも、タイキシャトルレッドスパーダを除けば、父の現役時と違う場所での活躍になっています。その辺の割り切りは必要?

 マンカフェの小島太は目立つ馬はレガーロだけですが、14頭中13頭がデビュー(1頭は2歳未出走)で11頭が勝ち上がり。6頭が2勝をあげています。先入観で決めつけて馬を扱うタイプの人なので、時間は掛かりますが、稼ぐ馬は多いです。実際の所、鞍上も2世という恐怖の「2世コラボ」が頻出する中でのこの成績ですから、実際は本当に良い産駒が集まってるんでしょうなあ。マンカフェは色んな厩舎からポツポツ大物を出すので、リピート狙いより、新味を追った方が良いかも知れません。

 松山康師のジェニュイン、唯一頭ってのも凄いですね…。あれだけ愛情示していた馬なのに、種牡馬としては一切評価してなかったのかな。

 とにかく。親子預託は余り狙い目ではないということは分かったのではないでしょうか。橋口さん、マツクニさんのような人は例外で、基本的には「消し」で良い気がします。親子預託を話題性に、というのは、一口で良くあるパターン。他に、どうしても欲しい材料があるのでなければ、出資はしない方が良いかも知れません。

 あ、ランク外で気になったのはステイゴールドですね。池江パパ厩舎は2頭いて未勝利(1頭はこれからデビュー)。一方の池江ジュニア厩舎は3頭居て、ドリームジャーニーを筆頭に、パーフェクトジョイ(10440万)、エイプリルウインド(3361万)。全部成功と言える成績。今後のステゴ産駒も注目。来年はドリジャ全弟が居ますね〜。

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