上村騎手が初G1。頭に去来するのは、若かりし彼が乗っていた、2頭の馬でした。
デビューの年にトシグリーンで重賞を勝ち、若手のエース格と騒がれ、翌年に出会ったのがナムラコクオー。ナリタブライアンの世代のナンバー2。NHK杯はまだダービートライアルの時代。今のレース体系なら、この馬でG1を取っていたでしょう。
そして日本史上最速の馬、サイレンススズカ。あの弥生賞は他の馬を買っていたので「これで当たったぞ」とニヤニヤしていましたが、あんなことがありながら見せ場を作っての8着。そこから神戸新聞杯まで。上村君としては色々工夫して乗っていたと思うのですが、如何せん、馬が若く。乗り変わった後、あれだけの馬になったことで「騎手のせいで」的なことも言われていました。私も、彼で負けたとは思わないものの、他の騎手ならもう少し逆らいづらい馬だったと思います。
昔は、そんなに好きな騎手じゃなかった。色々、苦労を経て、いい顔になりました。今は、素直に祝福できます。おめでとう。同期の後藤も嬉しそうだったなあ。
しかし改めて、橋口先生も偉大な人だ。したたるような人情。九州人として、誇りに思います。