ハープスターの敗戦ショックは1日で和らぎました。勿論結果欲しかったですけど、先々考えたらここでああいう競馬したことが色んな面で活きてくるんじゃないかな、と。
さておき本題。皆様ご存じの通り、そしてお喜びの通り、3月からミルコ・デムーロとクリストフ・ルメールが中央の騎手としての通年騎乗を開始します。私個人も、彼らの技術のみならず人柄も含め大好きなので、非常に嬉しい限り。しかし一方で、キャロットクラブで一口をしているものにとっては必ずしもプラスではないかも、という心配も。
というのも、これまた皆様ご存じの通り、彼ら2人はどちらかというと「社台御用達騎手」というイメージなのですよね。ここでいう社台はグループではなく「社台ファーム」。これまでの短期免許期間で彼らが勝った重賞の内容を見てみましょう。
■M.デムーロ(重賞32勝)
生産者 | 勝ち数 | G1 |
---|---|---|
社台F | 18 | 9 |
ノーザンF | 5 | 1 |
その他 | 9 | 1 |
■C.ルメール(重賞18勝)
生産者 | 勝ち数 | G1 |
---|---|---|
社台F | 8 | 3 |
ノーザンF | 4 | 1 |
その他 | 6 | 1 |
※デムーロの重賞勝ちには海外(ドバイ)も含む
※社台には白老も含む
どうでしょう、イメージ通りですか? 私はむしろ「へー、ノーザンの馬でもそこそこ勝ってたのね」と感じました。デムーロのノーザンF馬G1勝ちはグランプリボス、ルメールはカネヒキリ。ネオユニヴァースやヴィクトワールピサ、ハーツクライなんかの勝利と比べるとどうしても「あーそういえば」くらいの記憶ですよね。勝ち数、内容、インパクト全ての面で社台馬の方が上回ることは明らかです。
ルメールはキャロ馬でも重賞13回乗って2つ勝っています(ディアデラノビアの愛知杯、アダムスピークのラジニケ杯)。一方のデムーロは4回で1勝のみ(トゥザグローリーの中日新聞杯)。うーん、特にデムーロはノーザン≒キャロとの距離感を感じますね。これだけ来日してて4回しか重賞乗ってないとは思わなかった。それでもルメールに関しては、実はキャロ馬で複数重賞勝ちがある外人は彼だけですし(あとはペリエ、リスポリ、ウィリアムス、ムーア、スミヨン、ビュイックで1つずつ)、イメージよりはずっとキャロとも縁あると考えて良いかもしれないですね。
勿論棲み分けもあるでしょうし、彼らが今後ノーザン馬に乗る機会は増えてくるでしょうが、「可能性があるならルメールの方」ってイメージは持っておいても良いかもしれません。例えばハープスターとかも、日本馬で凱旋門賞を勝ちたいと言っている彼が主戦になってくれる可能性もなきにしもあらず。
あとは短期免許の外人がこれまで以上に回ってくるというのは現実的な予測としてありますね。最悪(?)のパターンは、彼らにはじき出された「かりそめリーディング上位」の日本人が押し出されるようにノーザン≒キャロの主戦格にどっしり腰を据えることなんですけど…ああ、ありそうで怖い。
実際問題、関西の騎手にとっては死活問題ですね。低く見積もっても彼ら2人あわせて短期時代から+150勝は積むでしょう。岩田と武を除く上位騎手は相当割り食うでしょうし、今年の勝ち鞍は軒並み2〜3割減くらいになりそう。更に深刻そうなのは中堅騎手で、今まで彼らに回ってきた勝てる馬が圧倒的に減り、半分も勝てなくなる騎手が続出しそうです。まあ、関西の中堅はイラッとするぬるま湯騎手多いし、実際ここまでの関西リーディングはデムーロ弟、関東リーディングはベリーなので、そりゃそうなるだろって感じではありますが。特に福永、浜中、川田の3人がどうなるかは見ものですね。
ひとまず、この3月からの彼らの乗り馬はしっかり見ておこうかと思います。個人的には、厩舎との関係性をもっと綿密に調査していきたいところ。益々「盲目的な関西信仰危険だな」、って結論になりそうな気はしますが。