代表エジプト戦。

 今日は形式を変えて、見ながらつらつらと。
 試合は序盤から1軍半のエジプトペース。エジプト、と言うと余りサッカー詳しくない方は「そんなところに苦戦するの?」と思うかも知れませんが、2006年のアフリカ王者であり、代々、アラブアフリカでは最強国の一角であり続ける国。身体能力任せのブラックアフリカよりも、エジプトやチュニジアは良いサッカーする(チュニジアというとトルシェ時代のW杯を思い出すが、無論あれが力量差ではない)。サッカー熱も非常に高く、プロリーグも盛ん。アジアに例えると、サウジやカタールバーレーンを2・3ランク全てにおいてグレードアップしたような相手で、フルメンバーじゃないとは言っても、アジア杯のサウジより少し上のチーム。フルメンバーで物見遊山で来る代表よりも、アピールのチャンスと考えているその下のメンバーの方がかえって極東遠征では良いこともあります。ともかく、良い相手なのです。私は敬意をこめて「アフリカのメキシコ」と呼んでいます。ある種の悪さも含めてね。好きなタイプ。

 そのエジプトペースの中、セットプレーから日本の時間帯を作り、大久保のひらめきのループミドルで先制。あのゴールは、今年神戸に行って飛躍的に可動範囲を広げた大久保の、視野の広さがフルに活きる素晴らしいゴール。これがジーコ時代から通じて、嬉しいフル代表初ゴール。本人のみならず、日本にとっても大きなことです。大久保は破壊力がありすぎるのでFWで使いたくなるけど、前を向いてプレーさえすれば、何処でも活きる。メンタル面に弱さはあるけど、サッカー選手としての素質は達也より上ですからね、やっぱ。まあ、達也も、大久保も「替えの利かない選手」ではあるんだけど。必要とされるチームを用意された上で、ですけど。

 エジプトは中盤に人数を掛け、しかもすこぶる早いので、啓太と中村憲は大忙し。それでも前も後ろもフォローあんましないし。2人も死んじゃうよ。そしてサイドは10回勝負されたら9回は負ける状態。そっちのケアもする啓太と憲剛。これなら、憲剛じゃなくて橋本の方が良いんじゃないかな。とにかくエジプトは無駄が少なく、日本の守備陣は一瞬の判断が要求される局面続き。こりゃ、確かに良い訓練だわ。

 36分の素晴らしい飛び出し。前田、アレは代表に残るには決めなきゃだわ。落ち着きとか、技術とか、そういうすかした話じゃなく「持ってるか」「持ってないか」の話。ジーコ時代の大久保は「持ってなかった」。前田は好きだ。だからこそ力を出して欲しい。前田、カレン。この2人はそれぞれの代表に必要だよ。必要だと説得力を持たせて欲しい。

 とか言ってたら大久保のヘッドゴール。シーンを戻して。その前の、コーナーを取る動き。前田以上に、前田の場所を作る大久保の動きが素晴らしかった。そしてコーナー。単調にも見える遠藤のキック。それ単体なら「ミスキック」に近い蹴りだが、あれがその後のセンタリングの布石になった。初めての、遠藤らしいふわっとしたピンポイントのセンタリング。エジプトの目と足が一瞬止まった。遠藤にしかできないアシスト。飛び込んだ大久保も見事。良いゴール。遠藤はこの仕事を欧州組が居る時にもビビらず出来れば完璧なんだけどなー。

 後半開始。啓太、この状況でも休み貰えないか…。この信頼は重いなあ。でも実際、動き落ちてんのは啓太じゃなくて憲剛だしなあ。タフなのも考えものだ。

 啓太のシュート(笑)。

 おお、来た。前田らしいゴール。抜け出し方完璧。ウナギゴール。相手の隙間を抜けるのではなく、自分から相手に詰めていって、相手が減速したところをもう一歩前へ出る。ぬるぬるした動き。そして、前半のシュートを活かした、球離れの早さ。素晴らしい。このゴールは大きい。

 エジプトゴール。あの酷い壁の作り方はなんだ。3点リードで調子乗っちゃった? いかんなあ。エジプト、試合面白くするためにすぐにもう1点取るらんかなあ。

 山岸はポジション取り良いし、動きも質もいいけど、何か難しいチャレンジをしすぎる傾向があるよなあ。アピールしたいのは分かるけど、それじゃあ「便利な代役」以上にはならんぞ。

 21ゴール。まあ、「らしい」ゴールですこと。へちょいシュートだったけど。駒野共々、今日は「クビ確実」な仕事ぶりだったけど、これでまた延命か〜? ちと残念。まあ、五輪終了までの我慢か。

 やっと啓太休める。良かったね。藤本は楽しみ。橋本と今野はボランチの控え1番手の座争いだね。より何でも出来る今野の方が不利、ってのは皮肉だけど。てか、やっぱ今野はサイドで橋本が中盤の底か。この時間帯からだと、プラスアルファのアピールは難しいけど、まずは出番あるのが大事だからな。120%頑張れ。

 大久保自分でハット狙いに行けよ〜。

 橋本は積極的に前へも出て、何とか良いところアピールしようとしてるけど、その都度21のミスで潰されてて気の毒。これが同じクラブの選手だってーからなあー。

 終了。まあ、点差が開いたのは流れもあるから仕方なし。当然、仮に本戦でエジプトと当たって、同じ内容を期待できるはずも無し。それでも、FWが流れの中で点を取れたことは大きい。3トップに近い形が機能したのも大きい。日本のタレントを活かすには3トップが良いし、サイドの脆弱性もカバーできて一石二鳥。来年はサイドの入れ替え、中盤の組み合わせの効率アップなどでもうワンステップ上に上がったチームが見たいし、見られそうな気がする。

 そして播戸残念。これでまた当落線が遠くなったね。

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