一口調教師ランク2013

 先日も言いましたが、毎年そうそう激変するわけではないこのランク。しかも昨年〜今年の春はド暗黒だったので、ほとんど変化無いんですよねw でもまあ、風物詩として今年も書いてみましたよ。昨年のランク一昨年のランクも合わせてどうぞ(補足情報として昨年のこのエントリも〜)。

  • きりた出資厩舎(+出資候補厩舎)に限る
  • ランクはSSS〜Eの8段階
  • /の後ろは出資馬と中央勝利数

■SSS(別格)

  • 角居勝彦/プリンセスデザイア1・エリンズフォレスト1・レッドジール2・レッドバビロン1

■SS(積極的に出資)

■S(合いそうな馬なら積極的に出資)

■A(馬の質が合格点なら出資候補)

■B(余程良い馬か、安ければ検討)

■C(余程良い馬なら検討)

■D(NG予備軍)

■E(NG)


 纏めてて改めて認識しましたが、私東京TCでは去年の2月にバビロンが勝ってから未勝利なんです。そりゃ、気持ちも乗らないしトンネルにも入るわー。オーディン本当に頑張って。さておき個別に調教師コメント。


 SSSは依然この人だけ。1歳を預からないことに関しては賛否両論有りますけど、結果はどうあれこうした行動を取れる思い切り(腹の括り方)と繊細さが同居できるのがこの人の凄さ。本来条件級の馬で良さを感じられる厩舎である一方、もう一口10万以下の馬ではまず当たりを見込めない厩舎となり、競争率も相まって自分的には当たりが引けないままコストオーバーしてしまった感は否めませんが、仕方ないですね。勿論今でも素質と金額が折り合い付けば真っ先に出資したい厩舎にかわりありません。最近キャロでは筋の通った血統しか当たっていないので、意外性は期待できない印象。とは言え他のクラブよりずっと打率高いですし、いずれまたー。バビロンに関しては角居さんらしい執念をつぎ込まれていない感じもありますし、転厩でもう一花、という気持ちの方が強いのですけどねー。


 SSには安田さん、須貝さんを加えようかとも思いましたが、踏みとどまりこちらも昨年同様。コジシゲさんには個人的思い入れが強い部分もあり、一般的にこのランクのお薦め調教師かどうかはなんとも。ただやっぱり、「説明責任」という部分を誰よりしっかり果たす調教師、という点においては、勝ち負けだけじゃない「日常」に寄り添う一口という趣味の超お勧め厩舎です。来年のピース初子が募集されるか、この厩舎か。来れば勿論不動の最優先&母優先。現役の活躍馬が社台>サンデーなので、色んな部分で心配なこともあるのですが…。

 上原さんも同様に、万人にお勧めできる厩舎かどうかは難しいところ。成績だけ見ればぱっとしない関東の中堅〜ベテラントレーナーですし、出資意欲が湧く可能性は乏しいかも。でも、これも再三言っていることですが、この厩舎は特定の馬主(大城さんとか)を除けば、万全の素質馬よりも、どこかに不安を抱えた、でも可能性は秘めているのでなんとかしたい、なるといいなあ、そんな馬を預かって、色んなシチュエーションを騙しつつ宥めつつ、レースへ持って行って、能力を引き出す術に掛けては現役調教師でも屈指の腕前の持ち主。そもそも一口クラブ(特に400・500口)で素質も血統も馬体も万全で、手頃な値段の馬なんているはずがない。いれば馬鹿みたいに高いし、どこかが万全じゃない馬こそ、その欠点に目を瞑れば豊かな素質を開花させ、大きく稼げるチャンスがある。不安を抱えた馬のマイナスを爆発させず、他のプラス材料をじわじわ引き出してくれる、ってのは得難い資質だと思うんですよねー。ビンテージもミラクルも、他の厩舎だったら普通に未勝利で終わってた馬だと思います。彼らよりずっと素質の高い馬を、欠点をまったく改善できず、または欠点を理由にまともに扱わず、潰した厩舎を数多く見てきました。ジャブジャブアホみたいに金を使える人は一握り。そうじゃないまともな経済観念を持つ小規模一口プレイヤーにとっては、上原さんは救いになる可能性を大きく秘めています。入る馬の血統的なもの含め、なかなか難しいチョイスにはなりますが、興味が湧く馬がいたらちょこっとこの辺の私的見解も考慮の一端にして貰えると、嬉しいですなー。


 Sは新規含む5名。久保田先生はもう11年目で若手調教師と言えないキャリアにはなってきましたが、まだどうとでも変化する厩舎。ずっとダート寄りでしたが、入ってくる馬の質も変わって芝でも結構勝ってますね。でも本質はダート馬で長く楽しめるタイプがいい気がしますよ。騎手起用がナベヒロ、エビちゃん、大野君ときりた的にほぼストライク。馬によっては大成するまでにややじれったかったり遠回りに感じることもあるので、短気な人には向かない厩舎かも知れません。石坂さんはダート安定で、定期的に芝の大物も期待できる安心の一流厩舎。ただ、当たり外れの振り幅は非常に大きいですし、未勝利か重賞級かという感じ。分かりやすい大当たり「風」の血統は案外奮わず、ちょっと王道を外れた馬の方が狙いやすい。個人的には、値段と馬がなかなか噛み合わず、出資できていないのですが、キャロだと尚更狙い所難しい印象。非サンデーでぐっと来る馬いたら行きたいですねー。

 金成厩舎は若手の注目株。真面目な馬への取り組み、コメント能力、今後がとても楽しみな人です。一部のキャロ会員的には「一流厩舎で邪険に扱われてる関西の条件馬全部ここに預けてくれ」って思っているとかいないとか? キャロは本気でこの辺のオペレーション、前面に押し出しても良いと思うんですけどねー。今年の募集馬にも預託馬がいることを期待します。安田先生はSSにしても良いかな、とは思ったのですが、やっぱりクラシックタイプよりダートか芝短距離勝負にはなるでしょうし、人気も加味すると据え置きで。他の一流厩舎とは違い、渋めの血統で楽しめるのは良いですねー。目の肥えたキャロ会員は流石に見逃してくれないと思うので、そういう馬は確実に抽選でしょうが、チャレンジしがいはあります。

 新規昇格は須貝さん。ここまでやれる人だとは思いませんでしたね。牧場などで話を聞いても現場サイドも同じ印象のようで、これからが本格的なブレイクの予感。それだけに今後どう変化してくるかの見極めは至難。一つ言えるのは血統面の質向上以上のペースで人気と値段は上がってくるだろうと。大勝負はちょっと怖いところがあるので、安めの馬で面白そうな素材が有ればまたチャレンジしたいです。開業間もなく一発当てて、暴走気味になる残念な若手も多いですが、須貝さんは日頃の姿勢を見ている限り、そのリスクは小さい気がします。


 Aランクは6名。国枝さんは近年安定して関東の最上位クラス。色んな所から当たりを出す調教師で、ベタじゃない馬でも楽しみ有るのは良いですね。基本的には繊細な切れ者タイプより、少し図太いくらいのタフネスを感じる馬で勝負したいです。ボリクリと好相性なので、良い馬いたら一考。もしくはマル外。中尾さんは近藤ファミリー(大魔神含む)のご贔屓。キャロ馬は当たり外れ激しく、当たりもタキオンのベルフィーチャーを除けばボリクリ、タヤスツヨシ、バクシンオー。今年のシュシュブリーズもフジキセキ。近年の当たり馬マジンプロスパーアドマイヤコジーンですからね。渋めの血統でも、「へーこの馬なかなか良いな」と思える馬がここへ来たら余り迷わずに行って良いかな。ジョッキー面ではAランクの中では一番微妙。

 領家さんはもう定年なので割愛。堀さんは我慢の出来る調教師。良い時に押せ押せで使いすぎることもしませんし、休ませる時はしっかり休ませる。それだけに出走数は少ない厩舎。出資する時は同時に、回転良さそうな厩舎にも行っておいて平均的な出走数を楽しめるようにしておきたいところ。どちらかというとノーザンより社台で結果でている調教師(ノーザンと社台の違い、ってのも相性に影響している気がします)。ノーザン系メインのキャロでは、何でもオッケーというわけではなくて馬の特性もしっかり判断した上で狙いたいところ。クラシックよりも古馬で。非POG的厩舎の筆頭ですな。

 大竹さんは今後も含めて非常に期待の高い調教師。何とかオーディンを勝ち上がらせてもらって、オペレーションを長く楽しめると良いのですが。もう1つでも重賞を勝つとまたステップアップしそうですが、現状は条件級をコツコツ勝ち上がっていくようなタイプが合いそう。価格と馬の質を見て、しっかりペイライン超えそうな馬を選びたいところですね。ジェベルムーサで一定の成果上げたことでキャロの入厩馬はちょっと良くなりそうで、今年あたり狙い目かも知れません。マツパクさんも定年近いですが、最後まで馬の質が落ちるとは思えない厩舎ですし、今後毎年クラシック戦線を賑わせそう。厩舎内の競争も大変ですが、挑戦する価値はありそうです。厩舎内のランクにより扱いも結構幅がある印象なので、意外な掘り出し物より、分かりやすい当たりを狙った方が良いんでしょうね。

 Aの未出資厩舎ではやっぱり田中剛師。キャロの募集掛かる可能性は結構低いと思いますが、来たら馬じっくり吟味します。


 B・Cランク以下は手短に。この2ランクの差は僅かで、Cの方が個人的にちょっとだけ敬遠材料があるかな、って感じです。まずB。和田パパは数使う良さ。安くて丈夫そうな馬が見つかったら狙い目。松山師はやや伸び悩んでますね。キャロでも結果でておらず、静観が無難かも。古賀さん、鹿戸さんはカズーの影を脱して独自性を出すには至っていません。特に古賀さんは入ってる馬の質を考えると物足りない。この辺のB据え置き厩舎は実際出資意欲相当乏しく、まもなくC落ちって感じです。岡田さんはまだ良く分からない部分。勿論満足はしていないのですが。レース選び(適性判断)は皆さん言うとおりイマイチですね。中川さんは渋好み。クラブ向きではない気もしますが、回ってきた馬はチェックしておきたいです。今野さんは関西の若手では今後伸びそうな一人。立て直し能力が高そうな印象で、今後楽しみです。未出資では角田さん。なんだかんだ成績は上げてきていて、そろそろ当たり出そう。イメージは「牝馬の角田」ですが、牡馬の方が結果出てるんですよねー。

 Cランク。藤岡厩舎は悪い親子鷹。数字は上がってますが最近重賞勝ったのはワンカラットだけ。まあ、まったく駄目じゃないけどどの馬も期待したよりちょっと下の結果で終わる感じの厩舎です。戸田さんは先入観が悪い方に作用する感じの調教師。全体的に押す引くの勝負判断も微妙で、縁の血よりフレッシュな血統の方が面白いんじゃないですかね。圧倒的に丈夫な馬向き。あとノーザンとも相性悪い。池江ジュニアはブランド過剰。その中でカースト低い馬は結構酷いですからね。華やかさほどの楽しみはない感じです。勿論大物候補なら迷わず行くべきでしょうが、まあ、色んな意味で角居さんと藤原足して2で割った感じかなー…。音無さんは定期的に当たりを出す人で、キャロとも好相性。ただ個人的には相性余りよく感じないし、クリソライトの後は更に行きづらいかー。ノーザンと好相性なのでキャロ的にはいいですよね。そろそろリベンジしたい厩舎ではありますが。この中ではBに近いC。手塚さんは2世代連続で当たり出していて、今や関東屈指の狙い目厩舎。しかし騎手面含め全幅の信頼はまだ置けず、外れた時のストレス大きそうでやや躊躇。この人もBに近いC。宗像さんはダビスタ&カッチー。キャロでは来ないだろうなー。平田さんは、まあ、成果上がってるのですがどうも目先の不安定さ、腰の定まらなさに、一流にはなり得ない物を感じてしまいます。まあどうしても欲しい馬なら敬遠材料までは行かないかな、という感じですか。


 はい、ではここからが本番D・Eランクです。珍しい2ランクダウンを果たした(?)のは橋口さん。定年近づき色んな面の劣化が顕著ですが、特に目立つマイナス要素はレース選びの雑さと、小牧との絆。近年この厩舎で成功しているといえる馬は、結果的に丁半博打が連続成功し続けただけという印象で、結構危うい橋を渡らされています。筆頭格はレッドアリオンですかね。つまりは素質と運を兼ね備えた馬なら低確率で、でも成功できると言えますけど、そんなのは正直どの厩舎でもそうだろう、と。問題は低確率って所で、やっぱり厩舎に入ってる馬の質を考えると、徐々に低迷している感は否めません。ぽつぽつと重賞級いる反面、同等の素質を持っていると思っていた馬が大量に未勝利、500万に。とにかく失敗から何か学び取るという積極性はもう希薄ですし、「何かを変えてみよう」というチャレンジスピリットと新鮮味に乏しい厩舎になってしまいました。個人的には隠居状態になる前にダービー獲って欲しかったんですけど…。現状、人にお勧めできる要素は本当に少ないですね。一昔との落差という意味では、森厩舎に近い物がありますか。勿論、まだ橋口さんの方が色々救いは多いのですが。

 庄野さんは、これまた褒めるところが見つからない調教師。Eの人たちのような、もう致命的にダメだというポイントはないのですが、全部が平均以下なんですよねー。特に牧場とのコミニュケーション能力が低いのは、今の競馬界の環境的には痛い。浜中とのパイプ強い分橋口さんよりマシかなー、と思いつつ、実績と大舞台ノウハウのない橋口さん、と考えるとやっぱり…。渋い血統で、条件級で強い競馬をできる馬は定期的に出すので、安くて抗いがたい魅力を感じる馬がいたら、まあ、悪くないかもしれないですが。

 鈴木さんはレース選びのセンスの無さと、オペレーションに余り知性を感じないのが。馬をあんま見てないんじゃないですかねこの人。私がD以下にする調教師に共通する欠点は「失敗から学ばない/学べない」点。その能力がない人、余裕がない人、もしくは大成功されていてその必要性を感じないお方、色々いるとは思うのですが。古き悪しき時代の関東的な調教師で、多分今後も変わらないでしょう。同じダメなら関西、同じ関東なら若手に行きますよね。


 ラスト、E。詳しく書くと繰り返しの呪詛吐きになるので、過去のエントリも見ていただくとして、端的に。ミッキーは落第調整師。あの素敵な騎手が何でこうなっちゃったかなー…。なんだかんだ、お薦めできない厩舎筆頭です。西園さんは嵌らない馬への扱い最低な悪いビジネスマン。ド短距離血統ならワンチャンス。カズーは天上天下唯我独尊で信者御用達、もしくはM専門店。お店のコースは「もう一度だけ騙されてみようプレイ」しかありませんけど。しかも延長しなくてもどんどん延長するオプション付き。以前はビギナーなら人に自慢できたのですが、もうそのブランド力も一昔前の競馬ファンじゃないと通じない。厩舎の代表馬を見るとずらりと90年代、たまに00年前半って感じですからね。時代も変わりました。友道さんは良いところが見つけづらい人。あなたが近藤一族ならお薦め。森さんは過去の人。今なら過去の森イズムをスケールアップして継承している矢作さんが良いですよ。藤原さんはブランドに比例する暗黒面という意味では当代一流。超一流馬が全て順調に行っていない限りストレスの温床。西のカズーですな。かつての夢あるカズー。そう考えると結構良いですね。ビギナーと、G1以外は未勝利と同じだ、って人は。


 とまあ、今年も書いてみましたが、やっぱ全体的に繰り返しな感じにはなっちゃいますね。すみません。勿論これは私の経験に基づく主観ですし、一つの見方として提示したに過ぎません。自分的にNGの厩舎でも一部を除けば、世間の評価高いですし、クラブの扱いも良い。そうした厩舎を肌で感じるには実際に出資してみるのが一番。良い馬がいて、良い挑戦になるように願っています。身内や仲良い方には、酒飲みながらでももっと細かい話しますし、そうじゃない方は話半分に楽しんで貰えたら有り難いです。

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