予定の惨敗

 ワンサイドゲームは出遅れて11着惨敗。パドックではそこそこ競馬になりそうな雰囲気でしたけど、乾いてきたとはいえ稍重の馬場であれでは出るだけ無駄ですね。忙しい競馬では出遅れなくても多分掲示板無かったと思います。やっつけの出走、不真面目な騎手起用なので調教変わりと見るしかないでしょう。次、と言いたいところですが、ちょっとね…。

8日の中京競馬ではスタートで立ち遅れて後方から。気合いを入れられつつ追走し、直線は外に持ち出したが、流れ込むだけになり11着。「スタートが良くないのは想定内でしたが、その後砂を被ってまったく進んでくれませんでした。だいぶ慣れてきたと思っていたのですが、久々で忘れてしまったのかな…。直線は外にだしましたが、終いもジリジリとした伸びになってしまいました。ただ、以前より柔らかみは出てきているので、もう少し時計がかかる展開ならばやれるはずです」(渡辺騎手)「スタートがもうひとつでしたし、追走にも手間取っているように見えました。久々でも調教ではいい動きを見せていたのですが、気持ちの面でフワフワしていたのかもしれません。ジョッキーもだいぶ硬さが解消してきたと言っていましたし、馬は良くなっていますから、なんとか巻き返していきたいと思います」(松永幹師)今日は道中砂を被ってフワフワと集中し切れなかったようで、直線もこの馬らしい脚は見られませんでした。状態は悪くありませんでしたし、展開ひとつでもっといい競馬になるはずです。このあとはトレセンに戻って馬体を確認してから決定しますが、短期でリフレッシュ放牧を挟むことも検討しています。(渡辺騎手)

 今の多くの調教師には「調教すること」は仕事として求められていません。牧場が作って渡す馬を最低限の「調整」だけして、適鞍を見て使えばいい。調教師ならぬ「調整師」ですね。

 ではその調整師がやるべき仕事、差の付くポイントは何かといえば、当然ながらまずはその調整能力。80点で戻った馬を80のまま出すも、90にして出すも調整師次第。その点では平均点ですかね。特に見所が無いとも言えます。厩舎で上手く仕上げたなーという実感を持ったケースというのは、一口馬に限らずほとんど無いです。

 次に広報能力。これは説明能力と言っても良い。最善を尽くしていると馬主・馬券買う側に納得させることができるかどうか。まあ、この点は騎手出身の調整師は駄目な人多いですし、クラブコメントはある種のフィルターが掛かっているのでそこだけで判断するのは危険ですが、クラブコメントに関しても、新聞などのコメントに関しても、希望的観測以上も以下も感じないことが多いですね。今こういう状態なので、こういう工夫をした、その結果を見るためのこういうレースにこういう騎手で使いたい。勝ったときはどんな調整師でも良いこと言えるんです。負けたときに何を言えるか、そこから敗因を引き出して、次走少しでも減らすための工夫をするか、その工夫を見せることが出来るか。その点でもミッキーは中庸以下の能力しか感じません。

 次にレース選択。一流調整師は戻された状態の中で最適条件を使う目に優れています。手薄な相手、展開が向きそうなレースを選んで使うので、馬の力を発揮しやすい。ミッキーは、地方交流への目を向けたりなど「ボンクラ」ではないようですが、時計の掛かる馬場が良いと言っておきながら、週末雨予報が出ていた中京で普通に使ってみたり、ピッチ走法だからというのに拘ってダート1200ばかり使ったり。なんか場当たり的で、知恵を絞っているという面が見えづらいですね。

 何より一番今の調整師に必要な仕事は、良い騎手の手配でしょう。未勝利や500万は言ってもドングリの背比べです。余程の素質馬がパンとして使ってくるのであれば、騎手は邪魔さえしなければいいかも知れませんが、この時期の未勝利に溜まっている馬のもう一押しを出来る、出来ないというのは、実は重賞級G1級以上に騎手の腕が左右します。

 ここで必要な「腕」は所謂「格」ではありません。勝負騎乗が出来る騎手であるかです。前走のミス(?)で何も学ばず、同じようなレースをする騎手。リスクを冒して勝ちに行くより、ミスをしないで回ってくることを是とする騎手。そういうタイプが、未勝利をギリギリ勝つ・負けるという状況では最も乗って欲しくない騎手。例えば酒井、例えば小牧、そして渡辺。彼らに共通するのはその学習能力の低さと、勝負に行けないメンタル。小牧は、ちょっと別種ですが、酒井や彼に代表される「万年2〜30勝騎手」は現状に満足しきって、とにかく下ろされないことを至上命題に競馬に取り組むので、未勝利や500万では最も乗って欲しくない騎手。あるいは四位のように、一流の側面を見せつつも、大多数の競馬では決めうちで「こう勝ったらカッコイイ」と思って騎乗しているような芸術家肌の騎手。彼らは機嫌を損ねると仕事を放棄するので、明日を勝ち取るために今の結果が欲しい未勝利・500万では絶対に関わりたくない騎手。

 勝負が出来る騎手であればルーキーでも年間1勝騎手でも良いんですよ。渡辺騎手は、正直ナリタトップロード以降はそんなに真剣に見てませんでしたが、2走前の騎乗から、他のレースもちょこちょこチェック入れています。やっぱり目立つのは、勝負勘の乏しさと、ガッツの足らなさ。現状で満足してるんでしょうね。そういう騎手に、温情で何度も乗られたのではたまったものではありません。明確に騎手のミスで負けたわけじゃない、と見る向きもあると思いますが、私としては、勝負に行って負けて、結果としてそれがミスになる騎手の方が、そのチャレンジをしない騎手よりずっとマシなんですよ。

 四位、酒井を良く起用し、今までろくすっぽ乗せていなかった渡辺に3戦連続で騎乗させるそれが松永幹夫という人。そもそも、主戦という騎手が居ないんですよねこの厩舎。多いのは四位、松田、武豊、福永あたりですが、近3年で20回以上乗った騎手が17人もいる一方、二桁勝利はゼロ。乗り替わりは少なくない厩舎ですが、基本は、馬のためと言うより、前走騎手が乗れないからかえるといった風情を感じます。とてもとても場当たり的ですね。

 レース選びも騎手選びも場当たり。広報能力も平均以下。騎手実績と人徳(人格)に起因するコネクションが最大の武器。それでは、今の時代厳しいです。中庸騎手同様、成功したり失敗したりという「例外」はありながらも、馴らせば与えられた素材に見合った結果以上も以下もでない中庸調教師として、今後15〜20勝前後にずっと収まる気がします。

 ミッキーという人には、今の時代成功する「調整」師として必要な素養がほぼ無い、と判断しました。良い馬なら、と言いつつも、私的には1歳時点でのワンサイドゲーム以上に楽しみな馬に出資するのは難しい。人としては騎手時代からかなり好きです(まあ、馬券的には勝負しない騎乗が多かったので軸にはしづらかったですが…)し、セレスハントフラガラッハなど、活躍馬は好きな馬が多い。今後は一口では手を出さず、開花した馬だけ応援していきたいです。そのためにも、一旦ワンサイドゲームに関しても、今日で感情を切り離そうかな。

 …とまあ、以上、冒頭の1文以外は、レース前にあらかじめ書いていた文章です。今日は99%負けるだろう、しかも惨敗するだろうと思ってましたので。人智を尽くさずに天命を待つ愚かさを、一口で散々味わってますので。希望は抱けても、無謀は抱けません。今日に関しては、あの出遅れで騎手のせいじゃない面もありますけどね。それでも手に合う、合わないも含め、流れが勝ちに向いていないのは明らか。普通なら変えますよね。でもミッキーは変えない気がします。1200も前から言っていますが忙しすぎてこの馬に合うとは思いません。1400〜1600m…まだローカルなら1700の方が良いんじゃないでしょうか。でも次も1200使う気がします。今後ローカル開催続くことを考えると、地方交流の1400ってのが、現状のベストかなあ?

 ワンサイドゲームは、この後地方交流あたりで勝ちあがったりするチャンスはあるでしょうし、素質面は牧場でも絶賛されていた馬。時間が掛かるかも知れませんが先々はもっと走ってくるかも知れません。ただ、そのチャンスを得る可能性、時間をもらえる可能性は、ほぼ無いだろうな、と今日諦めました。幸い、ダートの短い距離は合わないわけじゃないですし、地方転出後の活躍にも微かな期待は出来る。復帰後、転厩に僅かな希望を抱きつつ、未勝利期間の勝ち上がりに関しては、現状を鑑みて一度希望を捨てたいと思います。

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