キャロ厩舎調査

 とりあえず募集前の統計エントリシリーズとしてはラスト、3〜9歳世代の、キャロット預託厩舎別成績と傾向を調べてみました。対象は7世代の勝利数・勝率・預託数ベスト5いずれかに該当する厩舎と、重賞連対orOP勝ち馬を出した厩舎からいくつか。成績は中央のみなので、シーザリオアメリカンオークスとかは含まれていません。転厩馬はメジャーどころは引っかけましたが、見落としがあるかも知れません。

 なお、あくまで1歳馬募集へ向けた調査であり、これからデビューする皆様の2歳馬にどうこう言いたいわけではないので、その辺「おや?」と感じても勘ぐらずに、気楽にお楽しみください。

▼参考(補足)

順位 厩舎 勝利数 厩舎 勝率 厩舎 預託数
1位 栗・角居 34 栗・池江寿 31.7% 栗・角居 18頭
2位 栗・安田 22 栗・角居 20.5% 栗・音無 13頭
3位 栗・音無 18 美・藤沢和 18.8% 栗・中尾 13頭
4位 美・萩原 17 美・池上 18.8% 栗・友道 13頭
5位 栗・池江寿 13 栗・松永幹 17.5% 栗・安田 12頭

※引退調教師は除く
※勝率は期間内5勝以上の厩舎のみ(以下の分析も同様)
※預託頭数は転厩馬も含む(成績は在籍時のみ)

厩舎 重賞1 重賞2 OP1
栗・角居 17
栗・石坂
美・加藤征
美・荻原
栗・池江寿
美・堀
美・戸田
美・松山
栗・安田
栗・吉田
栗・友道
美・古賀慎
美・大根田
美・大久保洋
栗・藤沢則


角居勝彦厩舎

  • 預託頭数:18頭 牡8/牝10
  • 勝利数:34(1位) 牡15/牝19
  • 勝率:20.5%(2位) 牡20.5%/牝20.7%
  • 平均募集額:4311万 牡6100万/牝2880万
  • 平均獲得賞金:6305万 牡3771万/牝8331万

言わずと知れたキャロのトップステーブル。18頭と頭数が多いので、未勝利馬に引っ張られる数字も、平均募集額<獲得賞金は流石です。抽選とか無視してしまえば、のべ買いしてもペイする厩舎。勝ち上がり率は牡>牝ですが獲得賞金は断然牡<牝。募集額も含め、基本的には牝馬狙いの厩舎です(金額に関しては、今後「安い牝馬」はもうほとんど出ないでしょうが)。海外生産馬3頭を除くと全てNF馬。キャロ/ブランドイメージの結集体と言えますねえ。普通の人がキャロに持つイメージ=角居厩舎のイメージと言っていいでしょう。

活躍した馬の傾向を見てみると、ディアデラノビアは初子、シーザリオは上が社台・サンデーで募集されていて初キャロ馬、トールポピーは上が河野厩舎で募集され未勝利→フサローさんのホウオーを挟んで角居さん、トライアンフマーチは上が小島太・中竹厩舎で角居さん。

一方でルビウスは金子・金子・近藤と来て初キャロで角居さん、プラチナベールも金子馬の下で初キャロで角居さんと、当たりでもおかしくないパターン。ここの見極めは難しいですが、今後は10万以下の馬が募集に掛かることはほとんど無いでしょうし、純粋に欲しい馬に突撃する厩舎で良いんじゃないかと思います。

ひとつ注目しておきたいのは、今後増えるであろう「ゆかり馬」の預託枠ですね。ディアデラの下はマゼランとイグアスが成功と言えますが他は厳しい。ポピー姉妹はちょっと別格ですが、シーザリオの下は未勝利引退。素質は確かでしたがシーザリオの初子も1戦引退で妹は未出走引退。思い入れがあるのでなければ、ゆかり馬よりはフレッシュな血統を狙った方が、より勝率は高くなりそうです。今年はディアデラ母子とシーザリオはまず角居厩舎で、ハットトリックの子もいますので、新しい馬がいるかどうか。注目。

サンデー系(含む母父サンデー、以下同)は20勝。比率としてはそこまで高くもないですが、1億以上稼いだ馬は全て該当。実は他クラブも含め、一口の歴代ベスト10は全てサンデー系/母父サンデーという「サンデー厩舎」。これは大きな偏りなので、覚えておいて良いと思います。デインヒルの直子とか出資する厩舎じゃないってことだよ、きりた!(しょんぼり) ディアデラの子は母父サンデーでクリア、シーザリオは……?


安田隆行厩舎

  • 預託頭数:13頭 牡8/牝5
  • 勝利数:22(2位) 牡19/牝3
  • 勝率:15.2%(10位) 牡17.1%/牝8.8%
  • 平均募集額:2385万 牡2975万/牝1440万
  • 平均獲得賞金:2794万 牡4058万/牝769万

角居厩舎に次ぐ勝ち数2位の安田厩舎。全てにおいて角居さんと比べるのは酷ながらも、しっかり募集額<獲得賞金を達成しており、キャロットにおけるエリート厩舎の一角とは言えるでしょう。

特に牡馬の成績は目覚ましいですね。フィフティーワナーを筆頭に、まず一口で持っていれば「成功」と言える馬が並んでいます。逆に牝馬は厳しい。回収率100%越えはヴァイスハイト1頭。他クラブではレディルージュやルミナスポイントなど、成功と言える牝馬も出ていますので、今後当たりが出る可能性は低くありませんが、「キャロではこうだ」という傾向は覚えておきたい。マル外の活躍もありますが、NF比率は5割以下。しかし内国産の10勝は全てNFということで、ここもノーザン御用達厩舎です。

あと、この厩舎の特徴と言えば南半球産でしょうかね。フライデイフライトが5勝。キャロの南半球産は期間内に11頭が9勝。うち安田厩舎は2頭が6勝。南半球産はこの厩舎以外買わなくて良い、と言っても良いくらいの感じです。分母が小さいですし、フレデフォートは当たりとは(まだ)言えませんので、今後積極的に狙える、と言うものではありませんが。

成功パターンとしては、マル外と、「他クラブで上を預かっていた馬」。フォーリクラッセヴァイスハイトが該当します。ただ同パターンで走っていない馬もいますし、メトロノースのように「キャロ募集で他調教師→安田さん」のパターンも。余り型に填めない方が良いかもしれませんね。

サンデー系は1勝と、完全に「非サンデー厩舎」。まあ、というか、サンデー系がキャロではほとんど入っていません。他クラブではサンデー系の活躍馬も出ていますので、嫌う必要はありませんが(それでも、グレープブランデーが初の1億越えサンデー系だったんですけどね)、逆にサンデー系じゃないからと言って過小評価しなくて良いとは考えましょう。


音無秀孝厩舎

  • 預託頭数:13頭 牡7/牝6
  • 勝利数:18(3位) 牡13/牝5
  • 勝率:16.7%(7位) 牡18.3%/牝13.5%
  • 平均募集額:3103万 牡4000万/牝2100万
  • 平均獲得賞金:2241万 牡3080万/牝1262万

勝利数は3位と立派ですが、牡・牝共に募集額>獲得賞金で、イメージほど「買える」厩舎ではありません。その大きな要因は当たり外れ。角居厩舎なども未勝利は多いのですが、この先生の場合「走らない馬はポイ」という印象が、一口に限らず強いです。この7年で1勝馬っていないんですよね。2勝以上するか、未勝利か。それだけ勝った馬は軌道に乗ってくるとは言えるのですが、「厳しい馬を勝ち上がりへ向けて頑張る」という部分では物足りない調教師です。「コツコツ頑張って欲しいな」みたいなタイプは避けた方が良いでしょうね。どちらも価格比で行くと強調できませんが、強いて言えば牡>牝ですかね。

期間内18勝全てがNF生産馬。NF御用達厩舎です。

インペリアルマーチが今後大活躍して壁を突破してくれそうな気はしますが、預託価格の高さに対して、当たりと呼べる馬がそこまで「大」活躍はしていないのも微妙。高い馬がそれなりに走る、では冒すリスクに見合いませんしね。

成功パターンも今のところ見えづらいです。サウンドアクシスは兄キャトルマンもキャロで音無(その上は橋口)、インペリアルマーチはキャロで他調教師→音無さんと、まあこの辺と、トゥリオンファーレ(オレハマッテルゼの下)、クリソプレーズ(タンザナイトの下)のように、厩舎ゆかりの血の下ってパターンでしょうか。

サンデー系は10勝でサンデー/非サンデーは拮抗。ここは余り気にしなくて良いでしょうね。

今成績の上がっている調教師ですし、値段が下がることはないでしょう。「ブランドほどのコストパフォーマンス無し」というイメージはしっかり持って厳選して臨みたい厩舎です。


萩原清厩舎

  • 預託頭数:11頭 牡8/牝3
  • 勝利数:17(4位) 牡15/牝2
  • 勝率:15.7%(9位) 牡17.9%/牝8.3%
  • 平均募集額:2618万 牡2925万/牝1800万
  • 平均獲得賞金:2968万 牡3775万/牝816万

ランフォルセなどの活躍馬に引っ張られる形とはいえ、堂々の「キャロ関東リーディング」であり、募集額<獲得賞金を達成しています。牡>牝。アベレージという意味でも、8頭中6頭が勝ちあがっているのはなかなか立派。とかくマイナスイメージも多い厩舎ですが、キャロではエリートの一角と言っていいんでしょうね。16勝がNFですが、単に募集がそこに寄ってるだけで白老のフォーカライズも勝ちあがってはいるので、余り気にしなくて良いですかね。

芝でデビューして、さっとダートに行ったランフォルセ、ダートで2勝したあと芝中距離で活躍しているトランスワープ、これもダートで連勝したあと芝G2で連対まで果たしたインテレットなど「目先を変えて当たりに持って行く」のが上手い人(出資者には色々言い分もあるとは思いますが)。バイヨンも中央未勝利のあと障害で稼いでいます。

ランフォルセは安田・橋口と来てハギー。インテレットトランスワープの兄弟も上は庄野厩舎。初物よりはこういう流れが合う厩舎でしょうか。

サンデー系は5勝でサンデー比率低い。西の安田厩舎と一緒で、非サンデーのNF馬の良いのが集まる厩舎と見て良いかもしれませんね。精神衛生上もそちらの方がいい気がします。

とにかく成績の上からは、角居厩舎を除けばエリート級なのですが、出資された方からは多くの不満が聞こえてきます。その辺しっかり勉強して、良い馬は避けずに勝負しましょう。


池江泰寿厩舎

  • 預託頭数:7+1頭 牡5+1/牝2
  • 勝利数:13(5位) 牡13/牝0
  • 勝率:31.7%(1) 牡38.2%/牝0%
  • 平均募集額:2971万 牡3440万/牝1800万
  • 平均獲得賞金:2833万 牡3852万/牝285万
  • ※募集額・獲得賞金はパパさんから転厩してきたトゥザグローリーは除く。

圧倒的な勝率(牡馬の38%とか異常!)、そしてトゥザグローリーのイメージで「素晴らしい」印象の厩舎だが、とにかく数を使わないという特徴。募集額はほぼ=獲得賞金。牡馬は合格だが牝馬は未勝利。他クラブを見ても、賞金ベース・回収率ベース共にベスト10に入った牝馬はアイスドール只1頭。これだけの厩舎なので、クラシック級の牝馬も入ってきますが、基本、牡だけ見ておきましょう。NFは10勝。無事ならどれだけ稼いだか、と言う大物デュオトーンという例外が居ますので、NFに拘る必要は無さそうです。

特徴としては先ほども挙げましたが、とにかく使わない。馬の体質もあるとは思いますが、募集7頭で38走=平均5.4走というのは極めて少ない数字。堀厩舎などにも言えますが、競馬は使ってこそ、と言う人にはとことん向かない厩舎です。とくに「素質はありそうだけどどこか弱い」というキャロのカラーでそこが増幅されるんでしょうね。

基本はパパ血統も含め、厩舎ゆかりの血統が多いのですが、ランザローテは上も母もゆかりのない馬。デュオトーンもそうでした。こういう「え、なんで?」と言う預託馬は当たりの可能性を探った方が良いでしょうね。一流厩舎としての立場が確立された今後は尚更そうなるでしょう。

サンデー系は10勝でサンデー寄り厩舎。非サンデーの勝ち馬はデュオトーンだけですね。他クラブを見ても非サンデーの活躍馬はウォータクティクスくらい。サンデー系を狙いましょう。

今はパパさん馬主のケアも含め、完全なる「飽和状態」だと思います。上手くこなせているうちは良いですが、どこかで失敗すると一気に破綻しそうな恐怖感も。そうじゃなくても選りすぐりの馬が集まる厩舎。角居さんのようにキャロに絶対的パイプがあるわけでもないですし、過信は禁物という印象です。お金と心に余裕のある方向けですね〜。


中尾秀正厩舎

  • 預託頭数:12+1頭 牡5+1/牝7
  • 勝利数:12(6位) 牡8/牝4
  • 勝率:9.7%(25位) 牡9.3%/牝10.5%
  • 平均募集額:1950万 牡2280万/牝1714万
  • 平均獲得賞金:1599万 牡2774万/牝758万
  • ※募集額・獲得賞金はパパさんから転厩してきたブラストオフは除く。

預託数/勝利数は上位ですが勝率は低く募集額>獲得賞金でエリート厩舎とは言えません。牡馬はなかなか優秀でますが、牝馬はベルフィーチャーくらい。牡を狙いたい厩舎です。安い馬が活躍している厩舎で、3000万以上の馬は不振。他のクラブを見ても高額馬より中間価格以下の馬が頑張っており、大物を狙うより堅実派をピックアップする厩舎というイメージが良さそうです。NFは未勝利で、キャロでは希有な非NF厩舎。追分のベルフィーチャーがそこそこ頑張っていますが、白老は5頭で2勝。非NFのみならず、非社台グループで狙いたい厩舎です。その他の特徴は掴みづらいですね。

サンデー系は4勝で非サンデー寄り厩舎。他クラブの稼ぎ頭マイネルシュトルムも非サンデー。非社台・非サンデー系と言うだけでかなり限られると思うので、その中で興味深い素材を見つけたら検討する感じが良いでしょうか。

和田・秋山あたりが主戦級。私の出資馬リーガルスキームもアンカツ→和田と来て今は国分恭君の馬に。騎手の起用も含め渋めなので、ドラフトにおいては3・4位で「この馬が回転してくれると俺の心は健康だなあ」というお付き合いが良いんじゃないかと思いますよ。


藤沢和雄厩舎

  • 預託頭数:7頭 牡3/牝4
  • 勝利数:12(7位) 牡5/牝7
  • 勝率:18.8%(3位) 牡14.7%/牝23.3%
  • 平均募集額:3886万 牡5333万/牝2800万
  • 平均獲得賞金:2810万 牡3632万/牝2400万

かつての名門カズー。一口界隈では「ピークを過ぎた厩舎」という評価はほぼ定まっていますが、一般の競馬界ではまだまだ名門の体を保っていますよね。数字に関しては、移籍後のゴルトブリッツを加味すれば字面よりは「出資に足る」のですが、とにかく高い割には…という感は否めません。リスクヘッジも込みで言うと牝馬の方がまだマシかも(ただ基本的に牝馬は積極的に扱わない人なので、大物狙いたければ絶対牡馬)。全12勝がNF。ゴルトブリッツもNF。基本的にカズーという人は、そのクラブのブランドイメージに従うのが吉の厩舎です。じゃなきゃ、預かりませんからね。

とにかくこの厩舎に関しては、出資馬がどれだけ良い馬かと言うことではなく、そのクラブが他の馬主・クラブと比べてどれだけの権力をこの人に示すことが出来るかを見なければいけません。重賞級なんて掃いて捨てるほど居る厩舎。G1級もゴロゴロ。その中からふるいに掛けて掛けて生き残りだけが出世する厩舎。相場眼、なんて物はいかに一口では役立たずの幻想かと言うことを痛いほど思い知らされます。

東京サラブレッドというクラブが存在している以上、400口でこの厩舎に関わりたければキャロで選ぶことはないんじゃないでしょうかね。

サンデー系は3勝で完全に非サンデー厩舎。勿論過去の成功にはバブルガムフェローダンスインザムードなんて超大物もいるわけですけど、サンデー2世ではタイキアルファ(父バブル)くらいしか目立ちません。直子がいない今、非サンデー狙いが良いんじゃないかと思います。

まあ、私も過去3頭出資して10勝と、一般的には当たりと言える部類の結果残してるんですけど、後味という部分では最悪に近いです。山本さんくらいビッグドリームを持って剛腹な人か、超ピュアな初心者(ここの厩舎の馬はパドックでものすごく見栄えがするので、一口やっていない友人に一杯自慢できます…ただしレース後は冷たい目で見られますけど)向きですね。まあそれでも「東京に入れよ」という以上のアドバイスはありません…。


石坂正厩舎

  • 預託頭数:10+1頭 牡3/牝7+1
  • 勝利数:10(8位) 牡5/牝5
  • 勝率:13.5%(15位) 牡23.8%/牝9.4%
  • 平均募集額:2240万 牡2733万/牝2029万
  • 平均獲得賞金:2268万 牡6898万/牝283万
  • ※募集額・獲得賞金は安藤厩舎から転厩してきたブルーメンブラットは除く。

募集価格、賞金に関してはブルーメンの分を抜いてしまうとこんな数字になりますが、それでもアロンダイトのおかげで募集額<獲得賞金は達成していますし、転厩とはいえブルーメンブラットを開花させたのはこの人なわけで、キャロにおいても一つのブランドと言っていいでしょう。その両大物を除くと9頭で1勝という悲惨な成績。三振かホームラン(しかも打率低め)という認識必要そうです。ブンブンマル。全10勝がNF。他クラブを含めても1億オーバーは全て社台系。

アロンダイトは2800万、サカラートヴァーミリアンの兄弟も2400万。一方で4000万以上の馬はリクエストソングくらいしか成功例がありません。キャロでも今年2歳のアダムスピークを含め、高馬が今後入ってきそうですが、個人的には静観したい気持ちです。東京のレッドブリッツァーも4800万で1勝止まりでしたね。

サンデー系は4勝。まあ、アロンダイトブルーメンブラット以外はほとんど泣かず飛ばずなので、この2頭のデータしか反映されていません。他のクラブを見てもスカーレットレディ産駒以外はそんなに偏り無いので、気にしなくて良いですかね。アロンダイトなども手伝いダート厩舎のイメージもありましたが、最近は芝=ダート成績拮抗。(一口に限らず)下級条件はダート寄り、上級条件は芝寄りです。

とにかく、キャロでは2頭を除いてさっぱりだという認識は不可欠。当たり外れの大きな厩舎という認識は持った上で、確信が持てたら飛び込みましょう。


池上昌弘厩舎

  • 預託頭数:5頭 牡3/牝2
  • 勝利数:9(11位) 牡5/牝4
  • 勝率:18.8%(4位) 牡26.3%/牝13.8%
  • 平均募集額:1640万 牡2000万/牝1100万
  • 平均獲得賞金:1972万 牡1511万/牝2665万

ややマイナーイメージの厩舎ですが、キャロでは5頭で9勝。募集額<獲得賞金も達成していて、ドラフト下位で抑えたい厩舎ですね。数字の上ではブランシュネージュを出した牝馬優位ですが、牡馬も3・2・0勝となかなか優秀です。全てNF馬。

更に全て非サンデーでの結果。血統に惑わされず、良い馬だと思ったら狙いたいです。偶然かも知れませんが、勝ちあがれなかった2頭は上がキャロ馬。勝ちあがった3頭は非キャロ馬。ちょっと覚えておきたいです。

一口の醍醐味はやっぱり一流厩舎の自慢できる血統にに出資して、G1を目指すことだと思いますが、長く続けるには年1頭は、堅実に走って精神衛生を保つ馬が欲しい。そういう意味では池上厩舎は非常に有望な「1・2番バッター要員」ですね。


大久保洋吉厩舎

  • 預託頭数:8頭 牡3/牝5
  • 勝利数:8(13位) 牡1/牝7
  • 勝率:10.5%(23位) 牡6.7%/牝11.5%
  • 平均募集額:2300万 牡3000万/牝1880万
  • 平均獲得賞金:1886万 牡550万/牝2928万

キャロの関東厩舎では人気のある大久保厩舎。未出走引退が3頭と厳選する必要はありますが、牝馬はかなり狙える厩舎ですね。というか牡馬はイメージより走ってなかったなあ。8勝全てNF。というかNF馬しか走っていません(白老の1頭は未出走引退)。

マイティースルー、スルーレートの姉妹で6勝。サンデー系は直子のクリスタルコーストのみで、フジキセキの2頭は未出走引退。牝馬でかつ非サンデーが狙い目ですね。


加藤征弘厩舎

  • 預託頭数:8頭 牡6/牝2
  • 勝利数:8(14位) 牡7/牝1
  • 勝率:13.6%(14位) 牡13.5%/牝14.3%
  • 平均募集額:3375万 牡4033万/牝1400万
  • 平均獲得賞金:2766万 牡3543万/牝435万

キャロ近年の代表馬の1頭、フィフスペトルを擁する加藤厩舎ですが、言い換えればそれ以外はかなり厳しい。厩舎獲得賞金の3/4がフィフスのものですからね。どの厩舎にも言えますが、当たり馬のイメージだけで出資するのは危険なことです(実はそこのギャップに気づくのは出資しない限り至難なんですけどね…)。特に牡馬は高額さを考えると大失敗と言っても良いでしょう。8勝全て非NF。サンデー系も2勝で、非NF・非サンデーで高額、という、狙い撃ちは難しい厩舎ですね。

ざっくり言ってしまえば、こういう「一発」厩舎は二発目はないと見るか、もう一匹ドジョウが居ると見るか。私は値段も加味した上で前者が良いのではないかと思いますね。キャロは大物出ていない厩舎の方がアベレージ高いですし。非NF厩舎である以上、別路線からの当たりが来る可能性は否定できないので、気になる方はしっかりチェックしておいてください。


戸田博文厩舎

  • 預託頭数:10頭 牡3/牝7
  • 勝利数:8(16位) 牡5/牝3
  • 勝率:11.0%(22位) 牡22.7%/牝5.9%
  • 平均募集額:1780万 牡2933万/牝1286万
  • 平均獲得賞金:1514万 牡4140万/牝388万

フィフスペトルブレイクランアウトで似たイメージもある戸田厩舎ですが、エースを除く成績ではこちらの方が上。価格もこちらの方が安い。どっちか選ぶならこっちでしょうね。特に牡馬はキャロでは全馬勝ち上がりと成績良好です。NFは3勝で非NF厩舎。関東は多いですね。サンデー系も3勝。

戸田厩舎の良さは出走数の多さにもあるので、タフでコストパフォーマンス良さそうな馬を見つけたら検討したいです。デビュー遅れたけど連勝中のストーンヘンジに「脱ブレイク」を期待しましょう。


堀宣行厩舎

  • 預託頭数:9頭 牡6/牝3
  • 勝利数:7(21位) 牡7/牝0
  • 勝率:11.3%(19位) 牡12.7%/牝0%
  • 平均募集額:2667万 牡3233万/牝1533万
  • 平均獲得賞金:2488万 牡3732万/牝0万

これまた上の2人に続いてリアルインパクトで名を馳せた堀さん。一口を抜きにしてもキンシャサノキセキジャガーメイル、ジョリーダンスなど活躍馬を続々出しているので上記2者よりイメージは良いんじゃないかと思います。ただ、リアルインパクト以外の一口馬はどっこいどっこいですし、クラブレベルでは2者と大差ないと言っていいでしょうね。完全に牡>牝。NF5勝、サンデー系4勝と拮抗。

馬を大事にするイメージもありますが、単に若い頃無理させないと言うだけで、エイミングポイントあたりは32戦もしていますし、牝馬全頭を含め賞金ゼロの馬が7頭もいるなど、外れはこっぴどい。「大事にとか以前にリミット少しは気にしてよね」と言いたくなるかもしれません。余り体質の強くない馬を預かっているという面もあるとは思うのですが、その中でも騙し騙し競馬に持って行ってくれる上原先生あたりと比べると私的には大分イメージ悪いです。まあ、性に合う/合わないってのがあるでしょうけど。アンチ・マイネル的とでも言いますか。私は中間が良いですね。

まあ、大当たりが出た後の厩舎というのは、例に漏れず「ご祝儀価格」が上乗せされていたりしますので、ギャンブル的には敬遠なんですけど、クラブの場合は良い馬が流れてくると言うこともありますし(牧場系は尚更)、厩舎内カーストが上がるという面もあります。お金に余裕のある方はバットを長く持ってどうぞ〜。


松永幹夫厩舎

  • 預託頭数:7頭 牡4/牝3
  • 勝利数:7(22位) 牡7/牝0
  • 勝率:17.5%(5位) 牡29.2%/牝0%
  • 平均募集額:2200万 牡2500万/牝1800万
  • 平均獲得賞金:1372万 牡2325万/牝101万

キャロ成績的にはまだまだ微妙なミッキー先生。牝馬は未勝利ですって…俺、2歳牝馬に出資しちゃってるよ……。まあ、「見てたら出資しなかったのでラッキーだよ」と1年後言っていると思います。…思います。現役時代は牝馬のイメージあって、実際レッドディザイアが活躍していて。なかなか難しいですな。NFは2勝で、フラガラッハの白老がリード。他クラブですがクリアンサスも白老ですね。ディザイアは社台。ワンサイドゲームはNF……。

さておき。全7勝がサンデー系。預託頭数としては非SSの方が多いので、これは抑えておきたいポイントですね。ワンサイドゲームは非SS……。

さておきさておき。若い厩舎は年々環境が変わりますので(特に関西は全体的に堪え性がないというか、調教師も騎手も浮き沈みが激しい)、余り傾向にとらわれず、良い馬だと思ったら突っ込みたいですね。


友道康夫厩舎

  • 預託頭数:13頭 牡6/牝7
  • 勝利数:6(23位) 牡4/牝2
  • 勝率:10.0%(24位) 牡29.2%/牝0%
  • 平均募集額:2231万 牡2833万/牝1714万
  • 平均獲得賞金:811万 牡1218万/牝462万

来ました、キャロのブラックボックスこと友道厩舎。3連勝の大器フレールジャックを出したことで、「遂に呪いが解けた」とも言われます。しかし上記数字を見ての通り、成績としては最低クラス。入っている血統レベルは決して低くないので、この低調は深刻です。だって、フレールジャックの重賞勝ちがあってやっと1頭平均800万ですよ。800万! 全てがNF(ノーザンレーシング含む)の勝ち星で、サンデー系5勝。

(同じマツクニ助手出身の)角居さんとの違いはなんだ、とは良く話題になりますが、競馬全般はさておき一口においては「全て」と言っていいでしょうね。クラブへの対応能力、馬の成績を伸ばすための努力・粘り、etc.…。広く言ってしまえば「センス」とか「才能」の問題なんじゃないでしょうか。とにかくクラブとこれだけパイプがあって、こんなに成功していない調教師、滅多にいる物ではありません。兄姉の屍を積み上げた末のフレールジャック成功で逆に延命されてしまったとも言えましょう。私は近寄りません。


吉田直弘厩舎

  • 預託頭数:7+1頭 牡3+1/牝4
  • 勝利数:6(24位) 牡6/牝0
  • 勝率:7.1%(29位) 牡15.8%/牝0%
  • 平均募集額:2025万 牡2733万/牝2000万
  • 平均獲得賞金:644万 牡1051万/牝339万
  • ※募集額・獲得賞金はカズー厩舎から転厩してきたゴルトブリッツは除く。

転厩馬ゴルトブリッツの大成功でイメージの良い厩舎ですが、レギュラーの募集馬はパッとしませんね。それでも勝ちあがっているアイビーフォールドやカルドブレッサの扱いを見ていると、じきに成功するだろうなとは思います。関西の若手調教師では一番ポテンシャルが高い人の1人ではないでしょうか。上数名の「当たりの後に行きたくない逆張り厩舎」と違い、良い意味でブレイクを待つ時期なんじゃないかと思います。勿論、私の印象でしかないんですけど。NFで5勝、そして全てがサンデー系での勝利。

私も近々出資してみたいと思ってる厩舎です。


藤沢則雄厩舎

  • 預託頭数:3頭 牡1/牝2
  • 勝利数:6(25位) 牡6/牝0
  • 勝率:17.1%(6位) 牡20.0%/牝0%
  • 平均募集額:1533万 牡2400万/牝1100万
  • 平均獲得賞金:3640万 牡10680万/牝120万

カルナバリートの藤沢則厩舎。「悪くない方の藤沢」こと藤沢則厩舎。カズーに対抗して「ノリー」とでも呼びますか。呼びませんか。シルクフォーチュンやスカーレットベルなど、なかなか渋い募集馬を活躍させている調教師。マイナーではありますが一口界では「西の1・2番バッター候補」として注目して良いんじゃないかと思っています。関西で、ブランドでも若手でもない堅実派の調教師って、少ないんですよね。全てNFで非サンデー…ってつまりカルナバリートのことなんですけど。

厩舎で稼いでいる馬たちが数使われているのも良い感じ。丈夫ありそうな牡馬だったら出資してみたいですね。


以上(松山、古賀慎、大根田は割愛)、ですが、調査しなかった中でもキャロ勝ち数上位だと奥平さん、橋口さん、平田さん、藤原某、コジシゲ、マツパクさんなどキャロでメジャーな調教師も何人か居ます。ついでなので成績と短評だけくっつけてしまいましょう(もう皆さん見るの疲れたと思いますが。私も疲れましたw まあ、厩舎決まったら逆引きして使ってくださいな)。


奥平雅士厩舎

  • 預託頭数:10頭 牡5/牝5
  • 勝利数:9(9位) 牡4/牝5
  • 勝率:12.0%(16位) 牡15.4%/牝10.2%
  • 平均募集額:2140万 牡2760万/牝1520万
  • 平均獲得賞金:1244万 牡1129万/牝1359万

やや牝馬優勢。勝ち上がり率は余り高くないです。NF4勝、SS6勝。活躍馬の出資者からも「ストレス溜まった」という意見多く、注意必要。


橋口弘次郎厩舎

  • 預託頭数:7頭 牡3/牝4
  • 勝利数:9(10位) 牡4/牝5
  • 勝率:11.0%(21位) 牡10.0%/牝11.9%
  • 平均募集額:4171万 牡5867万/牝2900万
  • 平均獲得賞金:1337万 牡1198万/牝1441万

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バラ一族のブランドがあるとはいえ、高すぎ、そして成績伴わなさすぎ。社台サンデー御用達厩舎で、クラブ馬ランク25位までの内23頭が両クラブ。他は5000万オーバー不在。パスで良いでしょう。


平田修厩舎

  • 預託頭数:8頭 牡2/牝6
  • 勝利数:8(12位) 牡3/牝5
  • 勝率:11.9%(17位) 牡16.7%/牝10.2%
  • 平均募集額:2225万 牡3000万/牝1967万
  • 平均獲得賞金:1914万 牡2066万/牝1864万

アベレージは低いですが、走る馬の質は上々。〜〜〜の下、みたいなベタな良血より一ひねりある方が走る印象です。


■藤原某

  • 預託頭数:7頭 牡4/牝3
  • 勝利数:8(15位) 牡6/牝2
  • 勝率:14.0%(12位) 牡18.2%/牝8.3%
  • 平均募集額:2200万 牡2250万/牝2133万
  • 平均獲得賞金:1723万 牡2052万/牝1284万

人間性に大変問題のある調教師。エリートコースを外れた馬の扱いの酷さは当代随一。エリートコースに乗れば一流厩舎の醍醐味も味わえるので、自分に自信がある方向き。


小島茂之調教師

  • 預託頭数:6頭 牡2/牝4
  • 勝利数:8(17位) 牡1/牝7
  • 勝率:16.0%(8位) 牡8.3%/牝18.4%
  • 平均募集額:2233万 牡3000万/牝1850万
  • 平均獲得賞金:1431万 牡639万/牝1827万

綿密なケアと果敢な挑戦、失敗を次に活かす学習能力で関東では屈指の若手調教師。ぷ+ブログという情報源で楽しめる。お値段以上、ニトリ。ここ7世代で勝ち上がり無しはこのままだとブロンクステイルだけ…ってことで、どうか頑張って欲しい。基本は安めの牝馬が良いと思いますよ。


今度こそ以上です。他に知りたい厩舎あったら、コメント欄で言ってくれたら追加します。

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