復活への第一歩。

 ナビスコ杯予選A組第5戦。磐田相手にホームで1−0勝利。ゴールは高原。

 アレが前半8分で故障交代という、苦しい試合。坪井と山田ノブ、山岸を中心に良く守り、迎えた25分。セルからエジへと渡ったボールは、中央の高原へ。左足を振り抜く。ミートはしなかったが、GKの脇を抜けてゴール。光なんか、一生射さないのではないかと言うほどの曇天のキャリア。まだ、太陽は見えないが、一瞬、雲が薄く、明るくなった気がした。

 不測の事態でピッチに立った永田は頑張った。試合になれてきたセルの動きは見違えてきたし、峻希も良い動きが目立ってきた。山田ノブは急増のポジションとは思えない安定感。改めて、この人のサッカーセンスは凄い。怪我人は多いが、代役を任された選手が、チャンスをモノにしようと、ガムシャラになっている。このガムシャラ感が、今までのレッズは望んでも望んでも、得られなかった「最後のピース」。王座から引きずり下ろされ、土にまみれて漸く、王座にある間も望み続けた武器を手に入れた。皮肉なことだ。

 今までのレッズは、カップ戦なんて見られたもんじゃなかった。無理に出場を続ける主力。代表が欠けると、機能不全に陥るチーム戦術。カップ戦は、さっさと負けて、休んで欲しいとだけ思っていた。今は、カップで、新しい選手が自己主張するのを、ワクワクしながら見ることが出来る。この上、ゴールラッシュとかを望んだら、罰が当たるだろう。リーグでも、闘がギャースカ喚いて、バランス崩れてゴール一杯入るようになったら、チームバランスが酷く悪化して、一杯失点するようになった。今のチームには1−0が似合う。結果は同じでも、毎試合、中身の違う1−0。楽しい1−0。

 高原の誕生日は6月4日。明日で30歳。20代最後の日にゴールという復活の狼煙を上げたことが、彼の中の「壁」を取り払うきっかけになれば、と願う。今の高原は、浦和には要らない。それでも、浦和が再び、リーグの頂点に立ち、アジアを制するには、高原の能力は必要。暫くはカップ戦要員だろうが、しっかり結果を残して、アピールして欲しい。FWは結果が全て。特に、高原のような、ナチュラルボーン・スコアラーには。どんどん取れ。達也の倍、エジより1点でも多く、ゴールを決めないと、「温情」以上のスタメンは遠いぞ。

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