エジは変わった。お前はどうだ

 京都戦。エジの素晴らしいゴールで先制。その後も積極的なプレスからレッズのリズムで試合は進む。相手の攻撃は、ほぼゴールの匂いがしない状態で摘み取り、レッズは幾度かの決定機があったが、決めきれず、1−0で折り返し。後半も完全なレッズペース。ほぼゴールというシーンが3分に1度は訪れるが、決まらない。原口は、決定的なチャンスを2度立て続けに逃した後(2度目はGKに当たった感じだけど)高原と交代。死ぬほど悔しそうな顔。良いね。これで悔しがれないFWはいらないよ。

 その高原入って、相手の攻撃の形が良くなる。初めての決定的なピンチから、立て続けに相手の決定機。その分カウンターの形も増えるが、パスの精度がない。ホントに、別のチームのよう。それを何とか凌ぐと、残り10分は相手のゴールの気配も再び消え、時間を消化して逃げ切り。

 高原が出てくるまでのレッズは、今期最高に近かったんじゃないですかね。あらゆる局面で圧倒していた。相手を窒息寸前に追い込んだ。そこで決めきれなかったからこそ、その後苦労したけど、最後の時間の消化の仕方なんか、レッズらしくない落ち着き。1−0だが見るべきモノは多い試合。

 しかし、エジミウソンは変わった。去年は「ワシントンの代役」としてのプレーを要求されたこともあるだろうが、運動量と、質が低く、時折見せるゴールへの嗅覚以外、怖さのないFWだった。今年は、フィンケが入り、背水の陣を敷いて、動きの質が格段良くなった。攻撃で良く動けるから、守備もしっかりする。そのお陰で、「王様」ポンテのサボりの被害が最小限になった。結果、サイドの選手が無理をしなくて良くなり、守備的MFの負担も減って、CBも余裕を持って応対できている。高い買い物が、見合った価値を見せつつある。

 エジミウソンがしっかり守備をすることで、一番活きているのは、実は、ポジションの離れている坪井。彼はCBとしては卓抜したスピードと読みを兼ね備えていて、一番の特徴はインターセプト能力。それが、去年は1対1の強さや、高さを要求されるような状況に追い込まれて、堀之内とかと比べても特に勝る部分のない仕事ぶりだった。しかし今年は中盤のチェックが早く、高い位置で機能しているので、その先のパスコースが限定できていて、しかも、距離がある。だから、坪井の出足を活かせば、容易にインターセプトできる。

 一方の高原。FWとしての本質を見失ってる気がする。彼に限っては、去年の方が動きの質は良かった。ゴールが伴わなかったのは、中盤の運動量と質の問題。今年は、中盤のケアが格段向上してるにもかかわらず、高原のプレーに迷いが見られる。強引に行く所、引くところの選択がいちいち間違っている。かなり深刻。彼が前線で意志に掛ける動きをするため、中盤以前の守備も不安定になる。守備もバタバタして、相手の決定機が増える。高原が居るだけで、チームが去年に戻る。

 日本人で最高のFWであることは間違いない。しかし今のままではトンネルを抜ける日は想像がつかない。何か、劇的に気持ちの部分で変化が起きるか、さもなくば、環境を変えるか…。少なくとも言えるのは、「このままではお荷物」という事実。どうする?

 FW族の病気にはゴールという「結果」が一番の特効薬。しかし、その薬が処方される前に、サポーターが病気になっちゃうよ。

 しかし、サッカーというスポーツが、いかに有機的かというのを、思い知らされます。FW取り替えるだけで、こんなに守備とボール繋ぎが変わるんだから。

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