- 作者: デイヴィッド・ウィナー,忠鉢信一,西竹徹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/09
- メディア: 単行本
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私が好きなナショナルチームはユーゴスラビア(あくまでユーゴスラビア)、アルゼンチン、スウェーデン、ポルトガル、スペイン、そしてオランダ。
オランダのサッカーは底抜けに美しい。オランダのオレンジは底抜けに明るい(同じ理由でヴァレンシアが好き)。そしてオランダのサッカーはとても脆く、儚い。いつも、最高の夢を抱かせて、あっさり散っていく。
この本は、そんな強く美しい敗者オランダをオランダ人の目で分析した名著。オランダの欠点をつまびらかに並べることで、逆にオランダサッカーの魅力を余すところ無く紐解いている。何故サッカーファンがこんなにもオランダに魅せられるのか。それはオランダが「最高の」「敗者」だからなのだ。その最高たる所以、敗者たらしめるメンタリティと国民性。この本を読んだことで、オランダサッカーがもっと楽しく、好きになる。
クライフの時代は映像でしか知らない。私にとってのオランダはファンバステンであり、グーリットであり、ライカールトであり。ファネンブルク、ニューマンやスタム、ヨンク、マカーイ、ファンニステルローイ、スナイデル、ファンペルシー、ファンブロンクホルスト、ゼンデン、ファンボメル、そしてコクーにオフェルマルス! 大好きな選手は一杯居るけど、私にとってのオランダはデニス・ベルカンプ。この本を読んで、またベルカンプのプレー映像が見たくなりました。飛行機が嫌いなエース。そんなアンバランスさが、また溜まらなく、オランダという「何処か欠けている」チームの魅力を際だたせる。
オランダ人が、自国の代表を「どうせ勝てないよ」と嘆息しながら評する様には「それでも俺たちの代表は美しいんだ、世界一…」という矜持が込められている気がする。フェルメールの国の人。レンブラントのサッカー。オランダは負けるからこそオランダ。散らないオランダはただの豚だ(!?)。オレンジの美学。その美しさを体感できる幸せ。オランダという国がサッカーをしていて本当に良かった。オランダのないフットボールなんて!
……とにかく、サッカー好きなら絶対読んで損しない本です。「MORBO」以来、自信を持ってお奨めします。
- 作者: フィルボール,Phil Ball,近藤隆文
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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その「MORBO」。バルサとレアルという2大クラブを軸に、スペインサッカーの面白さの詰め込まれた名著。これも読まなきゃサッカーファンじゃないぞ! あと今更ながら「オシムの言葉」「誇り」「悪者見参」の「木村ユーゴ3部作」もね。