バルサを観るという悦楽。

 仕事しながらBGVに流していたCL準決勝のバルサバイエルンH&A。いつの間にか見入ってしまっていた。

 バルサのサッカーにある他に類を見ないスペクタクルはなんでしょうね。勿論メッシやネイマールスアレスは凄いんだけど、彼ら抜きでもバルサバルサなんだよな。チームというケーキがバルサなのであって、あくまでメッシらはそのケーキを飾る最高の苺でしかない。単品で食べても抜群に美味しいんだけど、ケーキそのものに苺と一緒に食べることで最高に美味しくなるクリームが塗られている感じ。勿論スポンジも良い感じ。中に刻まれて入っているフルーツもしっかり存在感がある。

 レアルってチームはその対極。チームのためのスター、スターのためのチームじゃなくて、あくまでチームとスター、ないしスター寄せ集めのチーム。クリロナという苺はレアルマドリーというケーキに乗って、決してそのケーキを美味しくすることはないし、ケーキは苺の引き立て役でしかない。これがこの苺の一番美味しい食べ方だ、と言う満足感がない。苺の味しかしないか、クリーム味で苺が死んでるか。所詮、個人技による単発の驚き、興奮で、せいぜい噛み合っても個+個の2つまで。バルサのような3つ4つ、それ以上の個性が噛み合った爆発が生み出すスペクタクル、ってのは、私がサッカー観るようになってから25年、レアルというチームに対して一度も感じたことがない。ミヤトビッチであり、ジダンであり、クリロナであり、個人として強烈に思い出すシーンはあるんだけど、チームとしては殆ど印象に残らない。だから私はレアルが嫌い。スペインサッカーをつまらなくしているとすら思う。常にこれだけ金を掛けて、好き放題やって、この程度かという失望感がある。レアルのサッカーが楽しく感じるのは、弱い相手を蹂躙してるときくらいかな。負けゲームなんか目も当てられない。バルサは負けても楽しい。オンリーワン。

 さておき。メッシはどこまで行ってもメッシなんだけど、ネイマールスアレスが時に従になり、そこから突然主としての牙を剥いてくる瞬間ってのはたまらないものがある。彼らにとって今がベストチーム、ベストパフォーマンスだと確信できる。

 相手のバイエルンも素晴らしかった。やはりノイアーは90分観ていてずっと楽しめる世界唯一のGKだ。バルサに匹敵するケーキの質を持っているチームなのは確かだろうな。そしてもうひとつ、スペクタクルはないけどバルサを凌駕するケーキが自慢なのがユベントス。ファイナルは本当に楽しみ。スペイン、ドイツ、イタリア。この3つの国は世界をリードするサッカーを生み出す魅力がありますね。イングランドのチームはね。強い時でも一切感動できないのよ。勝ち上がっても、なんか事故が起こり続けてるような錯覚を覚える。ローカライズされたリーグの弊害かな。プレミアのゲームは面白いけど、国際試合はつまらない。ベスト8に1チームも残らない今シーズンの結果には、実に晴れ晴れとした気持ちになる。繰り返すけど、この素晴らしいシーズンのピークに相応しい試合になると良いですね、CL決勝。

 ちなみに私、リーガで一番贔屓なのはヴァレンシアなので、バルサに対しては常に苦々しく思っていますw それでも魅力にやられてしまうんですな。

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