ヴァレンシア−チェルシー セカンドレグ

 試合結果書いてます。ネタバレ注意(普段そんなことしないじゃん、と言われそうだが、トラバを飛ばすときには最低限、ね)。
 残念ながらヴァレンシアが負けて、CLへの興味はナビスコカップ以下になりました。もう何処が優勝でも良いです。最悪だったローマは消えたし。

 1−0になった時はこれで決まりかとも思ったんですけどね。アウェーゴールってのはやっぱり面白いなあ。toroneiさんも仰ってますが、確かに第1戦の興味を削ぐ部分はあると思います。というか、第1戦が「前半」、第2戦が「後半」という感じですよね。ハーフタイムで時間が空く、というのは「ダイヤモンドサッカーのようなものだ」と思って、わくわくしながら待つ、というのはどうでしょう? と提案してみます。私は、この「間」が好きですよ。さておき。「早々にリードして、絶対有利なはずがサッカーの質が落ちる」というのは、ヴァレンシアファンならばあの事を思い出さずにいられません。

 そうです、01年の決勝。あの時もバイエルン相手に、早い段階で(PKで)先制して、それがために「相手のリズムで試合をさせて、一瞬の隙をついて致命的な一撃を繰り出す」ヴァレンシアが、「とにかく守って、なりふり構わず逃げ切る」意識にとらわれてしまい、試合運びがおかしくなりました。まあ、あの時は「先制点直後に相手がPK外す」という、特殊な流れではあったのですが。このチーム、伝統的にリードされてる状態、または同点ではめっぽう強いですが、早い時間にリードするとおかしくなるんですね。あの試合も「ヴァレンシアだから」ああいう流れになった、と今では思ってます。

 案の定、シェヴァの同点ゴール(アウェーゴールという意味で真の同点ゴール)が入った時点で、もう負けたも同然でした。完全に心折れてましたね。むしろ、良くあそこまで耐えた。まあしかし、ヴァレンシアというチームの「真の王者」への道のりは、越えねばならない高く大きな壁が存在することを、改めて実感した試合でしたね。

 相手にエッシェンが復帰したことも大きかった。これで中盤のパワーバランスがチェルシーに傾いた。勿論、フルメンバーならば、という気持ちはありますが、CLの終盤が消耗戦になるのはいつものことで。それに耐えうる足腰が、まだ(そして多分ずっと)ヴァレンシアにはない、という現実を再認識させられました。UEFAカップに出たときの爽快極まりない戦い方。やっぱりCLとUEFAカップは全く次元が違います。

 ヴァレンシアが本当に強い時、というのはアウェーでびっくりするくらい強い勝ち方をするんですよね。アウェーでドロー、って段階で(一般的には第2戦ホームを残してる分圧倒的有利ですが)ヴァレンシア的には黄信号だったのかもしれません。

 それでも、面白い試合はCLなら初期〜中期に多いし、CL<UEFAなのはまちがいない所なんですよね。CLのトーナメント以降は、心揺さぶられるゲームは多いけど、面白いかというとあまり。そんなわけで(負け惜しみですが)UEFAを楽しみたいと思います。

 余談ですが、あちこちで「ヴァレンシアがスペイン最後の砦だ」みたいな記事を目にしましたが、これってスペインサッカー好きなら絶対言わない発言だと思いません? バルサ、レアルとヴァレンシアはチームとしての立場が違いすぎます。ビッグ2は「スペイン代表」だけど、ヴァレンシアは違う。その間には、「スペイン」という垣根と全く別次元のはっきりとした境界線があります。「スペイン勢」という括りはとても違和感がある。こういう人は、大概がバルサファンかレアルファン。私のような人間や、アトレチコセヴィージャ、デポルのファンは絶対言わない台詞です。バルサとレアルは「空気が違う」と感じますが、日本にいるサポまでそう、ってのは面白くもあり、理解できなくもあります。

 しかし、ローマはなんでしょうな。それならもっと早く負けておけ、と。スパレッティの手腕は見事ですが、「トッティがいる限り優勝は無理」と改めて声を大にして言いたい。トッティとか、クライファートとか、こういう「空気読めない選手」は、プレイヤーの質云々以前の問題ですから。アスリートとしてのトッティはスーパーだけど、サッカー選手としては一度も良いと思ったことがない。

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