最終節。

 途中までは今年のレッズを象徴するような展開。ボールへの出足も良いし、パスも良く繋がるけど、最後の崩しのパスや、クロスに意図が希薄。痺れを切らして闘が上がるとバランスが悪くなって、攻撃が単調になっていく。それでも相手のカウンターもしっかり封じていたし、個人個人の「やる気」は相当感じられた。1点取られて、暫しの間受け流されたけど、セルが入ってからはまた気持ちの篭もったプレーで鹿を追いつめた。ロスタイムも含め最後10分はここ最近のJでも一番見応えがあった。それでも耐えきった鹿は立派。今のJ1での3連覇は偉業と言うしかないでしょう。素直に脱帽。

 鹿の強さは、やっぱりクラブとしての、(特にフロントの)安定感ですね。主力が抜けても、監督が替わっても、成績が上下動しても揺るがないベース。いちいち細かいことに一喜一憂する浦和とは真反対。真似できるモノではないし、真似しても仕方ないけど、見習う部分は多い。鹿と浦和の間には「強豪」と「一発屋」とを分ける、深くて広い川が横たわっている。これを渡るには、個人がしゃかりきに泳ぐのではなく、クラブとして渡し船を作る意識が必要。犬飼前。犬飼時代。暗黒期。今。なにも継続されていない。鹿に追いつくには、まだ5年10年は掛かると痛感した。そして、フロントも選手もサポも含め、皆が同じ気持ちじゃないと、10年後も同じだけの差があるか、広がってるだろうとも思った。先へ進むには、まずは勇気を持って、しっかりリセットボタンを深押しするところから始めるべき。3歩進んで3歩下がる「継続性」よりも、新規構築の方が、完成は早い。まあ、どっちを望むかは、人それぞれなんですけど。ウェットな感情と同朋意識を優先して、5年10年先の大願より、日々の結果を望むのも「間違い」とは言いきれない。結果、同じ所をぐるぐる回ってても、愛があればいいのかも知れない。そこに私の望む姿は投影し得ないけど、大多数がそれを望むのであれば、仕方ないかも知れない。ネットを見てると、私も含め、両極端な意見が多いけど、ネットの意見なんて、統計では本来切り捨てるべき1と10しかないしね。間の2〜9をクラブがどう感じ取って、導くか。1と10の言うこと聞いてたら、どんな企業も潰れちゃいますからね。

 しかし闘は最後まで闘。やたら攻撃でボールに触りたがるし、カウンター食らってても平然と歩いて帰ってくる。サイドから上がられると簡単に釣り出される。マルキとコーロキ居るところにお前居なくてどうするのよ。1対1は抜群に強いし、足元も上手いし、ヘッドは最高に強いけど、現代CBとしてはスピード不足だし、攻守共に視野が狭すぎるし、何より責任感という言葉をはき違えたプレーヤー。攻撃時に気持ち込めるのは良いけどね。阿部ちゃんと啓太の2人を犠牲にして、ツボに多大な負担掛けてるんだから、気持ちだけじゃあ足りない。より高いレベルに行くと、かえって欠点よりも長所が際だつかも知れない。日本ほどチヤホヤされないし、回りもカバーしてくれない中で、エゴを貫けるか。是非貫いて欲しいけど。ある意味、楽しみ。スペインのずる賢いFW群を相手に何が出来るかは、見てみたいな。

 ポンテや高原も含め、結局、フィンケはスタープレーヤーを全く使いこなせなかった。中心選手の居るサッカーは出来ないことはこの1年で分かった。ならばせめて、「過去の遺産」とは言え、有効活用しないのであれば、きっちり飼い殺して欲しかったけど…。来年はもう言い訳は利かない。フィンケのサッカーを結果として結実させて欲しい。とにかく、フィンケのサッカーの「理想形」は非常に期待が持てる。今年は30〜40点。来年は70点は目指していただきたいですな。

■広島柏木が浦和移籍へ、5日京都戦最後か

 こんな話もありますけど。前に言ったけど、話に上がった金崎・柏木・香川の中では一番柏木がレッズに合うと思う。プレースタイルもだけど、性格的に。本人のためには、広島にいた方が良いサッカー、良いアピールできると思うけど、「ステップアップのための踏み台」としては、レッズが良いのかもね。まあ、結果待ちで。

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