光の裏には影と闇。

 雑誌によると、ファストロックはダービー卿CTを目指すべく、もう戻ってきているようですな。何故また中山のマイル?

 A.カズーだから。

 昨年暮れのレースで、この条件ではOPでは通用しないだろうと予測は付くけど、まだ使うんだなー。決定的に「中山マイルは合わないようです」とコメントできるレースになるまで(他の言い訳材料が無くなるまで)諦めないのかな。より向く条件がローカルにあるのにな。何故登録すらしないんだろう?

 A.カズーだから。

 前回は2/21に戻って2週でレース。今回も21日前後に(恐らく)戻って約2週でレース。その前は中1週で重賞出て不良馬場のレース。11/30に復帰戦を使ってから、まともな休みなしで5戦。次で6戦目。約4ヶ月強で6戦目。しかも2つは不良馬場。到底、先のある馬の臨戦過程ではありませんな。ある意味、タフなロックですけど、あくまで「表面上」のことで、内面の勤続疲労がどこまで解消されているのか、はたまた進行しているのか……。

 先週はレッドスパーダがクラシックの本道で鮮やかなレースをした一方、良血馬ココベリは世界の青木でひっそりデビューして10着。下手な鉄砲(しかしいずれも超高級品)を数撃って、幾つかのクリーンヒットがわーっと華々しく喧伝され、その一方で的に当たらない銃はどんどんうち捨てられていく世界。使ってる内に壊れるような銃は実用に足らないと言ってしまえばそれまでですが、まともな手入れもしなければ、名品も粗悪品もいずれ壊れる宿命。捨てられた銃の中に、どれだけの名品が混ざっていたことか…。

 この厩舎で、キャリアを全うした馬ってのは、ゼンノロブロイシンボリクリスエスのような活躍じゃなくても、ある意味では「名馬」と呼ぶに値します。ゼンノロブロイはキャリア20戦、シンボリクリスエスは15戦。これが「光の名馬」の使い方。トレジャーは43戦。キングストレイルは長期休養を2度挟んで30戦。これが「影の名馬」の使い方。カズーの中には、何処かの段階で、明確な線引きが為されて居るんでしょうな。この厩舎には叩き上げのエリートは存在しません。入厩馬は全てエリート。その中で、エリート街道から脱落していった馬の一部が、影に回り、残りは闇……。他の厩舎だって、勿論活躍馬と、自己条件で頑張る馬と、故障馬や引退馬が居るわけですが、とにかくカズーの闇は質が半端ない。フォアグラやA5ランクの牛肉をバンバン生ゴミに捨てるレストランのよう。それでも予約で一杯だし、庶民は「いつかあのレストランに行ってみたいね」と憧れる。結構なことです。

 5ヶ月の骨折休養を挟んで、実質14ヶ月で15戦しているファストロックの行く末はどこへ。光じゃなくても良いです。ロックが、スパーダが、名馬であることを心から祈ります(スパーダはここまで、クリスタルウイングに近い戦績を、しかも早い段階で残しているので、間違いなく光の名馬路線をずんずん進んでますね。ガンバレ〜)。

 かきいれ時の夏を前に、壊れないことを祈るばかりです。これで夏秋全休で冬復帰してまた無理使い、とか最悪っす。せめて、ハンデ軽いと良いね……。

 まあ、使われなきゃ、使われないで当然不満は出るし、文句も言うわけで。思惑通りに行くことなんか、滅多にありませんな〜。今現在、不満が「少ない」状態で使って貰ってる馬の調教師にはホント、感謝しなきゃですよ……。

追記:クラブコメント
【3月17日】
 レース後は、ミホ分場へ直行しています。
「脚元や背中など、レース直後だけにそれなりの疲れはありますが、本馬の競馬後の状態としては、比較的ダメージが少ないほう。不良馬場のため、ガタッとくるほど力を出し切れなかったのかもしれません。いつものようにレースから4〜5日間は、ウォーキングマシン運動のみでリフレッシュさせてあげたいと思います」(吉岡担当)

【3月24日】
 20日(金)に美浦トレセンへ帰厩。現時点で出否は流動的ですが、まずは4月5日(日)中山11R ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ・芝1600m)に特別登録を行う予定になっています。

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