アメリカの壁。

 女子サッカー(なでしこって単語の飽和状態に拒絶反応)。アメリカはやっぱり強いなあ、と痛感する試合でしたね。

 女子のサッカーは基本的に「ミスのし合い」になる。真っ当に崩してゴールになることは極々稀。チャンスは原則的に相手のミスからのカウンター。そこで更に守備のミスが重なるとゴールになる。日本は、1つ目のミスの後のケアがしっかりしたチームだと思う。それだから、明らかに実力が上の相手にも結構勝てる。

 しかしアメリカというチームは1つのミスを致命傷にしてくるパンチ力がある。女子サッカーの域を超えたミドルシュート(男子アメリカ代表よりシュートは上手いんじゃないか)。1人目が潰れたボールを必ず競りに来る2人目。2人目が競った零れ球に必ず飛び込む3人目。そう言ったお約束が徹底されているので、他のチーム相手では致命傷にならない隙が致命傷になる。はっきり言って、別にアメリカの選手は上手くはない。技術・戦術はブラジルやドイツの方がずっと上だと思うけど、やっぱり強いのはアメリカだなあ、と。男子サッカーで言うと、イタリア的でかつ旧ドイツのしたたかさって感じだろうか。

 アジアの女子サッカーがその域に達することは、当分無いと思うので、今後も世界のベスト8までは時折いけるだろう。その先はアメリカ・ドイツ・ブラジルの「3強」の壁。沢という突然変異が居なくなった後、層は厚くなって底上げはされても、壁の高さは増す気がする。男子以上に「世界の壁」は厚い。

 あと、「女子サッカーは凄い、それに比べて男子は…」という論調はサッカー知らない人しか言わないので、新聞などの記事にあまり影響されないように気を付けて欲しい。サッカーの男女は完全に別の競技だ。サッカーとフットサルほども違う。レギュレーションも選手層も全然違う。女子の頑張りを低く見る気は全くないが、それを基準に男子サッカーを語るのは幼稚に過ぎるだろう。頂点までの距離が近いのは間違いなく男子の方だ。ただ、頂上との間に3チームしかいないか、30チーム以上いるかの差。野球とサッカーの関係にも同じ事が言えるだろう。そして男子サッカーの五輪は「前座」。W杯予選も見ましょう。あ、やっぱあと2年は見ないで良いよw つまんないから。

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