素晴らしいタレントだけに、来てくれるのは嬉しいけど、本人には追い風となる状況が２つ。
１）オジェックの存在
言うまでもなくこれが最大の癌。軍曹肌のオジェックは意固地になったように頑なな選手の使い方をする。今年１年、あれだけハードな日程の中、若手でこの「いじめ」を超えてきたのは細貝ただ一人。若手にとってこれほどメリットのないクラブも少ない。その点を分かって、かつ「超えてみせる」という気概が梅崎君にあるかどうか。
２）長谷部の状況
当初は「欧州移籍確実の長谷部の後釜として」、かつ「ポンテの怪我が癒えるまでにクオリティを落とさないため」に獲得を目指していた選手の筈。しかし、長谷部の状況が一変。シエナはＥＵ圏外枠を空けて待っているはずが刹那的に埋めてしまい、完全移籍での獲得を断念する風向き。長谷部サイドの代理人は継続して移籍先を探るようだが、何せこの時期、欧州のチームとしては即戦力を求める状況。アジアから来た、国際舞台実績に乏しい長谷部のセールスポイントは少なく、「こちらからのアピール」ではどうしても後手、下手に回ってしまう。それでもレンタルで移籍強行という線もあるが、長谷部にメリットがない（勿論レッズにも）。結局、来夏の移籍を目指して残留となるのではないか。
そうするとオジェックにとっては分かりやすい。夏までは長谷部をトップ下で酷使できる。どうせ出て行く選手なのでコンディショニングを年間視野でする必要がない。長谷部が出て行く頃にはポンテも戻ってくる。長谷部が機能しなくても小野と山田ノブが居る。梅先に目が届く状況かどうか。
というような感じで、梅崎にとっては結構リスクの大きい移籍になる。勿論、上手く行ったときの見返りはＪのどのクラブに行くよりも大きかろう。逆に失敗すれば、赤星や中村と同じ「陳列棚」で、カウンターの商品が品薄になるのをじっと待つしかない。
成功の可能性を高める術はある。細貝同様、五輪というアピールの舞台がある。柏木が存在感を大きくしており、そちらも険しい壁だが、五輪で活躍すれば、それがオジェックの目に留まり、レッズで使われるという細貝の流れもある。自分のクラブの監督にアピールするのに、普段の練習より代表戦の方が効果的というのも馬鹿げた話だが、事実なのだ。
まあともかく、歓迎。梅崎は長谷部をトップしたから追い出す仕事をして欲しいし、無論ポンテ復帰後も安易にベンチに戻せないような活躍・サポーターの支持を取り付けて欲しい。その存在が赤星、中村らのタレントに危機感を与えればなお良い。赤星と中村は今年、レンタルで外に行った方が良い気もするけどね。
ＦＷ（エジミウソン）、ＯＭＦ（梅崎）とこれで２つ手を打った。だが一番必要なサイド（特に右サイド）とＣＢはまだ。ＣＢは出戻りの近藤に期待できるが（ポテンシャルは現スタメン以上と期待してる）、闘が錯乱した際に諫められるベテランＣＢ、出来れば外人が欲しい。更に出来れば欧州人ないし欧州リーグ経験者。私の頭にはストヤノフという選択肢もあるが…ないだろうなあ。ボランチは阿部が専念することで問題ないと思う。今野は良い選手だがレッズに絶対必要というわけではない。来れば間違いなく活躍するけど。
