王の引退。

中田英寿、引退。

ええ、早いとか、潔いとか言われていますが、私的には「遅かったんじゃない?」と言いたい。偉大な選手としてはここ4年のパフォーマンスは寂しかった。勿論、日韓大会後の引退では「早すぎる」と言われたでしょうが、02年には既にピークを過ぎていた。ベテランは頭脳で身体の衰えをカバーするモノだが、ヒデの場合は、肉体的には向上しつつ、頭脳の柔軟性が急速に無くなっていった。嗅覚・判断能力が酷く落ちた。最高の武器であった感覚の鋭さを失ったヒデは只のエゴイスト。海外クラブ(しかもBクラス)でも通用しない状態では居ても仕方ないし、彼の性格を考えると国内に帰ってきても得る物はなかっただろう。引退以外の道はなかった。残念ながらここ4年のヒデは代表にとってマイナスの存在だった。それはヒデが悪いのではなく、周りのメンタリティが余りにドメスティックなせいだけど。

ここ4年のヒデを良しとするので有れば石にかじりついてでも10年を目指して欲しかったし、有言実行で行くならば02年に引退して欲しかった。今のタイミングは中途半端なのだ。

だからと言って、10代からローマ時代までに欠けての彼の素晴らしいパフォーマンスを否定する気はない。ピークのヒデは日本サッカー史上でも燦然と輝く最高のコンダクダー・プレイメーカーだった。特にフランス大会後〜ローマまでのヒデは世界の10指に入るミッドフィールダーだった。

ヒデが代表を抜けることで、チームの安定感は増すだろうが、最高時のヒデを越す素材は向こう10年は出てこないだろう。世界に通ずる技術と世界最高のメンタルを備えた背番号7に敬意を。

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