ブルーメンブラット第2の人生へ

■心の中に永遠なる花を - ブルーメンブラット、引退へ傍観罪で終身刑

 ブルーメンブラットの引退が決まったようです。ソースはクラブ公式。非出資者ですし、引用する資格はありませんので、出資者であるSouthendさんのブログにリンクさせて戴きました。詳しくは上記をご覧ください。

 バランスオブゲームの時と言い、馬券的なお手馬にして、応援してきた馬が引退する瞬間は寂しいものです。しかし、バランスがG1に届かなかったのに対し、ブルーメンは最後のレースで最高の結果を出してくれました。5歳牝馬。勿論、今がピーク、ないしピークへ向かうところであるし、勿体ないという気持ちは否定できません。ただ、明け6歳牝馬にして、本質は1400のスペシャリストであるこの馬が、今後向かう先は選択肢に乏しい。それに、どれだけ頑張っても、マイルCSの功績を更に上回ることは難しいですし、それならば既定通り、ここで繁殖へ入るのはベストの選択肢だと感じます。「まだ稼げる」という気持ちは消せませんが、それ以上に「良くやってくれた」が上回る、と言うのが、関係者の、今の気持ちなのでしょうね。良い決断です。

 G1をいくつも勝つような馬を「稀代の名牝」と定義するならば、ブルーメンは「稀代の」が付かない馬なのかも知れません。それでも、3歳春からクラシック戦線を賑わせ、古馬になっても重賞戦線に常に顔を出し続けて、最後に決めた重賞連覇での戴冠。特に、マイルCSと言う牝馬には厳しいレースを勝ったこと。最強世代と言われる1つ下。同期にはキストゥヘヴンカワカミプリンセス。上にはデアリングハートアドマイヤキッス。贔屓目かも知れませんが、ノーマルな世代に生まれていれば、もう少し楽に重賞をいくつか勝っていたでしょう。個人的な思い入れも込みで、私の中ではノースフライトシンコウラブリイらと比肩しうる素晴らしい馬でした。私の競馬史で、好きな牝馬ベスト10を挙げれば、今は確実に入ってきます。そこまで思い入れのない人の気持ちの中にも「最強牝馬時代の、最高の脇役」として、残り続ける資格はある馬でしょう。まごう事なき、「時代の」名牝です。

 この馬の競走生活と、それを支えた厩舎、見守った出資者、全ての関係者に心から祝福を送りたいと思います。そして感謝も。思い入れの持てる馬の存在する競馬と、そうでないそれとでは、楽しさが全く違ってきます。私も、新たな「お手馬」を探さないと(と言いつつ、ブルーメンでは単勝収支マイナスなんですけどねw 複勝入れてトントン、昨年の阪神Cや今年の阪神牝馬Sの馬券も入れればやっとプラスくらいかな〜)。

 一口者としても、手の届くところからこういう馬が生まれた事実はとても心強いです。シーザリオ然り。キャロットクラブには、庶民的な夢もあるのが良いですね(勿論、全てが良いことばかりではなく、G1馬に出資された皆様も、苦しみに耐えての栄冠なわけですが。私は苦しみが足りないかな…)。

 あとは、ブルーメンの活躍で、Southendさんの美文を久々に堪能する機会に恵まれ、そっちにもちょっと感謝していますw これからも「読ませる」文章楽しみにしています。

 私は、中孝介の「花」をブルーメンの引退に手向けたいと思います(歌詞)。花の咲き誇る姿を永遠と願うのが人なら、その花が枯れても心に鮮やかに咲かせ続けることが出来るのも人。ブルーメンの勇姿は、引退してからも、子供が産まれて、デビューしても消えず、いや、その都度鮮やかに私の、皆さんの記憶に蘇り、艶やかな姿を見せてくれることでしょう。花のように、花のように。ただそこに咲くだけで美しくあれ。その花を心に宿すのは、人。競馬場という戦地を馬が離れても、その馬がもたらした風は止むことなく競馬場を、競馬ファンを揺らし続けます。スポーツ選手の引退もそうですが、競走馬、特に牝馬の引退は、続いていく「系譜」の、一つのピリオドとして、何とも言えない感慨がありますね。だから、競馬が、大好きなのでしょう。

 この馬の2世には、出来れば出資してみたいですね。

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