W杯予想、現時点の総括。

というわけで、先日までに「予想」を書いてきましたが、かなり自分の「願望」と「贔屓」も含んでいます。ですので、今少し冷静な目で、ランク付けに伴う、優勝確率のリストを挙げて、ひとまずは現時点の総括にする。来年3月4月頃に各国の最新事情を踏まえて差分予想を挙げる。


◎本命:ブラジル/優勝確率41%
やはり大本命。歴代のブラジルと比べても圧倒的な攻撃タレント。特にロナウジーニョアドリアーノの2人は現時点での地球最高プレイヤーで、今大会を通じて歴史的なスーパースターになる可能性を秘める。反面、守備のレベルは低いと言わざるを得ず、言うならば「ケミストリーの抜群に良いレアルマドリー」といった風情。優勝するためには、予選を鼻歌交じりで、かつ予備戦力のテストもしつつ通過して、決勝Tを圧倒的なブラジルベースで押し切ること。隙を作らず、押し切るという作業はこのレベルのチームにとっても容易ではなく、各試合(決勝T)の成功率は80%と見る。なら優勝は80%かというと、そうではなく、0.8の4乗=約41%程度の確率が妥当な評価だろう。ホッキ・ジュニオールの位置に若い良いDFが台頭できれば、そしてロベカルカフーが控えに回れる「突き上げ」があれば+20%。

○対抗:イタリア/優勝確率25%
対抗馬はイタリア。戦力の層が厚く、ユーロ以降の新星の台頭が著しい。加えてリッピ体勢の安定化が好循環をもたらしており、W杯に向けてピークを持ってこれそう。致命的な欠陥はエースのトッティで、この超一流の才能と3歳児の知能を併せ持つ中心選手が間違いなく不安要素。確かにフィットした時のプレーはスーパーだが、平均値で言うとBクラスの選手に過ぎない。ならば復調なったデルピエロピルロにチームを託した方が安定度を増し、パフォーマンスの平均値が劇的に向上するだろう。リッピがその決断を下せるか。その確率=優勝率と見てこの数字。

▲単穴:アルゼンチン/優勝確率15%
総合力では今大会最強チーム。GKからトップまで穴らしい穴が無く、控えにも同等のポテンシャルを持つ選手が並ぶ。それだけに纏まりに不安を抱え続けていたが、ペケルマンの元安定感が増している。欠点はイタリア同様エースのリケルメ。せっかくの身体能力/モビリティに優れ、集中力の高い、上手い狡い選手が揃うチームにおいて、リケルメの、魅力的だが古風かつ淡泊なゲームメークがチームの勢いを削ぐ可能性はぬぐいきれない。リケルメを捨て、アイマール辺りに託す確率。イタリアのそれと比較した際、ペケルマンの信頼度を考えると半分以下。元々の総合力が上なことを加味してもこの数字。

△穴候補筆頭:スウェーデン/優勝確率8%
総合的なチームのバランスとクオリティではこの国とメキシコが白眉。ポテンシャルに勝るスウェーデンを上位に。2トップも素晴らしいが、DFも好選手が揃い、連携も完璧。サイドアタッカーのレベルも高く、センターの選手の危機管理能力も高い。何か歯車が噛み合えば突き抜ける魅力がある。しかしW杯には「優勝経験国および開催国以外が勝てない」という近代サッカーの事実も厳然として横たわり、確率的にはこのくらい。

△穴候補次位:メキシコ/優勝確率3%
とにかくサッカーの質が高い。今のメキシコを見て、ファンにならない奴はサッカー見るのをやめた方が良い。反面スケール感に欠けるのは否めず、上へ辿り着くには、メキシコより上位に予想した国の躓きも必要。とにかくこの組織的な美しいサッカーは一人でも多くの人に見て貰いたい。自分も、この国とスウェーデンを生で見る魅力に、ドイツ行きを諦めきれないで居る(仕事がなあ…)

△穴候補3位:ドイツ/優勝確率3%
開催国のアドバンテージは大きい。前回の韓国を見れば分かる。全てにおいて恵まれるし、チームに上昇量があれば、それを全ての要素がサポートしてくれる。現状のドイツには、守備の低劣さや、ラームの復調度合いなど、不安要素の方が多く、到底優勝する力があるとは思えないが、前線の素晴らしいタレントが本番までにリーグで調子を上げ、バラックが過去最高のパフォーマンスを示せれば、不可能ではない。サイドアタックは大会屈指の魅力。特にシュナイダーとダイスラーのクロスは優にベッカムを凌駕している。必見。

△△穴候補ラスト:イングランド/優勝確率2%
タレントはいるが緩慢な(約束に乏しい)守備と、王国の伝統が無く低レベルのGK。右サイドの衰えなど、マイナス要素が多く、普通なら優勝は不可能。しかしジェラード・ランパードとFWのインパクトは強く、何かしらのシャッフルがあれば優勝候補に化ける可能性がある。すぐに思いつく「メス」は右のG・ネビル、ベッカムを除外し、使える選手に置き換えること。ベッカムの代わりはライト・フィリップスで問題ないが、右サイドバックがいない。A・コールが間に合うかも含め、本番までに新星の登場が最低条件。

△△△大穴:オランダ/優勝確率1%
若手とベテランが融合し、魅力溢れるチームを作り上げたファンバステン。その手腕に好感を持ち、敬意を払いつつ、しかし「優勝」となるとそこはオランダ。厳しいグループを突破し、全てが噛み合ってもベスト4が妥当か。08年のユーロ、10年のW杯へ向けて見ておきたいタレントは星の数。特にスナイデルとデヨンク。各国リーグでもあまりじっくり見たことがない。楽しみ。

△△△大穴:ポルトガル/優勝確率1%
フェリペの作り上げた攻撃的なチームは、04年で素晴らしい成果を上げた。あの時から比べると、代表とクラブで華々しい仕事をやってのけたマニシェの低迷が痛く、年を重ねた主力のバックアッパーの成長も思ったほどではない。特にC。ロナウドが今ひとつ突き抜けていない事と、FWの底上げの無さが痛い。ポスチガがブレイクすれば、DFラインは堅牢。ひょっとしたら…。

△△△大穴:スペイン/優勝確率1%
まあ、正直スペインは「優勝」というテーマで語るなら、32チームで真っ先に消しても問題ない。とにかくチームとしての完成度が上がらない。スペインという国の整形要素が原因にあるのだからこの問題は永久に改善しない。それでもタレントは流石で、デルオルノやレジェスら新戦力の成長もあり、ユーロ以上のチームとなっている。シャビが欠けた穴を埋めることが出来れば、災い転じてブレイクのきっかけになるやも。

あとは0%。フランスは老朽化著しく(若手は良い選手多いんだけど)、チェコは悪い位置に入った。あとはコートジボアール。素晴らしいチームで、予選を突破できればその勢いに乗って大会を攪乱してくれそう。個人的にはセルビア・モンテネグロだが、突き抜けるには大エースの不在が。スタンコビッチが突き抜け切れていないのが辛い。

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