2006-07season Liga Espanola編

今日から何回かに分けて海外リーグのプレビューを。ここ10年前後私のまずは最注目リーグであるリーガから。

優勝候補筆頭がバルセロナであることは疑う余地無し。テンカテが去った事による、修羅場でのメンタルコンディションの不安はあるが、自信を付けたライカールトが一本立ちしているし、大丈夫だろう。

補強も的確。プジョルマルケスの2人に依存していたセンターにテュラムを、波の激しいベレッチ頼みの右にザンブロッタを加え、ゴールからトップまで隙のない布陣が出来上がった。共に経験値の非常に高い選手で、ケミストリーの不安も少ない。

ラーションというジョーカーが抜けた穴にグジョンセンという補強も的を射ている。今のバルサには、相応しいと思える選手の中から、よりバルサでのプレイに熱意を持つ選手を選べるメリットがある。これこそ、低迷期も通じて魅力あるサッカーに拘り続けてきたバルサのみが持ち得る、世界唯一の武器。私のようなバレンシアファンも惹き付けて止まないもの。

若手のバックアッパーも充実しており、ほぼ死角無しと言える。数少ない懸念は過密日程による怪我(ただそれはどのチームでも同じ)と、ひょっとしたら初の海外プレイとなるザンブロッタのスランプ、ロナウジーニョの存在。最高のカリスマであるロナウジーニョの輝きは周囲の献身に支えられていることは、あの肥え太ったカナリアの醜悪なプレイを見れば明白。昨年陰のMVPに甘んじたエトーが何処まで引き立て役扱いに耐えるか。マスコミは盛んに彼らを割こうと画策してくる。ライカールトのマネジメントが問われる。あとは違いを生み出せる選手デコが無事に過ごすこと。

対抗はレアルマドリー…と言いたいところだが、カンナバーロという世界最高のセンター、エメルソンという中盤の要、そしてカペッロの采配をもってしてもここ数年の「最低のチーム」の汚泥を掻き出し切るにはもう一年掛かる気がする。不安要素は残留を表明した左のダルマ。彼とニステル獲得で完全に不要になったFWを排除すればチームの風通しは一気に良くなる。彼らはベンチに置いても澱みになる可能性がある。

冬の移籍までにダイエットを進め、そこで左サイドに的確な補強できれば、一気にバルサを追撃できる。逆に贅肉取り、冬の補強の苦労するようならCL圏外も。ベテランも若手も充実しているが中堅が少ない。カンナバーロは期待に応え、MVP級の働きをするだろうが、周りの峠を越えた選手、ないし伸び悩んでいる選手がどれだけ彼の助けになるだろう。中堅、特にグティと新加入ディアラの奮闘期待。

愛するヴァレンシアはアイマールとの決別で黄金期からの線引きを終えた。ビジャとモリエンテスのFWは強烈だし、限りなく現実に近づいているホアキンの加入が実現すれば、層の面でも不安は減る。あとはアジャラの残留叶えば、必ずCL出場権は確保し、あとはバルサの躓きを待つという体制に入れよう。

ヴィジャレアルは昨年のチームを維持し、効果的な補強をした。特にFWニハトと、リケルメのバックアッパーになるカニはチームの底上げに大きい。ピレスは故障が不安だが、確実に貢献できる選手だし、ソリンもいる。CLに出られなかったことが、結果としてリーガに集中出来るメリットを産み、3強に何かあれば食い込む可能性を大いに感じさせる。

毎年大きな期待を集め、失望で終わるというアトレチコのシーズンはすっかりおなじみのモノ。これはもはやキャラクターとも言えるモノで、脱却は相当に困難。それでもアギーレと言う心中に足る名将を得、トーレスの残留、アルゼンチンの宝石アグエロバレンシアのスター・ミスタ、中盤の核になるコスチーニャなど期待の募る陣容。逆に言えばこのメンバーで歴史を繰り返すようならば…。要注目。

サラゴサカップ戦で驚きを提供した昨年のチームに、念願の頼れる中盤が加わった。ディエゴ・ミリートとエヴェルトンの2トップはリーガ屈指。それを操るアルゼンチンのファンタジスタデュオ。少し攻撃偏重のチームだが、それだけに魅力は溢れる。個人的にもアイマール加入、ガブリエル・ミリートの存在もあり、ヴァレンシアと並び、応援したいチーム。

UEFAを制したセヴィージャも底上げに成功している。サビオラの穴は大きいが、チェバントンを獲得して最小限の被害に留めたし、中盤にポウルセンを得、安定度はかなり増しそう。守備に安定感出ればCL出場圏獲得も夢ではない。

オサスナは昨年が抜群に良かったが2年連続はどうか。出足が肝心。CLで消耗すれば降格圏もあり得る。デポルは栄華を極めたイルレタ時代の遺産で食いつなぐことを良しとせず、ドラスティックに改革を行うようだ。今年は厳しいかも知れないが、その戦い振りには注目。マジョルカはマキシの獲得で前線に軸が出来、一気に上昇する可能性を秘める。エスパニョールも安定したチームカラーにルフェテなどの新戦力が早く馴染めば、上位に顔を出しそう。

昨年前半戦を賑わわせたヘタフェは降格しないことが目標になりそうだし、他のチームには現状サプライズの予感はない。ビルバオベティスソシエダ・セルタらリーガの顔と言えるチームも今年は苦労しそうだ。それだけレベルの高いリーグ。10チーム以上が欧州を本気で狙えるリーグは世界でもここだけで、それだけ消化試合の少ない面白いシーズンが期待できる。

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