ゴティックメード


 観てきました。以下、ネタバレ注意&アニメor永野護に興味ない人はスルー推奨。

 アニメというものにはほとんど興味のない私ですが、エヴァとファイブスターは別格。それでも「ゴティックメード」はFSSの脱線に金を払うのが永野の自慰行為を肯定するようで不愉快だったのでお金を払いたくなかったのですが、上映後見に行った知人に「FSSのプレビューとして1800円と70分を割く価値有り」と説得され、本日見に行ってきました。

 まあ、聞きしにまさる永野護の自己満足映画ですね。短編ストーリーテラーとしての無能さをさらけ出したグズグズの構造。川村万梨阿が使いたいだけの無駄なシーンに大量に割かれた尺構成。「ユリイカ」に元々30分のものを70分にしたと自慢げに語っていましたが、40分無駄なシーンを削ってショートムービーにした方がまだマシだったでしょうね。戦闘のボリューム希薄。映像の美しさは空回りしっぱなし。

 FSSファン目線で見ても、フィルモア創世物語というストーリーの骨子が序盤、というか、主人公の一人のキャラデザで分かる上、随所に匂わせるキャラクター、シーンがあるのに、それを説明せずに綺麗に終わっていれば後述のFSSファン向け蛇足サービスもまあ良しとするのに、エンディングの後のエピローグで自慢げにその設定をひけらかすナンセンス。蛇足、蛇足、蛇足のオンパレード。これがFSSという神話の担い手である「神」の所業と割り切るのは簡単ですが…。


 とにかくね、永野護という人が長い時間を無駄な自慰行為に割いた結果を確認するだけの映画でした。それでも、それでも恐ろしいのは一般映画ファン、アニメファンにとっては駄作中の駄作でしょうし、ただのFSSファンにとっても駄作に過ぎない本作「ゴティックメード」ですがFSS信者にとってはまさしく1800円と70分を浪費するに値する作品であるということですね。魔導大戦でも中軸を担う一つであろうフィルモアの創世物語。ダイグそっくりの男主人公。ナイアスを想起させる帝国の女騎士。巫女の存在と帝国(フィルモアとマグダル)。一瞬かつ一回のみだけどMH(GM)の戦闘。システムカリギュラとエルディアイとバングドール。エルダードラゴンと炎の女皇帝とヤーンっぽい人。エピローグの、クリスティンと町と、ダイ・グのようだけどそうじゃない皇帝風フィルモア騎士と、ファティマ(ジィッドとニナリス? それともカレンダーで触れられていた人?)。皇帝衣。花の詩女とハスハの巫女。劇場から帰ってDESIGNSを読み返すと「なるほど!」としっくり来るカテゴライズと、益々良く分からなくなる伏線…。

 まあ、要はFSSもフールフォーザシティもゴティックも、全部永野の人生を賭けた壮大な自己満足と捉えれば、明らかにゴティックメードは永野ファンの通るべき作品であり、FSS再開への礎であり、十二分かつ100点満点で0点ないつも通りの永野護の「俺の脳内凄いでしょ」「乞うご期待」作品というわけですね。流石に、70分の半分以降を占める蛇足シーンを抜きでも見応えはありました。くだらない(と言い切りますが)小遣い稼ぎのリブートとかはさておき、ゴティックは見ておいて損はないと思いますし、今なら劇場は空いていますし、なんならDVD・BDで見れば気になるシーンの再検証も出来てお買い得ではないかと思う次第です。大判の高い画集に5000円出せる信者なら1800円ははした金ですね、うん。どうせDVD・BD出るまでに連載再開する可能性なんてほぼ無いでしょうし、まずはDESIGNS4を早く出せって話だし、まあ、ともあれ永野通常運行です、PSOあたりに時間浪費させるよりは角川も金銭面で尻に火が付くだろうし、作った甲斐あったんじゃないかなってことで。


 それでも永野護というオッサンがFSSを完結(まあ、まともな簡潔は100年あってもしないでしょうけど、創作的に)せずに我々より先に死ぬ可能性を多いに憂いるにあたり、永野の創作時間を1年与えられるのであれば自分の寿命1年捧げても惜しくはないと思える程度にはFSSに魅せられ、狂っている私としては、ゴティックメードの価値を認めつつ「いいからさっさと仕事しろバカ」と呪詛しか出てこない映画で御座いましたとさ。先ほどは1800円と70分を割く価値有りと言いましたが、あくまで初回だけで、劇場にこれを2回見に行くのはとんでもないどM行為ですし、私は早送りできる環境でじっくり見直して必要な情報だけ再抽出したいです。BD出たら買って、茅送り&スローで10回くらい見直しますわ。ある意味エヴァより大変だね。

 そんなエヴァも年明けたら見てこようと思います。仕事落ち着かないと、消化の時間がしんどいアニメだからねー。

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