種牡馬。

 ニッカンの記事によると、カンパニーはマイルCSを引き際として、引退、種牡馬入りするようですね。

 ノリちゃんとこのコンビがずっとレースに出てくるのは嬉しくもありますが、年齢を考えても、血統的なものを考えても、天皇賞を取った直後、というこのタイミングは良い「引き際」なのでしょうね。昨年のブルーメンブラットとオーバーラップする部分もあります。ややもすれば諦めかけた頂点に、足がかりを得て一気呵成に上り詰め、そのままフィナーレ。「ちょっと勿体ないな」という感慨。ここが、大事なのでしょう。G1・1勝馬種牡馬としてやっていくのは、大変な状況ですが、それでも、父ミラクルアドマイヤのように乾坤一擲の後継を残す期待感というのはあるでしょうし、細々とで良いから、カンパニーの名前を記憶を紡いでいくような後継が残るよう、頑張って欲しいものです。

 奇しくもブルーコンコルドの引退→乗馬を巡り、様々な議論が交わされております。出遅れましたし、おおむね言いたいことはSouthend氏が私が書くよりずっと綺麗にまとめてくださってますので、細かいところは省略しますが、やっぱり個人的には種牡馬に必要なのは「タイミング」であろう、と思うわけで。仮に統一G1の相対的価値が中央G2「程度」だったとしても、バランスオブゲームと同程度には評価するべき馬でしょうし、母父BTということを考えますと、地方競馬向け種牡馬としてはこちらの方がパワーがある気もします。中央のG1で掲示板級だったこともあるでしょうし、昨年のフェブラリーでヴァーミリアンを負かしていれば、また違ったのかな、とも。そもそも、ダートG1の価値が芝のG1より依然として低いってのもあるでしょうけど。

 ここ数年。特に現3歳・4歳の中央ダート馬の層の厚さは素晴らしく。彼らが今後、魅力的な競馬を展開していってくれる近未来に期待をせずには居られないのですが、現実問題としてダートの古豪のタフさ(それそのものは素晴らしいことなのですが)が、新世代の台頭を壁となって阻んでいて、そのことがダート競争そのものの緊張感を削いでいるという面もあり。短距離における森勢がその代表的なものでしょうが、同じメンツが、同じ競馬をして、同じ結果が出るという今のダート路線にスポーツ的な魅力を見いだすのは、なかなか難しいです。一番シンプルな解決策は、中央馬の出走枠を増やすことでしょうが、それでも結局は同じような状況になると思われ。あとは、統一G1を1つ勝つ毎に1キロ増というようなゴーカイ(障害的)な対処をするくらいしか、思いつきません。あ、ダートの賞金に関しては5歳以降も毎夏本賞金を半分にするとか?

 まあ、ともあれ。「良い環境で種牡馬入り」するのでなければ、競馬の喧噪から離れて、乗馬として余生を過ごすのも、むしろ幸せではないかと。もちろん、乗馬や功労馬の環境という問題はまた存在するのではありますけれど、そこは、その馬により近いスタンスで関わった人たちの領分だと思いますし。ブルーコンコルドに関しては、個人的な感覚としては「ちょっと寂しいけど、仕方ないね」というのが、一番近いかな。あとは、ヴァーミリアン同様、ダートで10億近いお金を稼いだ一口馬に対しての、素直な賞賛と羨望と。

 ジャパンカップダートが楽しみだなー!

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