野良猫について考える。

 近所で、野良猫の増加と、糞尿被害・ゴミ荒らしが問題になっている。

 猫は可愛い。野良も例外ではない。(餌をあげる人が居て)人間を信頼していれば、他人にでも寄ってくるし、無防備な姿を見せるし、子猫の可愛さは犯罪だ。私も猫は大好きだし、野良を見ると一瞬ぐらっと来る。

 それを踏まえた上で言わせて貰うと、野良猫に餌をあげる人間というのは、動物愛好家としては「最低」の部類に入る。上記のように、猫は可愛い。みんなそうだ。だが、動物を飼うと言うことには、責任が発生し、経済的な負担も伴う。避妊などのことも考えなければいけないし、やがて死んだ時までの対応力も必要になる。ペットとして、猫に限らず動物を飼うということには、そうした義務感と、責任能力は不可欠になる。

 野良に餌をあげる人間は、そうした責任を一切果たさず、動物愛の一番上辺だけを享受しようという、とても卑劣な人種だ。可愛い、カワイイで餌をあげ、その果てには一切責任を持たない。とても非常識な人種だ。

 家で猫を飼えない人間は、絶対野良に関わってはいけない。餌を与える時、そこに居着いた猫が近所の庭を荒らしたり、ゴミを食い散らかしたり、糞尿をまき散らしたりして、近所に被害を及ぼすという事を想像出来ない人間は、「動物を可愛い」と言う権利はないし、本質的には動物愛好家ではない。そういう人は「動物を可愛いと行ってる私って可愛い〜」と言う程度の自己中心的な回路しか持ち合わせていない。そういう連中が、自己満足、「可哀想だから食べ物を」という視野の狭い自己中心的な正義感で猫に餌を与えたことにより、近所の全ての人が、その人間の放棄している責任をシェアさせられ、平等に被害を受ける。

 実際問題、家で猫を飼ってる人はその辺ちゃんとしてるように思う。上辺だけではない、猫を飼う大変さも、リスクも、知っている。猫をちゃんと飼ったことのない、しかもペット禁止の家に住んでるような連中が、一番無責任にそうした行動を取る。家で猫を飼ってる人は、猫が家の外へ出て行って、近所を散歩したり、猫同士のコミュニケーションを取る課程で、近所に迷惑を掛ける可能性というモノにちゃんと考えが及んでいるし、意識レベル・対応レベルに差はあれど、「保護者」として、クレームに対応する義務を常に負っているという自覚もある。そうじゃない人間が、一切の責任を果たさず、自己満足に浸っている。社会性を著しく欠いた、最低の行為だ。

 極論を言うと、野良猫に餌をあげる人間より、毒殺したり、保健所に連れて行く人間の方が、ずっと人としては真っ当。そうした境遇の野良に「可哀想」と憐憫を覚えるのは誰でも一緒で、そこで、自分の出来ること出来ないことの分限をわきまえずに、その場凌ぎに餌をあげたり、そうした人を非難したりする人間の神経は異常・壊れていると言わざるを得ない。動物好きとして、断じて許せないモノがある。

 子供の頃、家で飼えるかどうかも考えず、捨て犬や猫を拾ってきたり、学校でウサギを貰ってきてしまったりする。我が子が電車の中で大暴れしても、平然としてる親や、それを大声で叱りつけて、倍する迷惑を掛ける輩が居る。犬の散歩で糞を一切始末せず、野外でブラッシングをするような無神経極まる輩が居る。野良猫に餌付けをする人間は、それらの悪い部分、幼稚な部分を全部持っている。

 繰り返す。猫は可愛い。大好きだ。でも野良は可愛がるべきではない。可愛がったら、責任を果たさなくては行けない。その責任を負えない人間は関わってはいけない。そもそも、野良の存在が、そうした人間のエゴが生み出した「存在悪」に等しい。その上に悪徳を重ねて、罪の意識を覚えない人間は、全く理解出来ない。大嫌いだ。

 まあ、そんなことをつらつら考えてしまいました。困ったものですね。でも、世の中何でも同じですよね。例えば、タバコを好きな人の大半はちゃんとマナーを守って吸ってるのに、一部の常識を欠くお馬鹿ちゃんがモラルレスなせいで、白眼視されてて、肩身が狭い思いをしているのです。そのケースに於いても、真っ当な喫煙者も、嫌煙者も、等しく「被害者」で、加害者は「モラルのない喫煙者」だけなんですよね…。

 あと、自治体として責任を共有している「街猫」は勿論、この野良の定義には当てはまらない。ただその場合でも、猫が嫌いな人や、家へ来て欲しくない人が居ると言うことを無視しては絶対いけないし、そうした人の家に猫が行かない対策をしたり、もし被害にあったら愛猫家全員でお金を出し合って弁償したり、そうした行動意識は「義務」になるだろう。案外、そうしたケースで被害に遭ってる人の声は「猫可愛い!」の大多数に遠慮する形で、泣き寝入りしてしまっているように思える。町内会規約に「この街では猫が家で悪さをしても怒ってはいけません」とでも定義されていれば、別だけどね。

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