きりた史ベスト10RPG・8位

 間持たせエントリ企画。第3回。8位。

ボクと魔王

ボクと魔王

 このゲームは、ベスト10の中では特殊、と言うか、恐らく普通の人だとベスト10には入ってこないゲームだろう。「自分の好みにがっちり合った」ゲーム。

 一時期から、ゲームのビジュアルは2Dドットからポリゴンにシフトしましたが、その結果感情移入しづらくなってしまった。ちゃちいポリゴンは興ざめだし、リアルなのも逆にくどい。私にとってベストのポリゴンは、「2Dのような3D」。書き割りっぽい世界観とキャラ。人形劇のようなリアルさ(そういえばCMは人形劇だったな)。

 「ボクと魔王」は、勇者が世界を救う話ではなく、その辺の何の力もない少年が魔王に取り付かれて、否応なく冒険にかり出される話。その魔王は魔王で何かしょっぱい上に、世界には他に魔王がいっぱい。出てくる女勇者も微妙に出来損ない。姫様も(ネタバレ略)。そんな「ちょっとひねくれた」世界観と、MOTHERに通ずる音楽や敵のビジュアルの優しさ、色々、しっくり来ます。

 何というのでしょう、ある意味これは「僕が作りそうなゲーム」なんですよね。過去、最もプレイ後に創作意欲をかき立てられたゲームです。エンタテイメントだからって大上段に構えた、壮大な話ばっかりじゃないぞ、と。手の平の上で進む物語、オルゴールの中だけで響くオーケストラ。そんなゲームです。キャラの立て方などは、ほとんど全てのRPGより秀逸。だけど、書いた通り「壮大さ」は皆無なので、今のユーザーさんにはあまり向かないのでしょうね。

 こういうゲームがちゃんと作れて、作ったメーカーがちゃんと生き残れるように、ユーザーとして物理的にも精神的にも応援していきたいと思います。

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