タイムリーなので釣られる。

■女性の心ない言葉の暴力に殺された男たち

 丁度、週末の出張で同行者に嫁の愚痴を延々聞かされ、うんざりしたところなので、釣られてみます。下らない話なので、読みたい方だけ。
 嫁ハンのことに限らず、愚痴というのは基本的に見苦しい。聞き苦しい。愚痴なんてものは、酒の席での同類相哀れむの円滑剤にしか役に立たない。私は酒の席でも愚痴を聞くのも、言うのも嫌いだけど、まあ、ある程度は我慢して聴いている。でも、愚痴ってる内容ってのは、余程のことがないと共感できないし、愚痴ってる人間の評価をどうしても一個下げてしまうところはある。

 例えば、上記の話にしてみれば、嫁の愚痴を言うということは、すなわち「悪くない嫁の悪口を影で言うダメ人間である」「本当に嫁がダメである=駄目な嫁を娶った見る目のない俺はダメである」のいずれかなわけで。結局、その人を良くする要素が何一つ含まれていないんだよな。嫁を仕事に置き換えてもほとんど一緒。「悪くない会社の悪口を影で言うダメ人間である」「本当に会社がダメである=駄目な会社に就職した見る目のない俺はダメである」。それが分かった上で、話のネタとして言う分には良いけど、分からないで愚痴を言ってしまう人は、その場で自分の価値を下げていることをもう少し自覚した方が良い。嫁がダメだと分かってても離婚は易々と出来ないが、会社がダメだと分かってて、辞めもしないし、会社を改革しようとも考えないのは単なる怠慢。それを人に言うのはとても見苦しい。傷を舐め合うような酒の飲み方しかできない社会人もとても悲しい。酒がまずくなるので、全員が愚痴を言うために酒を飲んでいるのでなければ(恐ろしいことに、社会にはそういった飲み席が頻繁にある)、是非やめた方が良い。

 話は戻して。こうした「鬼嫁」「奴隷夫」/ないしその逆の関係ってのは、基本的にお互いが望んで形成されるものだと思うのです。初めて出会ったその日に結婚を申し込んだとかならいざ知らず、それなりに付き合ってく中で、相手の表層に顕れない性格やアクなどもそこそこ見えてくる。そこを見切り発車で結婚しちゃうとそうなるのだろうか? ある程度見えてきた時点で、臭いところに蓋をせずに、そこについて話し合い、妥協点を見出すとか、そこをネタに一度思いっきりぶつかってみるとか、その上でどうしても許容出来なきゃ別れるとか、結婚する前にナンボでも出来るわけで。それをせずに結婚しちゃうってのはどうにも理解できない。良く「結婚して人が変わった」的な話を聞くが、本当にそうか? 元々持ってたものを見抜けなかっただけじゃないか? 小さな芽に過ぎなかった素養を、旦那(奥さん)の態度や性格が育ててしまったのではないか? 

 鬼嫁も生まれながらに鬼ではなく、旦那の奴隷性に気づき、それを便利に利用してる内にどんどん鬼嫁化していくのだと思う。基本的に、結婚生活に限らず、人間関係というのは楽な方向に流れ、収まりがちなものだ。お互い尊重し合う対等な関係より、主従関係に置く方がずっと気楽だし、さらには、従の側が少なからずそれを良しとしてるからこそ、関係が成立するのであって。それを相手の態度だけが悪いように帰結してしまうのは余りに愚か、余りに視野が狭い。余りに空気が読めない。そんな人が、何故結婚してしまうのか。同情の余地はそこの一点に尽きる。

 子供の内は、親なり兄弟なりに隷属していた方が便利なので、そうやって生きていく処世術があるだろう。だが、普通の人間は大人になっていく課程で、隷属の対象(保護者)から自立し、自分の中の隷属スイッチを封印して、社会に出ていくものだ。だが、何かしらに隷属しやすい気質を持ったまま大人になってしまった人は、生きていくために仕事をして、そこで隷属しなれば行けない以上、結婚はしない方が良いだろう。もしくは、結婚して、家庭に隷属するために、仕事はせずに主夫(婦)になった方が良いだろう。それを両立できるような人間は、最初からもっと自立できている。自立に失敗した大人は何かしらを捨てて、専念できる環境に入った方が幸せになれる気がする。

 私は独身なので、100%共感は出来ないが、普通の男女付き合いにも言える話で、基本的にはコミュニケーション不足が原因と特定して良い話だろう。職場でも友人関係でも全部そうだ。だから、結婚生活だけが何か特別ということはない。その努力を怠って、相手の不満を言うだけでは、事態は悪くなる一方。そんな暇あったら、家で少しでも話せと言いたい。それをせず、不満を垂れ流すような人には、もう「結婚失敗でしたね」としか言えることがない。失敗した結婚の不満を外で言うような人間は、もう尊敬できない。

 何にせよ、既婚者は良く家庭の不満を独身者に言う。まあ、そういう話題が好きな下世話な人間もいるだろうが、大多数の独身者は「ウゼエ」と思ってます。間違いなく、思ってます。同時に、望んで結婚しながらこうして愚痴を垂れ流す既婚者のことを蔑んでいたりもします。間違いなく、話す前より少し見下してます。そして既婚者は独身者が「へー、大変ですねえ」と言う以外のどんな反応を返しても「独身の人間には理解できない苦労なんだ」という態度(優越感)を、大なり小なり取る。間違いなく、取ります。なら、何故それを相手に言うんだ、という自分の言動矛盾を棚に上げて、です。そんなわけで、世間の全ての既婚者は、家庭の不満を独身者相手には言わない方が良いですよ。アナタは優越感に浸ってても、相手はアナタを侮蔑してます。どうしても愚痴りたかったら、既婚者同士で、酒の席でやってくださいね。

 何度も言いますが、結婚生活を全部仕事に置き換えても成立する話なので、皆さんご注意を。家庭の愚痴を言って幸せになる人間は居ない。職場の愚痴を言って出世した奴は居ないよ。出世できる奴は愚痴いう間に働いて、アナタとの差を付けてるよ。

▼なるべくして異性の奴隷となる男(女)達シロクマの屑籠さん
 上記に対する反応のエントリだが、非常に共感できるので引っかけておきます。この問題は「男性」「女性」というレベルに落とし込んでしまわない方が良い。逆も絶対成立するし、世間一般のなんにでも置き換えることが出来る。「(男性側の)女性論」「(女性側の)男性論」で語ってる内は、平行線と変な妥協以外に帰結しないと思う。とりあえず私に言えるのは「将来偏った処世術で失敗しないように息子(娘)をしっかり鍛えておけ」ってくらいかな。最近は、ちょっとした子供の問題に親が口を出しすぎる(もしくは我が子溺愛でそれ以外の全てを悪とする馬鹿親が多い)ので、子供の中で「どこまでやっていいか」と言う線引きが幼年期に形成されず、少年期に陰惨ないじめを行い、青年期に落とし穴に嵌ってる気がしないでもない。親の責任ってのは本当に重いよな〜。そのうち、大学卒業後、社会に出るまでに「コミュニケーション術を学ぶ期間」を3年くらい取る必要がある時代が、本当に来るかも知れないと思ってる。最近の20歳前後のコミュニケーション能力は本当に酷い。勿論、ちゃんとした子もいるが、多くは先ほど言った「楽な方向に流れ」、共感できる友人関係の中でしかコミュニケーションを取らないため、上下関係や、敵対関係に対しての経験値が圧倒的に不足している。そうした子供達が社会に出てきても、我々は使い捨てにしていくしかないので、そうされたくなかったら、自分を守るためにも処世術を身につけて置いて欲しい。我々は保護者や友人の代わりは出来ない。せいぜい、保護者や友人の代わりに、打たれ強さを試してあげるくらいだ。そうして、酒場の愚痴のネタを提供してるのかも知れないけどね〜。

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