いいね闘莉王。

 日本のサッカーに足りない物はなんだと思いますか? 実力? 設備? 私は「マインドゲーム」だと思います。

 マインドゲーム、すなわち神経戦。それこそサッカーの醍醐味、いやスポーツの醍醐味です。欧州のサッカーにはマインドゲームが満ちている。アメリカンスポーツにも(特にNBA)。そして日本の競馬にも。マインドゲームが行われることはその競技が市民権を得ている証拠でもあります。サッカーに於けるヴェンゲルとファーギーの闘争、ああいった物がサッカーへの興味、チーム愛、ライバルへの敵愾心を具現化し、核となり、真のスポーツになるのです。マインドゲームがない競技はアマチュアと言っても良いでしょう。

 競馬が好きな人はイメージしてみてください。ジョッキーや調教師のコメントが一切発信されない能力検定だったら、あなたはこんなに競馬が好きですか? もしくはみんなが和気藹々、仲良しこよし軍団だったら。「あいつにだけは負けたくない」という私情、あるいは藤田のようなヤクザまがいの人間。ああいった存在が競馬というゲームに深みを持たせていると思いませんか? その、とても重要な物が、日本サッカーにはないんですよ。いや、サッカーだけじゃなく、日本のスポーツほとんど全てが。競馬というギャンブルに出会えたスポーツファンは特別恵まれた環境を、この劣悪な日本という観戦環境で奇跡的に得ています。

 さておき。今週の闘莉王の談話。「攻撃は捨てて守備に専念したい。それだけ大事な試合だから。川崎Fはいいカウンターを持っている」「(我那覇を)ゴールから16〜18メートルの所に近づけさせないようにしたい」

 闘莉王は誰よりも次の川崎戦の重要性を理解している。ガンバを除いて唯一優勝の可能性があるチーム。ここで川崎を叩くことで、優勝の確率は8割を超える。逆にここで負ければ完全な三つ巴へ戻る。まさに天王山。だからこそマインドゲームを仕掛けた。これに川崎がどう呼応するか。試合に、両者の応答がどのような形で反映されるか。こうした「試合外の闘い」こそがプロスポーツの醍醐味。Jで最もアマチュア的であったレッズからこういったメッセージが発信されたこと自体が、驚くべき、喜ぶべき事象だ。まだまだ至らない点は多いが、レッズは少しずつ進化している。変かも知れないが、試合内容ではなく、このコメントを読んで、私は初めて「今期、レッズは優勝する資格がある」と思うことが出来た。

 まあ、勝たないと全部遠吠えになっちゃうんだけどねw それはわかってるさね闘莉王



 

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