Wcup06・チェコ−ガーナ

続いてホテル観戦。ガーナの先制パンチで俄然面白くなった。逆だったらリンチのようなゲームになっていただろう。アフリカチームはアドバンテージで俄然テンション上がるからな。

チェコは流石にビハインドでは優雅なパスとか言ってられない状況。そのこと自体は問題ではなく、アナウンスも再三言っていたように問題はトップの信頼性だろう。コレルはやっぱポストとしては世界最高峰だからな。それでも攻撃的に行ったがあのPK(によるウィファルシの退場)で守備の要を失った。何を言ったかしらんが、あの退場はないよな。台無しだ。あとはガーナの決定力の無さと軽薄さを浮き彫りにするだけの試合になってしまった。今大会は審判が過敏すぎる。アンスポーツマンシップ行為を規制するのはご立派だがサッカーという競技のダイナミズムを奪う権利が奴らにあるはずはない。今大会の審判は主役面をしすぎだ(関係ないが「クーペルそっくりだなこの審判」と思ったらアルゼンチン人だった。ああいう顔のオッサン多いのか?)。ハイレベルな試合の多い、近代最高のW杯になりそうな素晴らしい大会。そこが染みになりつつある。勿体ない。この分では双方主力を欠いてつぶし合う最低の決勝が待っているかも知れない。決勝はカード適用無しにしてもいいんじゃないか?

しかし昨日、今日とアフリカ勢のトップクラスを見たけど、90年のカメルーン、02年のセネガルのようなセンセーションは感じないな(94〜98のナイジェリアは全然好みじゃないし、コネコネコネコネするだけでインパクトはないに等しかった)。良くも悪くも欧州化しているというかね。規律を学ぶのは結構だけど、規律をベースにチームを作ってしまうと魅力がなあ。ガーナは勿論素晴らしいチーム。結果は別の話(結果は戦力比じゃなくて流れだからな)として、イタリア・チェコと互角に戦うのは容易ではない。それだけにもうひと味野性味(特にFWに)が有れば、とは思わずにいられない。悪い意味でのムラっ気や粗忽さはしっかり残ってるが。特に終盤のFW連中。バカだろうか? 自分たちが決勝Tに行く可能性があるとしたら得失点勝負になるということを分かってるのか? もう2・3点取れる中で、本気で取ろうとしなかった。軽いプレーをした。3戦終わってそのツケが出なければいいが。いや、出ればいい。そして悔いるべきだ。馬鹿なファールでカード貰った選手も。

チェコもやはりアキレス腱は選手層。ここがベンチにスタメン以上ないしスタメンの持っていない技術を持った同レベルの選手が控えているブラジル・アルゼンチン・イタリア・スペインとの違いだろう。だから「優勝候補」なのであって、チェコポルトガルイングランド、オランダはそれに該当しないからやはりダークホース。その中でもチェコのスタメンは優勝に値するレベルで、残念だ。

無論まだチェコの敗退が決まったわけではない。でもチェコサポーターの表情は「分かっている」顔だった。分かっている涙。第3戦はFW全滅だし、ウィファルシ出れないしでイタリア相手。厳しすぎる。日本と同じだ。あのオーストラリアの同点ゴールの瞬間、日本のW杯は終わった。あとは消化試合。勝ったら事故。事故を望むのは邪道。日本人よりサッカーを知っているチェコ人は痛いほどそれを分かっているから泣く。泣くほど惜しいチームだから、泣く。

いっそアメリカがこの後イタリアに勝って、本気のイタリアと戦って欲しい。そうなれば少なくとも面白い試合にはなる。

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