香港戦。

 本来ならば、バックアップをフルに試せる貴重な調整試合。そこを、病んだ指揮官のせいで、恥も外聞も捨ててフルメンバーで勝ちに行った試合。ならば、内容も伴った上での圧勝こそが「最低義務」であり、ノルマ。結果、数字こそ伴ったが「圧倒」したとは言いがたい内容。余程の代表信者、岡田マニアでもない限り、今日の試合は終わった瞬間「ハァ」と思わず溜息をついたのではないだろうか。結果が出ることで、誤魔化されてしまう問題というものもある。そして、岡田という監督は、そうした誤魔化し力に抜群に長けている。中国戦のブーイングが無駄になってしまうのは惜しい。ここ2戦を払拭するような内容で勝つのでなければ、負けるか引き分けた方が収穫はあった。収穫ゼロの勝利。流石、岡田。

 大久保要らない。相変わらずプレーが汚い。いわゆる南米的「ずるがしこさ」ではなく、プレイヤーとしての知性が不足しているが故の、無駄なラフプレー。再三言っているけど、いずれまた致命的なところで一発レッドを貰ったり、相手の選手を壊したりするに違いない。昨年ノーゴールのこんなFWをどうして使う理由があるのか。意味が分からない。

 平山要らない。確かにデカイ。「日本人にしては」デカイわりに上手い。まあ、アジアBレベルまででの話だが。「たかが」190。あの線の細さと技術、ハート、駆け引き能力、視野の狭さでは、本大会レベルでは物の役に立つまい。そもそも、この代表チームは、巻を外し、矢野を外し、前田も使いこなせない。「高さはこのチームには不要」という徹底した選抜基準に基づいて、チーム作りをしていた。それをあっさり放棄する平山の起用。この一貫性の無さ。意味が分からない。

 まあ、彼らがそんななのは「想定内」なので、今更な話なのだが。私が気になったのは、中盤からのパス。特にヤットと憲剛のパスが香港の選手に、いとも簡単に読まれてカットされるシーンが目だった。単に「頑張って引っかけた」という取られ方ではなく、明らかに「狙って追い込んだ場所にパスを出させて取りました」という取られ方。勿論、受け手側の動きの質もあるのだが、いくらオフシーズンと言っても。代表3戦目。こんなレベルのミスをしていい時期でもないし、選手でもない。守備面でもミスが目立った。今更彼ら2人を外すというオプションは考えづらいし、俊輔もグダグダ。石川など、試したかったオプションが欠けてしまったという面はあるにせよ、本番へ向け、にわかにネガって来た。いざ本番を迎えてみたら、一番通用しないのでは中盤でした、と言うことにならないだろうか。まあ、どうしようもないのだけれど。前回大会は内部分裂。今回は良い子ちゃん軍団の仲良しさんチーム。闘う集団としてどっちがいいのかね。本田や松井に良い意味での「クラッシャー」役を期待するしかない。

 小笠原は結局何なんだろうなー。普通に考えたら、ヤットか憲剛の控え。並立させたって、俊輔や長谷部が戻ってくれば簡単に押し出される。小笠原の持ち味は、ヤットや憲剛と被る。誰を選ぶかは監督の好み。少なくとも、3人並べるのは異様。ただ単に、偏差値の高い順に選んだ感。プロの監督のやることとは思えない。上で書いた通り、ヤット・憲剛の代役は考えておいた方が良い気がする。しかし、俊輔や長谷部の代役にはなり得ないタイプの選手。

 まあともかく。次の韓国戦が肝心。勝つのは当たり前だけど、時間帯に応じた効果的なオプションが試せれば、このチームの夢の夢である「本大会GLで勝ち点1」も見えてくる。頑張って欲しい。

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