Wcup06・ドイツ−イタリア

いやあ、期待通りの好ゲーム。

局面局面では、正直イタリアとドイツでは役者が違う。8:2位でイタリアが勝っていた。特にガットゥーゾピルロ、ペロッタの中盤3人は卓越していたし、グロッソザンブロッタは準々決勝から引き続き抜群に切れていた。ブッフォンカンナバーロも加えイタリアには世界的名手がピッチの半分以上になる(ベンチにデルピエロも。準ずるレベルにトニ、カモラネーシ…)。ドイツはバラック、クローゼのみ(準ずるレベルにポドルスキ、シュナイダー、レーマン……以上)。しかもコンディションは万全ではない。差は小さくない。

それでもドイツがチームの恥部である左の狂犬を外してボロフスキを使った采配。あれでギリギリ攻守のバランスを保ち、イタリアの右が決定的な仕事をできなかった。ケールもイタリアの圧倒的な中盤に潰されることなく踏みとどまった。クリンスマン、流石。今大会を通じて、ドイツの能力の底上げ振りは素晴らしいの一言だが、クリンスマンの采配も同様に勢いを得て底上げされている。面白い。

一方のイタリア。これだけの素晴らしいメンバーを揃えながら、その一部に破綻の種がある。トッティは仕方ないとして、マテラッツィをサイド起用しなければいけないあたり、やはり非常事態。ネスタが壊れるケースへの想定が甘かったと言わざるを得ない。リッピは名将と言われるがどうも根本的な部分でのヌケが多く、(陰湿そうな目つきと相まって)好きになれない。素晴らしきカンナバーロ、別格のブッフォンの存在でマイナスはほぼ消えていたが。

イタリアのロングパス、後方からのフィードはもう一つの芸術品。勿論パスの精度だけではなく、受けての動きの素晴らしさもあるが。日本にもあんなフィードの出来るディフェンダーがいればと思う。それに比べるとドイツのパスまわしは相変わらず場当たり的。たまにチャンスになる場合は、相手を崩したのではなくイーブンのボールをフィジカルゲームで制してこじ開けた場合にほぼ限られた。

イタリアにとって誤算だったのは、余りにボールが持てる(ドイツが簡単に失う)ことだろうか。イタリアはボール支配率が低い方がコワイ。ボールを持ちすぎるとペース配分がおかしくなる。案の定後半は動きが落ち(ガットゥーゾは全く落ちないが。恐ろしい男だ)、結果トッティの存在が穴になり出した。あそこは後半15分くらいで見切ってデルピエロを使うべきだったろう。トニのサポートにジラルディーノでも良い。トニと替える采配は明らかに間違い。あの時間帯、イタリアの問題は明らかにFW以外の場所にあったのだが…。これがあのPKの代償。トッティで勝ったという誤った印象がリッピの判断を狂わせた。それでも、お荷物トッティを抱えながら最後はピルロの光彩でドイツの壁を貫いた。勢いを技術が凌駕した。良い試合だった。本当に。あとはトッティ外せば最高の優勝が待っているはずだがなあ。

でもドイツも良くここまで来た。先はあるよ。

しかし今更言うまでもない馬鹿な国営放送はあんな邪魔な字幕出さなきゃいけないくらいニュース大事なら放映権持つな。しかも途中でチャンネル替えるたあ…潰れろ。今すぐ消えてなくなれ。最悪。せっかくの好試合を汚しおって…。

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