そりゃそうでしょう。

10/8  引退
「今回前捌き、特に左前脚の出の硬さが結構気になっていたので慎重に見ながら、でも新潟戦への出走も考えなければいけない馬なので、ケアしつつ木曜日に少し時計を出しました。しかし、フットワークが悪く、ここでは前脚がさらに出ませんでした。乗り手の話だと、ハミをかけて走らせている時はまだいいものの、スピードを上げていくために口に対するハミの圧を和らげて追おうとすると肩が出なくて前へとひっくり返ってしまいそうで怖く、手綱を離して追うことができないということでした。天栄のスタッフたちも来ていたので、一緒に状態を確認してもらったのですが、やはり良くないという意見で一致しました。また、金曜日には診療所の獣医師にも診てもらいました。その結果、肩の部分の棘上棘下筋の萎縮が見られるようになってきていて、肩甲上神経麻痺の疑いがあるとのことでした。筋肉を支配する神経に外力がかかってその箇所を傷めていることが考えられます。今思えばレース後にちょっと硬さがありましたし、単なる疲れだけではなく、もしかすると前走後あたりからそういった予兆があったのかもしれません。診療所の意見も聞きましたが、競馬は差し控えたほうがよく、また短期間での良化を見込むことはまず難しいだろうということでした。このまま無理をさせると馬にも人にも大怪我を負わせる危険があります。中山の限定未勝利戦から新潟での格上挑戦へ切り替えさせていただき、何とか前を向いて競馬を考えていけるようにしたいと思っていたのですが、このような結果となってしまい誠に申し訳ございません」(大竹師)帰厩後の様子を見ながら動かしていると段々と肩の出の悪さが目立ってきたということで今週も慎重に見てもらっていましたが、少し強めの調教を行ってみたところ転倒の恐れがあるほど前脚が出ない走りをしていました。原因は掴めていないのですが診断の結果、肩甲上神経麻痺という症状が疑われることがわかりました。大竹正博調教師もこれまでの過程を考えて非常に悩まれておりましたが、今のまま競馬へ向かうのは好成績を収めることはおろか、人馬ともに命の危険にさらすことにもなりかねません。そのことから苦渋の決断ではありましたが、ここで判断し、競走馬登録を抹消することとなりました。会員の皆様にはまことに残念なことと存じますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。お時間をいただいたにもかかわらずこのようなことになってしまい大変申し訳ございません。なお、本馬に出資されている会員の方へは追って書面を持ちましてご案内いたします。

 明らかに目途も立っていない状況で500万続戦の報を聞いたときは耳を疑いましたが。結果として無駄な引っ張りではあったものの、早めに引退できてよかった気がします。結末だけ見れば妥当かつ不可避。これで「厩舎が100悪い!」「ほかの厩舎なら上手くいったのに」なんてのたまうのは、あまりに自己反省のない幼稚な現実逃避というものです。未勝利馬に出資したということはちゃんと顧みていかないと、次も同じ結果を招きます。現実逃避している間にも財布のお金は減っていきます。失敗分、何か学ばないと損だし、それは責任転嫁であっていいはずがないですよね。逆に言えば、同じ失敗をしたなかでも、立ち止まっている人にここで一歩でも半歩でも差をつけないと、同じ損をして終わってしまいます。

 ここへ来て明確な言葉で問題をドバドバ指摘されてますけど、馬はずっと苦しかったんでしょうね。隠蔽されていた、とまでは言いませんが、前へ進める間は見て見ぬふりをしていた部分はある筈。こういうのも、一口の確かな一側面です。ここで傷まなかったら、さらに馬が苦しんでいたと思うと、ベストには程遠いけど、良かったと思わざるを得ませんね。

 それにしても、中間の経緯から騎手起用、最後の有様まで、大竹調教師の吟味はここまでだなという感覚です。以前出資したレッドオーディンはグレーゾーンでしたけど、今回はいかんなあと思うところばかり。それでもNG調教師と比べれば前向きな材料も少しはあるのですが、まあ、普通にもう出資することはないですかね。NG一歩手前くらいのE判定で。

 繰り返しますが、調教師が悪い、以上、で完結していては次も負け組必至。あくまで選んだ自分がダメなわけで、その上で、改めて最安値ゾーンの馬を選ぶ難しさというのを実感しますね。募集段階では良い馬に見えましたし、それこそクレオールやディーパワンサよりは安定感のある、上の素材という手ごたえだったんですけど。ここの層に関しては、相馬眼とか関係ない気もします(そもそも1歳馬選ぶのに相馬眼なんてほとんど無意味だし、それを売りに一口やってる人が大当たりを引いて、かつアベレージが高いという事例は見たことがないわけですけど)。ここの価格帯から、どうしても走らない(走れない)馬を引かないというのは難しいので、当たり外れのイメージは持ちつつも、数打つしかないってとこかな。これまで、結果未勝利に終わった安馬は育成段階から黄色信号出てましたけど、この馬はそうでもなかった。強いて言えば、外部生産→ノーザンのパターンはよほど血統に筋が通って相応の値段(強気になる根拠)がないと厳しいってことですかね。もうちょっと、過去の出資馬も含め再検証して今後の糧にしていきたいところです。

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