松田という選手は、私にとって、というよりレッズサポにとっては「天敵」だったでしょう。
いつも眠っているようなプレーをして「怠慢な大器」という印象が強かった松田。ただレッズ戦となると幾度か見違えるようなプレーを見せた。松田という、日本サッカー史上屈指のＤＦが真に輝きを放つには、舞台が必要だった。浦和という相手は、その舞台として松田に認められていた。光栄だった。
思えばプロになってからの松田は、クラブでも代表でもずっとその舞台を探していたようにも思う。トルシェに見込まれたことは幸運だったとは言い難い面もあったし、最後の去り際も含め、マリノスで正しい扱いをされていたとは思わないが、そこに関してはサポではないので深く発言することは慎む。ただ、松田がレッズを好敵手として認めてくれていたように、レッズサポは、私は、マリノスというチームを敵として思い浮かべた際、出てくる顔は中澤でもなく川口でもなく、俊輔でもなく。ユ・サンチョルと松田だった。
一番覚えている試合は、やっぱり０４年のチャンピオンシップ初戦ですね。この試合は、松田１人にやられたと言っていいと思います。この年のマリノスはリーグ最少失点だったと記憶していますが、この試合では失点まで首の皮一枚、と言うシーンが山ほどありました。そのこと如くを松田が防いでいました（勿論中澤との連携の中で、ですけど）。本当に憎たらしかったなあ……。
大嫌いで、大好きだったよ。ご冥福をお祈りいたします。
