Wcup06・イタリア−オーストラリア

今大会はドイツ人らしかぬ技術ミスが多いな。何人の主任の首が飛んでいるやらw

サッカーは結果で語るモノではない。

今日のイタリアは理想に近い構成だった。あとはネスタが入れば。とにかくトッティが居ないことでイタリアは1ランク上のチームになる。トッティはサーカスや筋肉番付なら必要な選手だが、とにかく頭が悪すぎる。日常IQもサッカーIQも低劣すぎる。周りに活かされても活かす術を知らない。だから穴になり、その穴を埋めるべく周りが無理をし、全体にほころびが生じる。近年のイタリアの負け方は例外なくそうだ。そしてトッティはここ5年何の進歩もしていない。トッティを外す、リッピがこの英断を下せるかどうかでイタリアは変わるとずっと言っていた。リッピを一瞬、見直した。この人は土壇場でそういう決断の出来ない人間だと思っていた。だけど…

トッティが消えたことで2トップの技術がフルに活きだす。ピルロの卓越した「眼」と、ペロッタ、ガットゥーゾの嗅覚も活きる。全てが良い方へ流れていく。あとは誰かが、トッティの抜けた「パンチ」力を埋めれば、僅かなマイナスは消え、膨大なプラスが噛み合い出す。だけど……。

一方オーストラリア。やはりヒディンクの戦略は素晴らしいの一言に尽きる。ブラジルやクロアチアに対してもそうだったように、「肉を切らせて骨を断つ」戦法に徹している。韓国の最大の武器が「走力と折れない心」だったように、オーストラリアの武器は「前へ出る推進力と折れない心」。つまりダメージを相互に与え合う試合展開に持ち込み、相手が怯むのを待つ。決してガードを引かない超攻撃的戦法。「相手はいつか必ずミスする」と信じ、それを引いて待つのではなく「ミスが出れば点になる」ように前へ詰め続ける徹底された戦法。実戦できる選手も素晴らしいが、やはりヒディンクがそれを「させている」。何故出来るか、それは選手がヒディンクを信じ切っているからに他ない。素晴らしい、稀代の名将だ(そのヒディンクが「折れない心」を持たせることの出来なかった唯一の代表チームが母国というのもまた面白い)。

攻撃的に有機的になったイタリアとヒディンクのオーストラリア。共に素晴らしい攻撃チーム同士の戦いは、必然的にここまでの大会最高のゲームになった。もう一人のIQ足りない選手、マテラッツィインテルでも酷いプレーを時折して、信頼が失墜しているのになんで代表選ぶんだろう…)が試合を壊し、お陰で悪いイタリアに戻ってしまった。そして………。

サッカーは結果で語るモノではない。勝敗と関係なく、あの局面でトッティを使ったことでイタリアのW杯は終わった。この試合は最後のPKで拾ったが優勝はなくなった。トッティ無しで10人で勝っていれば、優勝へまっしぐらだったように思える。再び、リッピにトッティを外す勇気があるか。それは流石に至難だろう。残念。仮にこのチームが優勝しても、それは美しい21世紀のイタリアサッカーの幕開けにはならない。20世紀の残滓の勝利になるだろう。残念。

ヒディンクにしては延長でイタリアを絞め落とすつもりが、青天の霹靂だったな。残念。

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