Danzigダンジグ死亡に寄せて。

北米を代表するサイアー、サイアーオブサイアーの一頭、Danzigダンジグが死亡しました。

私はこの種牡馬、2頭の来邦マル外をもって強烈な印象を抱いております。
一頭は、アグネスワールド。函館で見せた惚れ惚れするような走り。その後、同期のグラスワンダーエルコンドルパサーに主役を完全に奪われましたが、個人的には「マイル以下ならワールド完調すれば最強だぞ」と言い続けていました。まあ、結果的には踏ん張りの利かないスプリンターだったわけですがw それでも欧州でGタイトルも手にし、日本初(経由)のダンジグ系では世界一の馬になりました。
そしてもう一頭。更に印象深いのが池江厩舎にいたピロマティア。この馬、私の15年の競馬キャリアでも、最高に、理想に近い馬でした。初めて見た時のインパクトたるや…。その期待通り、慣らし運転程度の走りで2連勝を飾りましたが、その後は相次ぐ脚部不安(身体の弱さも含め)で、結局最後までベストの走りを見る事は出来ませんでした。競馬に限らずスポーツに「タラレバ」は禁物(未練)ですが、この馬順調に行っていれば「日本を代表するマイラーマル外と言えば?」の問いに、タイキシャトルと並んで名前が出るくらいになったのではないかと思っています。
私の中での「大種牡馬」の定義は、「自身の守備範囲を超える(外れる)後継馬を複数頭出すこと」「孫世代にサイアーを誕生させること」「母父として成功すること」「複数大陸でG1馬を出すこと」です。ダンジグは軽く全部クリアしてます。息子のデインヒルですら。偉大な馬です。
UnbridledアンブライドルドMiswakiミスワキに続き、私が競馬ルーキーだった頃に憧れを抱いた横文字のお馬さんが皆居なくなってしまいました。悲しいことですが、彼らの息子・娘や孫が競馬場を走る姿を見ることが出来る、この「移ろい」のスピード、わびさびこそが競馬の醍醐味です。最後にダンジグのひ孫であるアリシドーラの一口馬主になれて幸せです。

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