苦節10年。

 ハープスター、新潟2歳S(G3)優勝しました。

25日の新潟競馬では五分のスタートを切るも最後方から。直線で大外から全馬まとめて差し切り完勝。「ありがとうございました。前向きな面がまだかなというところはありますが、お兄さんの性格も頭にありますし、急かして気持ちを追い込むようなことは絶対しないように心がけて乗りました。スイッチが入ったのは直線に入ってからで、直線だけの競馬でしたが素晴らしかったです。前半ゆったり行かせて終いを伸ばすようにして余裕を持って競馬をしていければ、これからが楽しみなのは間違いないです」(川田騎手)「今日もいつも通り落ち着いていてパドックも悠々と歩いていましたね。寝藁ばっかり食べてお腹は牛みたいだし、ボーッとしていて心配になるぐらいでしたが、レースに行くとまあ桁違いですね。本当に強かった。これで、じっくりとGⅠに向けて調整していけます。このあとはまず何日かしっかり状態を確認してから放牧に出すつもりです」(松田博師)スタートはまずまずでしたが気持ちを重視して無理せず最後方待機策を取りました。見ている側としてはハラハラした部分もありましたがエンジンが点火するとその不安を一蹴してくれました。まわりの陣営からも“次元が違う”との声が出るほどの圧巻の強さ。それでも未完成な部分は多く、今後の成長した姿を見るのが楽しみでなりません。もちろんこの血統ですから暮れ、そして来春でもという気持ちはありますが、まずは何より無事に行ってくれることを願っていますし、大事に育てていければと思います。まずはトレセンに戻ってじっくり様子を見たうえでになりますが放牧に出す方向で検討しています。

 メテオグローリーのド迫力馬体+血統に惚れてサウスニアに入会届を出してから10年。出資馬は現3歳までで45頭。直前のミラクルまでで534戦。準OP勝ちはあれど、OPでは2着が最高。重賞では6着。私の中で「重賞掲示板」というのはここ数年の、非常に高い目標であり、ハードルでした。

 新馬戦を見たとき「この馬ならクリアできる」と確信しましたが、それでも重賞を勝つ、というイメージはどうしても湧かず。マスコミに絶賛され、陣営の評価も高く、周囲の友人知人にも「全然大丈夫だよ」と言われても、自分の壁ってのは、実際の高さや超えた先の景色、壁の中(下)にいる人からは分からないものです。徐々に期待が「この馬でダメならもう本当に無理だろう」という気持ちに変わってきてしまいました。

 そして迎えたレース。出遅れで終了と失望し、直線まだ最後方、ばらけてもすぐに伸びてこなかったので絶望しましたが…馬は偉かったし、騎手も落ち着いてた。スイッチ入ってからの切れ味、ゾクッとしましたね。将来的には故障が心配になるほどの瞬発力。最後は流してました。それで上がり3F32.5秒……怖い。でも、今はひたすら喜びのみです。

 遂に一つの壁を越えました。フォルタレーザと、レッドディアーナの2頭が、背中を押してくれた気がします。そんなことを考えたら、自然と涙が出てきました……辛いこと、いっぱいあったけど辞めなくて良かった、この趣味。今日は星になった2頭に捧げるべく、良いお酒を飲もうと思います。

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