マーメイドSと夏競馬。

 今週は馬券で言いたいことが少々。

 と、その前にまずは「美味しい重賞」マーメイドS。昨年の同レースが終わった時点から「来年は大穴獲るぞ!」と手ぐすね引いて待っていたレース。

 過去の勝ち馬。エリモエクセルフサイチエアデールローズバドアドマイヤグルーヴダイワエルシエーロ……時代時代を飾った名牝の名前がずらり……ただし、「昔の」別定時代のマーメイドSの。

 このレースは06年にヴィクトリアマイルが出来て、開催時期が繰り上がり、ハンデ戦になって様相を一変させた。近3年の上位馬を見れば、今のこのレースの傾向は明らか。ヴィクトリアマイル組軽視。軽ハンデ馬が狙い。本気でヴィクトリアマイルを勝ちに行くような馬は、牡馬相手の安田記念に向かうし、中距離のエリートホースは宝塚記念へ向かう。G1級は出ない。出てきたG1級は眉に唾する。06年はヴィクトリアマイル7着のヤマニンシュクルが1人気で57キロを背負い、8着。07年はヴィクトリアマイル15着のコスモマーベラスが1人気で56キロを背負い、8着。去年はヴィクトリアマイル8着のベッラレイアが56キロを背負い、5着。同路線から馬券に絡んだ2頭(07年の2着サンレイジャスパー54キロ、同3着ソリッドプラチナム53キロ)は、ヴィクトリアマイルから斤量減になっていた。今まで来たのは、上記も含め54キロ以下の馬のみ。今年はザレマベッラレイアマイネレーツェル、レインダンス、ムードインディゴリトルアマポーラと、上位人気を占めそうな馬が55キロ以上。じゅる(生唾)。

 加えて、過去3年の馬券圏内馬は、全て5〜6月の芝1600〜2400を走っていた馬。休み明けやダートからの転戦は絡んでいない。

 というわけで狙いは軽ハンデのニシノブルームーン。前走で馬券を取らせて貰ったので、少々贔屓もあるだろうが、52キロでこのメンバー。阪神は3着1回だが、右回りは5戦3勝で複勝率8割。唯一の着外は未勝利勝ち直後に挑んだ紫苑S。その時期と比べても、足元がしっかりして本格化。キー坊向きの先行力。期待。

 対抗は同じ52キロ、前走準OP勝ちのウエディングフジコ。こちらもソツのない先行馬。阪神は初めてだが、中山でも好走しており、遠征競馬も実績有り。

 ニシノの単複。2頭のワイド・馬連と、2頭から阪神2000好相性のダンス産駒、ザレマ・レインダンス・ブーケフレグランス・ムードインディゴ、ステゴ産駒、コスモプラチナマイネレーツェルビエンナーレへの3連複をがっつり。同じく3連単を少々。一応、人気どころも(2頭+ヴィクトリア組orベッラレイアでも優に5万馬券にはなるだろうし)軽く抑える。

 まあ、得てしてこういうものは「法則」がはっきりしたら崩れたりするものなのですが、繰り返しますが1年間暖めてきたレースですからね。勝負します。

 そういえば、サラブレの携帯サイトで、「軸王」というコーナーがあるのですが。まあ、要は複コロをラスト1人になるまでやるサバイバルゲーム。現在の回は、安田記念から始まって、安田で4725人、CBC賞で572人と絞られました。私もウオッカエイシンタイガーで連勝中。今週は勿論ニシノブルームーン。ついで? に、実際に同じ馬で複コロもやっています。最初はウオッカで激安だったので、3000円からスタートで1.1倍(3300円)→3.2倍(10560円)。今週突破すれば、かなり膨らみそうですが、さて。


 さて馬券の話。年間に何度かある「インスタントに馬券を狙ってみよう」コーナーです。前回推奨したのは、「減量マーク取れる騎手の火事場の馬鹿力」でしたが、そこまでの破壊力はないものの、こっちもパンチ力はありますよ。今回は「初夏の3歳馬」馬券でーい!

 夏競馬と言えば? 「新馬」「牝馬」「ベテランの馬」など、諸々ありますね。牝馬や6歳7歳馬は、確かに狙い目ですが、新馬戦は馬券という意味では「買うだけ馬鹿馬鹿しい」レースです。新馬なんて、基本的に血統馬と好調教馬が人気になって、結構あっさり勝つ。走ってない馬なので、この手の人気ほど信用できないものはないけど、蹴ると来る。勿論、ガッツリ買うのは無謀。一方で、ちょっとした穴馬を見つけようにも、新馬は情報が少ないので、マスコミも一生懸命探している。「隠れた穴馬」なんて基本的に存在しない。

 新馬戦は買う物じゃなくて、見る物。じゃあ、馬券は、と言うと、もう一つ思いつくのが「降級馬」。現級勝ちがあって、上で戦っていた馬が降りてくるわけだから、当然チャンスは大きいが、漏れなく人気になるわけで、馬券の妙味は少ない。

 そこで狙いたいのは「敢えてこの時期の3歳馬」。初の古馬対戦は厳しい。上記降級馬もいるわけだし、世代間の比較も難しいこの時期の3歳は手を出しにくい。でもだからこそ、「結果的に通用した」場合は、美味しい馬券になるわけです。それに、この時期の3歳は例年、思いの外健闘してるんですよ。

 例えば昨年の話。6月後半の「3歳上」平地レースに出走した3歳馬は154頭。結果は1着16回2着10回3着13回と、計39頭(割合で言うと25.3%)が馬券に絡みました。特に福島と阪神の回収率が高く、軽く単回収率100%超えています。

 この馬券は、一昨年(07年)に阪神の城崎特別(6/23)で3歳馬が1〜3着を独占した時に「ん?」と思ったんですけど。お陰で翌日は函館で3歳馬が2頭絡んだ遊楽部特別の馬券を獲りました。味を占めて去年も狙っていたんですが、スピリタスが2着だった500万(勝ち馬も3歳のミダースタッチ)の馬単など、結構な成果が出ました。今年もやります。

 まずは、今週の競馬。2日3場合わせて全72レースのうち、3歳上は34レース。内3歳馬が出るレースは27。基本的に、全部チェックしてみますが、現時点で特に「面白そう」と思う馬は、土曜札幌8Rのディバインフレイムと日曜10Rのレッドボルサリーノ。ディバインは距離伸びた前走が強い勝ち方。クラブ(キャロ馬です)更新見ても、自信有りそう。ここも連勝期待で頭から。レッドボルサリーノはこのレース唯一の3歳。札幌ダート1700得意の北村友騎手でこちらも頭から。

 土曜。ディバインと同じレースのミミオブパラダイスも距離伸びて面白そうなダンスで、減量騎手(宮崎)。10Rのスノーマジックも同じく宮崎。同レースのピエナリリーは未勝利勝ちのダートが圧勝で、面白い。11Rのマサノウイズキッドは前走案外だったが、このレース唯一の3歳馬で面白そう。福島10Rさくらんぼ特別のノボパガーレも唯一の3歳馬。3歳な上、格上挑戦でまず人気にはならないが、芝では距離長いかと思える1400でも0.4差。50キロで一発あるかも? 最終のレッドレイクは初芝のテイオー。阪神9Rのテスタマッタ、イセノスバルは前走初ダートで勝利。ダートで連勝あるか。最終のミリアムは安定したタイプで複勝向きか。

 日曜は札幌9Rのヤマニンウィスカー、福島8Rのエイシンワールド、阪神7Rのエーシンビートロン、阪神9Rのナリタシリカあたりも逆らえないか。阪神11Rのアドマイヤアゲインはワイルドラッシュ×ジェイドロバリーで初ダート。最終のオーミレイラインは前走初ダートで勝利。51キロでもう一丁。

 マーメイドS共々、1年越し(3歳馬券は2年越し)の狙い目。結果出る・出ないは別にして、こういう「狙い目」をワクワクしながら、一旦棚にしまう楽しさってのも、競馬の確かな側面だと思うのですよ。

 とにかく、競馬ってのは「3次元的」に見ていくことが大事だと思うのです。「X軸」はそのレースに出走する馬同士の比較。これは、競馬を始めたばっかりの人がまず取り組む作業。競馬新聞から見て取れるデータ。次に「Y軸」。これは、同じ馬の前走〜過去の状態を見て、そのレースで勝負できるかどうか考えること。これはレースを一杯見ないと蓄積されないデータ。馬券を獲るには、X軸以上に必要ですね。

 で、もう一つは「Z軸」すなわち「去年のこの時期に獲った馬券」「外した馬券」を覚えておいて、翌年に活かすと言うこと。これは長いこと競馬やってないとなかなか蓄積できない。この作業はめんどくさいのでサボりがちなのですが、Z軸にこそ「美味しい馬券」は一杯埋まっています。私は、特に前年の傾向馬券の嵌りやすい夏競馬・冬競馬では同時期同路線の競馬をせっせと調べています。以前は四季報とか買ってましたが、今はTARGETもあれば、ネット上に情報が山ほどあるので、随文楽になりました。

 この観点に気付かせてくれたのは「金満」だったのですが、金満の単行本を読み返すと、前年の経験を活かしてスマッシュヒットを飛ばす例もあれば、そのせいで外すレースもあったりで、なかなか難しいんですよね(金満の説得力は「後付け」の部分が多いですしね〜)。結局は、諸々参考にしつつも、自分の中で独自の「Z軸理論」を編み出していくしかない。掛けた時間に見合う成果が得られる努力なので、楽しいですよ。勿論、無駄になることも多いですけどねw

 重賞って、「過去××年のデータ」とか、キャリア浅い人も普通に使うじゃないですか。でも、重賞クラスになると、実はそうしたZ軸より、X・Y軸の方がずっと有効だったり(おお、マーメイドSの予想を否定する発言w G1とかのビッグレースって意味です。ハンデ戦はZ軸効きます)。本当にZ軸が効き目あるのは、(特にローカルの)平場のレースなんですよね。上記は一つの「サンプル」ですが、この夏は皆さんも、例えば「今年は札幌のダート1700をビッシリ見るぞ」とかで、来年以降のための「得意分野」を作るのはどうですか。

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