ガットゥーゾが出てきたことで、90%ミランの勝ちは決まりだったと言えるだろう。もう一つはキーマンのポジションの差。ロナウドとカカの存在する場所の差が、そのまま、ピッチの支配力にも直結する。マンUはスコールズの衰えを含む、中盤の脆弱さがここで決定的に差となった感じがする。キャリックはまだ国際レベルの選手ではない。フレッチャーは普通に足りない。ミランはロナウドを潰す選手がいたが、マンUにはロナウドを助ける選手が居なかった。ミランはカカの後ろに、周囲にピルロ・ガットゥーゾ・セードルフがいたが、マンUには誰もいなかった。ニステルの穴も最後で響いた。ルーニーの特徴である、ワイドに開く動きを活かす選手が居ない。ラーションが居た時がベストだったことからも伺える。
それと、今年、チームが調子良いので目立っていなかったが、ファーガソンの問題も最後で噴出した形だろう。最初の失点からの無策さ、このレベルまで勝ち上がったチームの監督としては余りに酷い。そのマンUに惨敗したローマですら、単にチームが弱かっただけでスパレッティの采配はしっかりしていた。ここ3年、ファーガソンの衰えは余りに顕著。カリスマ性の低下が大きな原因だろうが、ベッカムを手放して老いが早まった感はある。そろそろではないか。
内容的にここまで圧倒されて負けたショックは大きいだろう。マンUの中でも大きな改革がそろそろありそうな気がする。ただ、余りに長期政権だったファーガソンの後任は至難の人選。だからこそ、ここ2年、交代できずに「消極的継続」をしてるわけだし。マクラーレンが有力ではあるだろうが、代表でケチを付けた感は否めないし。
決勝はミラン−リバプールになった。当然私としてはリバプールを応援したいが、リーグ戦で散々なミランはここに賭ける意気込みがリバプールを凌いでいる気がする。ただ、リバプールの中盤はマンUより遙かに粒揃い。そして監督は今が旬のベニテス。楽しみ。
しかし、ガットゥーゾとセードルフってのは完璧なサッカー選手だね。誰が監督やっても絶対欲しい選手でしょう。ピルロやロナウドは、監督によってはとことん使いづらいけど。
ただ、ここで負けたからと言ってここまでにしてきたロナウドの突出したパフォーマンスが翳るわけではない。今年のバロンドールは、ロナウド以外の誰が受賞しても違和感を覚えるだろう。