Wcup06・セルビア=モンテネグロ−オランダ

セルビアにとっては諸悪の象徴、ドイツの地と言うことで複雑な心境だろうな…また独立問題に直面しているし。モンテネグロ単独で国際舞台に出られるほど層はないし、セルビアモンテネグロ人のタレントのアクセントが無くなるのはとても寂しい。クロアチア独立時より寂しいかも知れない。あの時は手をもがれた気分だが、今度は足をもがれた気分。サッカーは足でやるモノだからな。でも俺は日本人なので何も出来ない。せめて遠い地からバルカンへエールを送るだけ。ああ不滅なりセルビアのイナット(意地)。ずっと応援する、ずっと……。

出足から素晴らしくハイレベルな攻防。有機性vs有機性。攻守に渡るダイナミズム。圧力と身体能力に勝るセルビアに頭脳というエッセンスで五分に渡り合うコクの素晴らしさ。そのコクがかすむくらいのモビリティを90分見せるジョルジェビッチ。これがW杯だよな〜。予選最高のカードと予想していたが、期待通り。文句なし。その中でチームとしてのクオリティはセルビア>オランダだったけど、タレントレベルで結果は逆になった。これがサッカー。セルビアはケジュマンの他にAクラスのFW居ないのがな〜(守備力も含め)。クロアチアはFWあまってるのに、ね。サイドバックフォワードはクロアチア、それ以外はセルビア

ロッベンのゴールは流石としか。なんて効率の良いカウンター。なんという正確なパス。何処にも隙があるように見えなかったディフェンスをこじ開けた。以降、ロッベンに対する恐怖感がセルビアに出て、ディフェンスのバランスが若干狂った。本当に対した選手じゃ。老け顔のくせに(関係ない)。出したファンペルシーも凄い。流石オランダとしか。

そしてきっちりハーフタイムで修正して後半早々からトップフォームで仕掛けたセルビアも流石としか。ディフェンスの良いチーム=良いディフェンダーが居る、ってのは古代人の発想で、近代サッカーにおいてはFWと中盤のプレッシャーが早くて厳しいことが条件。この両チームはそれを満たしていて、その徹底振りはセルビアがオランダに勝っている。

両方とも素晴らしいチーム。ドイツやイングランド如きは言うまでもなく、ブラジルと比べてもその質の高さは歴然。この2チームに昨日のスウェーデンを足した3チーム(あとはメキシコ…がどうか)が今大会のベストチームでしょう。強いという意味じゃないよ。良いという意味。悪いサッカーをしているチームが普通に勝っちゃうのがサッカー。残念だけど。

その3(4)チームの直接対決は今大会でこの試合だけになる可能性はある。そういうことはこの試合がもっともレベルの高い試合だった可能性はある。見た人、おめでとう。

余談。オランダこのチームならニステルよりマカーイの方が良くない? この試合の主審がドイツ人ってのは、悪質すぎないFIFA? まあ、主審当人は理性的に裁いてたけどね(どころか素晴らしいジャッジだった。偉い)。ジオだらしねーな(みてくれ)。国旗がマギラワシイ。

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