解任のタイミング

 ハリル解任。本日午後正式発表されるようで。個人的には、就任半年くらいでこの人への評価は地に落ちたので、遅きに失した感は否めませんが、本番にそのままいくのが本当の最悪だとすれば、それよりはよほどマシ。まあ、よく決断したモノだと思います。

 普通に、J創設後では日本代表史上最低の監督でしたよね。根本に日本人に対するリスペクトが全く感じられない。トルシェもそういうところありましたけど、やつの場合はアンダーカテゴリーで強烈な成功を収めてそれを自分の手柄として誇れる、と言うことと、母国開催の代表監督で環境が整っているという2つの「餌」がありましたからね。ハリルにしてみれば、日本代表なんてお金以外何の魅力も無かったのでしょう。そういう人を選んだ協会に問題があり、そういう人をここまで決定的に突き落としきれなかったマスコミにも問題があり、でも結局は「W杯出場」という「当たり前」の結果を「オーライ」として全部のくさいものに蓋をする日本人の気質が生んだ大失敗だったんでしょう。

 後任は西野とか手倉森とか言われてますけど、まあ、誰でもいいです。過去出場した大会と比べても明らかに厳しいグループで、少しムラッけのあるセネガルあたりに勝ち点1を取れればまず成功と言えるでしょうし、4年後8年後につながる選手を選んでくれれば。間違っても、完全にピークを過ぎた本田や川島のような選手を使わないでくれれば。願わくば、まともに機能する長谷部の代役に実戦経験を積ませてくれれば。いっそU25くらいのチームで挑むのも良いんじゃないですかね。

 オシム、アギーレと、歴代でもベストと言える監督が途中で離脱した「履歴」を見つめ直して、また長期計画を託せる監督を連れてきて欲しいですね。その人にアンダーカテゴリーから任せて、日本人の監督候補を数名サポートでつけて、26年大会後は日本人体制でいけるような路線も模索して欲しいです。まずは国内組、それも哲学を持って成功しているチームの選手を土台にして、そこから作っていって欲しいです。例えば、川崎と鹿島をミックスして、そこに外国人枠として海外組の選りすぐりを使うような。代表やリーグには哲学はなくてもクラブチームにはあるわけで、その中でちゃんとそれを体現して、結果を残しているクラブを国のサッカーの土台にしていくのは当たり前だと思うんですよね。なぜか日本ではオシム以外誰も実践しませんが。そんなに自信があるのかなんなのか。よく分かりませんが。

 一方ほぼ時を同じくして解任されたレッズの堀監督。こちらは、ACL取ったとは言えあくまで代行監督で、そのまま続投すること自体が間違っていた。ネルシーニョという個人的に100%ない名前が消えたのは心底ほっとしましたが、オリヴェイラさんもどうなのか。素晴らしい指導者だとは思うけど、今までのレッズの系譜、ミシャのサッカーの財産とは全く合わない人。やっぱり浦和は欧州系で言って欲しいとは思いつつも、このクラスの南米系に一度緩んだ箍を締めてもらってゼロ出発するのもイイかと。出来ればW杯期間後の補強選手も監督の意向に合わせてしっかりやって欲しいですね。

 まあしかし、今の札幌のサッカーを見てるとミシャさんにはああいうチームが合ってますね。降格ゾーンのチームを改革して、一瞬夢を見せつつ一桁順位で終えて、次期以降はそのポジションを確立していく。あわよくばどこかでタイトル争いに食い込む。その路線では、やっぱり当代随一の指導者でしょう。一方ある程度以上潤沢な資金と駒をあてがわれても、采配の妙でプラスアルファを生み出す人ではない。広島で大成功して、浦和では「小成功」だったのはその辺。新監督が今の潤沢、かつやや余剰な駒をどう使って、どうそこに色を足していくかは楽しみです。今のリーグ、平均以上の選手層に絶対的な選手が1人2人いれば勝てちゃいますからね。浦和は選手層随一だけど絶対的な選手はいない(そうなりつつあったラファエルシルバが去ったところ)。そこも含めどうしていくのか。今のポジション含め結構楽しみです。選手が口だけじゃなく、ちゃんと目の色変えてたたかってるの見るのは、やっぱ良いものですよ。


 2つの解任。どちらも遅かったですが、動かないよりマシってことで、改めて決断を評価したいです。


 あと、大谷君はすげえなあー。野球は個人的にはもう完全に離れたスポーツで興味ないのですが、このレベルのアスリートにはやっぱりときめくモノがあります。怪我しないで頑張って欲しいね。○○フィーバーって嫌うスポーツファン多いですが、本物の活躍で起こるフィーバーと、マスコミが話題作りに起こすフィーバーは明らかに熱量が違うので、前者をそれこそW杯の試合後に渋谷のスクランブルで暴れる準犯罪者集団と一緒の目では見ないで欲しいなあ、とは、いちスポーツファンとして思いますね。あと大谷君や羽生君で騒がないと駄目、って風潮もチョット嫌。世の中には、好きでも、ひっそりじんわり楽しみたいファンもいっぱいいます。声を出すこと=楽しむではない。チームを愛していても、スタジアムの同調圧力に疲れてシーズンパス放棄して自宅でしか見なくなったサポーターもいるんですよ…。

当ブログの一口馬主関連記事の一部はキャロットクラブさまより許可をいただき転載しております。記事の再引用、転載はご遠慮願います。