女子サッカー

 見てました。まあ何はさておき、フジテレビの解説は一個も喚くところが無く冷静で、かつ自分の知っているエピソードトークに酔うような脱線もなく、素晴らしかったです。女子スポーツの解説ってOBを予備が地ですけど、この人達、もう保護者目線が過ぎるのでスポーツの面白さを伝えようって所の回路がショートしちゃってるんですよね。そんななか、野田朱美さんの解説は良かったです。まあ、アナウンサーが微妙でしたが。

 試合の方は、ポゼッションは高いもののパス回しが危うい日本が「もたらせて、やらされている」スウェーデンペース。その中の失点で一気にがたっと来てもおかしくないところでしたが、阪口の展開力からこの日ぱっとしなかった宮間の初仕事、混戦の中を初先発の川澄が押し込んで望外の同点ゴールがすぐ生まれ、これでスウェーデンの方が狂いました。その後はどんどんプレーが雑になり、日本を助けてしまいましたね。失点のトリガーを引いた沢(彼女は体格スピードに勝る相手にチームを落ち着かせることが出来ないんですよねええ)が失地回復ゴール。こぼれ球を押し込んだだけですが、ボランチの彼女があそこにいるということが凄いのであって。やっぱり偉大な選手です。そして彼女をプレー「させている」阪口の存在は、このチーム一番のポイント。全盛期の啓太のようでしたね。1点差でパワープレーに耐える展開は厳しいぞ、と思ったらミス連発していたスウェーデンのGKが甘いクリアをして、それを川澄がロングボールで蹴りこみ3点目。この時点でこの日のスウェーデンに逆転する力は無し。あとはパワープレーをいなしつつまったりと終了しました。

 とにかくドイツ戦、このスウェーデン戦と、相手のバッドコンディションに恵まれた面は否めません。そういう意味ではびっくりするぐらいやれなかった南ア杯の日本戦のデンマークのよう。日本にはこういう力があるんでしょうかね。それでも国際大会で堂々の決勝進出。偉業というより他ありません。2001年のコンフェデ杯…は、まあ、ホームだったので除外して、99年のワールドユース(現U20W杯)、メキシコ五輪に並ぶ快挙達成。良いものを見ることが出来ました。

 とにかく沢と阪口の2枚が非常に効いている。特に守備面で。その分攻撃は力がなかったここまでの日本ですが、川澄が入ったことで、むしろ大野が蘇生しましたね。ドイツ戦でやり切った安藤も自信を付け直している。アメリカは強大すぎる相手ですが、過去一度も勝ったことがないという意味ではドイツと同じ。針の穴を通すような確率ですが、勝てる相手ですし、そもそもそれを言えばドイツに勝つなんて100%あり得ないと私は思っていましたので。可能性はあるでしょう。

 日本も悪い部分、まだまだいっぱいあります。守備ラインでの緩慢な横パス。あれは最悪即失点に繋がるので、自陣でのパス回しをもう少し安定させて欲しい。出所が2カ所しかないので、片方を切られて追い込まれている。あとはその状況からの苦し紛れの善戦へのロングボール。特に左サイドの鮫島が良く蹴るんですが、この大会通じて上手く行ったのを一度も見たことがありません。沢のロングボールもですね。視野は広いのですが、精度に欠けている。沢の場合は、そんな中からごく稀に相手を崩しきるのですが、総合的に無駄な球が大半なので、この辺の選手のプレーを改善させる必要はありますね。GKの海堀は素晴らしい反応を見せることもあるが、総じてポジショニングが悪いように思える。失点のうちいくつかは、せめて触れなかったかな、という印象。まあ、すぐ直せるモノでもないでしょうから、アメリカ戦で悪い方に出ないことを祈りましょう。

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