Pre judgement of J-League division1 2006(1)

いよいよ開幕のJ1リーグ。各チームの現状分析と予想を。まず6チーム。

鹿島アントラーズ

最大の目玉は監督交代。実質お飾りだったノンキャリアの前任者に代わり、現役屈指の名将の招聘に成功。この人選を可能にするコネクションこそが、鹿島の強さの源。
大岩・岩政のラインを中心にした守備が、これで破格のレベルアップを遂げる。半端な使われ方をしていた攻撃陣の若手が自信を付ければ、戦力の入れ替えが無くても、昨年とは格段の向上を見せる可能性がある。今までのペテンに満ちた薄っぺらな強さから、タレントを活かしきった本物の強さへの脱皮。安定度+爆発力。今年もJ1の中心の一角を担うチーム。
あとは柳沢・本山・小笠原らのコンディションと去就が全て。シーズン途中で小笠原が抜けるようなら、このチームは根底から崩壊する可能性がある。野沢や増田も好素材だが、存在感が段違い。小笠原に代えて、外人の補強が効果的に行えれば、杞憂に終わるが。
他の優勝候補と比べた際の弱みは、代表組のバックアッパーの弱さ。故障しなければ、優勝まで。

[攻撃] A− [守備] AA+ [成熟度] AA [予想順位] 2位

ジェフユナイテッド市原・千葉

オシム体勢も4年目。一昨年・昨年と他チームに主力を多く引き抜かれて「プラマイゼロへ戻す」戦いからスタートせざるを得なかったが、最終年(恐らく)はプラスからスタートできる年になった。主力は若く、成長著しい。競合相手に互角に戦ったと思えば、明らかな格下にも互角に戦われたりと、メンタル面のばらつきが目立つ。その辺の取りこぼしが無くなれば、優勝争いには確実に絡んでくるし、新戦力の台頭も必ずある。
レギュラー人がハングリーさを失わず、順調に底上げがされた時のジェフを見たい。今、Jで一番楽しいサッカーをするのはこのチーム。必見。

[攻撃] A [守備] A+ [成熟度] AA+ [予想順位] 4位

大宮アルディージャ

同市のライバル(等とこちらは思っていないが、ここは一応客観視する努力)の陰に大きく隠れてはいるが、効果的な補強を果たした。殺し屋と波戸のコンビを柏から、ヴェルディからはダブル小林、ガンバから吉原と、降格組を中心に即戦力を多く補強。昨年は運良く降格を免れたチームが、中位以上を狙える体勢に。
勿論、寄せ集めで勝てるほど今年のJは甘くはなく、序盤は苦しむだろう。中盤以降、他チームの疲れを後目に連携を上昇させられれば。
吉原の奮起は最低限として、FWの爆発をもう一枚期待したい。

[攻撃] C+ [守備] B+ [成熟度] C [予想順位] 13位

浦和レッドダイヤモンズ

名実ともに優勝候補大本命として迎える今年。層は厚くなったし、連携も深まった。昨年、序盤の息切れの原因となった余計なカードと不穏分子の問題もほぼ解決した。
小野の加入により、中盤のためが増し、ポンテの自由度も上がった。ワシントンは大型選手だが器用さもあり、勿論ポストとしての強さもある。標的が明確なことで、クロスの精度も上がる。従来J最強だった中盤のプレスは今年も申し分なく、DFも堀之内や細貝などの台頭で穴がない。控えにも一流選手が並ぶ。組織で押し切れるパワーがあり、個人技頼みのタレントも居て、カウンターも出来る。全盛期のジュビロと並び、J史上最強チームになる資格があると言っても過言ではない。
負ける要素に乏しい今年。だが忘れてはいけないのは、レッズは「王者」ではないということ。まだカップ戦をいくつか勝ったに過ぎない。今年、Jを制してこそ、王者の名乗りを上げる資格がある。浦和が強くなったように、ライバルも強くなっている。そして、常に浦和戦は相手が特別視して掛かってくる。楽観は出来ない。
闘莉王やアレがカードを貰いすぎるなどの懸念もある。それぞれ、素晴らしい選手だが堀之内と相馬でカバーはできる。問題を起こしそうなら先手を打って干す、その冷静さがブッフバルト監督にあれば、今年は安心して見ていられる。もしくは、DFに冷静なベテランが加入すれば。
怖いのは、後半だぶついた選手の不満が爆発しないか。その意味では、今年からJのチャンピオンに世界クラブ選手権の出場枠がもたらされることは大きい。混戦の展開は厳しい。圧勝か、負けか。どうなる?

[攻撃] AAA [守備] AA+ [成熟度] A+ [予想順位] 1位

■FC東京

原体勢が終わり、名目上掲げていた「攻撃的サッカー」の行き場がどうなるかが焦点。もともと、悲しいほど守備的なチームであり、原のスローガンはむなしく響くだけだった。ガーロ新監督が中身のある戦術を導入すれば、鹿島同様見違える可能性はある。元々戦力は十分。今野というJ最高のボランチもいる。加地が去り、徳永が加入したが、これも戦力的にはプラス。
とにかく、新監督が大胆に、かつ独自性を発揮してチームを牽引できるかに掛かる。昨年までのやり方に拘るようだと低迷もある。
ササには注目したい。去年は活躍し無さ過ぎた。本来、得点王争いに絡むポテンシャルはあると思える。

[攻撃] B+ [守備] A+ [成熟度] A [予想順位] 7位

川崎フロンターレ

昨年は上出来だった。期待以上の結果を残したと言っていい。だが、昇格初年度でいい結果を残したチームにとっての2年目は難しい。戦力的には大きなマイナスもなく、補強もなく、現状維持と言ったところ。何らかの刺激を加えて、上昇力にしたいところだが。
エメルソン無き今、ジュニーニョの突破はJ最速と言っていい。中盤のタレントがもう少し揃えば、本格的にAクラスを狙える。逆に言うと、武器である攻撃に何かのブレーキが掛かれば、低迷もあり得る。昨年は攻撃が良すぎた。反動が出なければいいが。

[攻撃] A [守備] B [成熟度] A [予想順位] 12位

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