最高かよ。

 見ましたか、BS1スペシャル「史上最大のジャイアントキリング〜岡崎レスター 奇跡の初優勝へ」。とんでもなく素晴らしい番組でした。恐らく、私がサッカーを好きになって、スポーツ番組を観るようになって、見たドキュメンタリーではナンバーワン。

 レスターが今年のプレミアで優勝へ突き進んでいく過程を描いた番組ではあるのですが、優勝候補のクラブではないレスターというチームで、しかも岡崎に固執した素材ではなく、チームの置かれた状況や立ち位置、スタートラインから、徐々に街が熱病に浮かされていくように盛り上がっていく過程を素晴らしい構成で描いていて、この素材集まったこと自体が一つの奇跡だよな、と思いながら堪能しました。試合の映像も過剰にドラマ性ばかり強調するのではなく、素材自体がドラマチックでハイクオリティなのを、本当に見やすく繋いで、提供してくれた感じ。非常に気を遣いつつ、淡々と繋いでいるからこそ、素材の良さが最大限生きる。これぞドキュメンタリーという作り。

 タイトルにあるジャイアントキリングって、日本人もちょっとした番狂わせがあると気易く使っちゃいますけど、ここまで根付いた文化があって、街があって、人が居て、その上で到底覆せない「差」があって、それがひっくり返るからこその言葉なのであって、例えば日本で、天皇杯で、小さなチームがゴッリゴリに手抜きしたJ1クラブをうっかり倒してしまった時とかにこの言葉を聞いて、非常に強い違和感を感じてたんだけど、やっぱその根っこの差なんですよね。日本人が口にするには、まだ我々は浅くて、青い。これから何十年も経って、スポーツを取り巻く街という環境がああいう風になれば、違和感なく受け入れられるんでしょうけど。多分、私が生きている内にはそうはならないんだろうな、と思いますね。2002年のW杯しかり、恐らく今度の五輪しかり。「お祭り」にはできても、「文化」には出来ない民族なんでしょうかね、日本人って。寂しいな。

 さておき、そんなとっときの文化の粋を凝縮して感じることが出来た番組、5/1にも再放送あるらしいので、もし見逃して、興味がある方は是非見てみてください。

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