琵琶の思い出。

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自分にとってビワハヤヒデは思い入れ深い馬でした。エルウェーウィンにやられた朝日杯で初めて見て、皐月でもダービーでも2着。やっと勝った菊花賞は5馬身差。今と違い、長距離路線=Bクラスでは無く、菊を勝った馬が最強4歳(当時)という時代の末期。そこから、喜び勇んで単を買った有馬はトウカイテイオーの2着。Gallopか何かでレース後のインタビューを見て、始めて負けて良かったという気分になりました。

年明けからは快進撃。京都記念からオールカマーまで全く危なげの無い4連勝。馬券はいずれも1倍台前半でしたが、確実に返ってくる安心感もあり、バイト掛け持ちの少ない手持ちから毎レース躊躇無くぶっ込んで、その上がりで新しいスニーカーや服を買っていました。

そして秋天。負ける可能性ゼロのレースと踏んで、前日に入ったバイト代じゅううんまんえんを全額投入。結果は…レースは引っ越しのバイトやりながら先輩のラジオで聞いてたんですけど、気付いたらバイトの現場から逃げて知らない公園に座ってましたよね。レース中の故障でそのまま引退。自分もそれを機に、日雇いみたいなバイト暮らしは止めて将来を見据えた仕事をしようと、その後就職することになる会社の面接を受けたのでした。

競馬をちゃんと見るようになったのはオグリ時代からですが、競馬の喜びと、馬券の怖さを最初に痛烈に教えてくれたのがこの馬でした。あの秋天直線のラジオを聞きながら、足元の大地がなくなるような喪失感に包まれた経験は、その後、単に額面だけでいうならそれよりぶっ込んだこともありましたが、あの強烈な体験は後にも先にもギャンブルでは唯一無二ですね。

皆思うことだろうけど、最後に有馬で弟とマッチレースやって欲しかったなー。

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