新しい。

 現役ジョッキーや引退ジョッキーのエッセイは山ほどあるし、調教師もある。助手も厩務員もある。でもテキスト物ばっかりで、なかなか無かったのが競馬関係者が描く漫画(原作漫画はありますけどね)。本作は、多分最初の「現役厩務員が自分で書いた競馬サークルエッセイ漫画」です。

 自分で、ってところが凄いですよね。馬好きならご存じの通り、厩務員の仕事はハード。そして朝も異常に早い。そんな中、良く漫画を書く時間を確保するものだ。実際、調教師試験へ向けて勉強してる人たちと大変さで言えば遜色ないんじゃないだろうか。すごい。

 そんな厩務員さんの描いた漫画。絵は特別上手くないし、話も競馬好き以外は面白いと感じるかどうか分からない。でも、競馬好きなら非常に面白いこと請け合い。リアリティのある現場話がちゃんと描かれてるってのは凄く貴重だし、あるある満載だし、目ウロコのエピソードも多い。ライトな話題多めだけど、重い話もしっかり描いている。当ブログをご覧頂いている人には是非お奨めします。

 著者は園田の厩務員さんらしいけど、園田に詳しい人なら分かるんだろうか。流石に馬の名前はそのままではないし、色んな経験を元に描いた「半ノンフィクション」かもしれない。エピソードを元に調べてみようかとも思ったけど、そういう野暮なことしないで素直に読んだ方がいいや、と途中で思い直しました。ただ、連載中、一度馬に蹴られて休載するということがあったそうですね。うーん、リアル…。

 この漫画は1巻完結ですが、新作も楽しみに待ちたいです。ノンビリ描いてください。

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